017話:そして少年は夢から覚めた(ステータス記入)
俺はゆっくりと起き上がった。長い長い夢だった。内容はしっかりと覚えている。あれは過去だ。あの男に、ソニア・ジャスミンが経験した残酷な現実だったのだろうと俺はなぜか理解できた。
目の前には立花さんがいる。どうやら彼女は無事だったようだ。彼女が問いかけてくる。
「生きているの?」
俺は頷く。
「よかった。あの後はどうなったの?あの男が死んでいたけど斗賀くんが殺したの?」
「ああ、喉を噛みちぎって殺した。まあ、たぶん」
「どういう意味?」
彼女が怯えた様子で聞いてくる。
「どうやら俺はあの男に呪われたらしい。また、あの変な声が聞こえたんだよ、あなたは呪われましたって」
「じゃあその瞳の色は?」
「瞳の色?」
俺は聞き返した。
「うん。赤くなっているの」
「赤に?」
そう言われても俺はなんのことか分からなかった。俺は目もとに手をあてて、
「俺の瞳の色が赤になっているの?」
と再度聞いた。
「うん。赤くて綺麗な色でまるで宝石みたい」
立花さんがこのタイミングで嘘をつくメリットはなさそうだ。そう考えた俺はステータスを確認することにした。
◇◇◇
名前 トガ アサザ
種族 ヴァンパイア
種族特性 光魔法耐性低下「レベル5」、闇魔法耐性「レベル5」
職業 大罪騎士「ランク7」
職業スキル
固有スキル 異世界語理解、アイテムボックス、観察、炎魔法「レベル10」、黒炎(使用不可)
称号 神の敵、ソニア・ジャスミンの従者、呪われしもの
◇◇◇
いやちょっと待って!まずなんで人間やめているの?それになんで呪われてんのさ!そんなことで悩んでいると立花さんが声をかけてきた。
「どうしたの?頭抱えて?」
「いや、あの」
俺は言葉に詰まる。そりぁそーだろ?死んだと思ったのに目が覚めて、目が赤いって言われてステータス開いたら人間やめていんだもん。
どう言えって言うんだよ!
「ステータス見させて。言葉にしたら手のひらに浮かんできてくれるみたいだから」
そう言った彼女の手のひらの上には彼女のステータスが浮かんでいる。
◇◇◇
名前 タチバナ ユリ
種族 異世界人
種族特性
職業 白騎士「ランク4」
職業スキル
固有スキル 異世界語理解、アイテムボックス、観察
称号
◇◇◇
ほうほう、これが立花さんのステータスか。他人にステータスってみせられるのな。
仕方ない立花さんは信用できるしみせるか。半分諦めた気持ちでそう思って。立花さんにステータスをみせる。
「え、なにこれ!なに?斗賀君人間じゃなかったの?」
「いや、人間のはずなんだが」
しっかり訂正しておく。
「しかもヴァンパイアってことは、血を吸うの?まさかそれが目的で!」
そう言って立花さんは俺から距離をとった。
悲しい・・・
がっくりと肩を落とす俺。
「ごめんごめん。そんなひどいこと斗賀君がするはずないもんね」
まるでいたずらっ子みたいな顔して立花さんが近づいてきた。
「一番初めに確認したときは私と同じ《異世界人》って出ていたんだよね?」
俺はうなずいた。
「じゃあなんでヴァンパイアになっているか心当たりある?」
「たぶん俺が殺したあの男の血を浴びたからだと思う」
「あの斗賀君を下敷きにしていた男?」
「そうだよ」
「それがどうしたの?」
「実は気を失う前にまたあの無機質な声が聞こえてきていたんだよね」
「それでわかったと」
「そういうこと。あとあの男についても分かったことがあるからちゃんと伝えるね」
そう言って俺は説明を始めた。
黒炎はソニア・ジャスミンが放ってきていた魔法です。使えない理由は後程
2019/04/20 一部表現を変更しました。
2019/05/07 一部表現を変更しました。
2019/05/19 一部表現を変更しました。
2019/06/30 一部表現を変更しました。




