第16話 眠り姫
お久しぶりです!
色々あり中々更新出来ませんでしたが、今回なんとか更新出来ました。
ですが、今回の話も楽しんでもらえるように書きました。
是非楽しんでいって下さい。
保健室に着き、ドアを開ける中に入ると、そこには誰もいなかった。
「あれ?先輩どこだろ?」
さっきの先輩が嘘をついたとは考えられないし、もしかして入れ違いになったか?そう思ったが
「ん、んん」
今のは先輩の声だ。そう思い、声のした方を向くと、一つだけ、カーテンのかかったベットがあった。
「先輩ですか?」
恐る恐る声をかけてみるが
「…………」
反応がない
「失礼しまーす」
カーテンを開けるとそこには、笑みを浮かべて気持ち良さそうに寝ている先輩がいた。
「せんぱ~い」
もう一度声をかけてみるが反応がない、ただの屍のようだ。
「まぁ、起こすのも悪いし、起きるのを待つとするか」
そう結論を求めると、近くにあった椅子をベットの側に置き座った。
それにしても先輩の寝顔、綺麗だなぁ。滑らかで美しい黒髪に、透き通った白い肌。それでいて、起きる時の凛々しさを纏った雰囲気ではなく、まるで、触れば砕けてしまうガラスの人形の儚さがある。
本であらわすのならば、白雪姫あたりがぴったりだろう。
漫画のワンシーンのようでずっと見ていられる姿だ。
「で、君は何をしているのか?」
「うわぁぁぁ!」
「うわぁぁ、じゃない、起きたら君の顔をが間近にあったんだか、寝てる私に何をしようとしたんだ?」
どうやら、先輩の寝顔を見とれるあまり、顔を近づけていたようだ。
「ち、違います。別に変なことをしようとしたわけではなく」
「では、何をしようとしてたんだ?」
「えっと、それは」
「何故そこで口を閉じるんだ?まさか!本当に私に変なことを!」
「い、いえ!本当に違います。違うんだですが」
「じゃあ正直に答えてみろ」
「その、先輩の寝顔があまりに綺麗だから、見とれてました。その、決してわざと顔を近づけたわけではなく、ほんとんど無意識に近づけてました。すみません」
「そ、そうか。なら良いんだ。今回のことは水に流そう」
正直に答えた僕に対して、先輩は僕の方を見ずに頬を少し染めて顔を背けてた。
ヤバイ、ああは言ってるけどやっぱり怒ってらっしゃる。まぁ正直、自分でも気持ち悪いと思うから、そりぁ怒るよなぁ。
あと、先輩って乙女みたいな喋り方するときもあれば、強気なスポーツ少女って感じの喋り方するなぁ。
「とにかく、今のことは、無かったことにするが、私以外の子に同じようなことをするんじゃないぞ」
「は、はい!他の子や先輩に不快な思いをさせないように絶対にしません!」
「いや、私にはしてくれるのは構わないが……」
僕が誓いの言葉を言った後に先輩が何か言った気がするが、聞こえなかったので気にしないようにしよう。
「それで、君は何しに来たんだ?」
落ち着いたのか、調子を取り戻したように聞いてきた先輩に、僕は目的を思い出した。
「その、屋上で待ってたんですけど、中々先輩が来なくて心配になって」
「なるほど、原因はわたしか」
「いや、別に先輩が悪いというわけではなく」
「フォローしなくてもいいよ、実際、私がメールの一本でも送っていれば、君に無駄な労力を使わせることも無かったんだから」
自分のせいで僕に迷惑をかけたと落ち込んでる先輩を見て、何か言わなくてはと思うと同時に、自分ごときに迷惑かけたと落ち込んでくれていることが嬉しく思ってしまった。
「いえ、本当に気にしないで下さい。それより、ここに来る前に先輩の教室に寄ったんですけど、茶色のショートヘアーで先輩のことをしーちゃんって呼んでる人に先輩の場所聞いたんですけど、誰ですか?」
「ん?あぁ、赤坂深雪、私の幼稚園の頃からの幼馴染みだよ」
「へぇ、そうなんですか。何か納得です」
「それで、深雪は何か変なことでも言ってなかった?」
そう聞いてくる先輩の言葉を聞き、あの色々な意味で危ない会話を思い出した。
「い、いえ。何も言ってなかったです」
「そう、なら良かった。あの子よく変なことを口走るから不安になって」
残念ながら、その不安は当たっていますよ先輩。
そんな、複雑な心境になりつつ、もう一つ聞かないと行けないことを思い出した。
読んでくれてありがとうございました!
どうでしたでしょうか今回の話。
楽しんでもらえたんなら何よりです。
これからも面白く話を書けるように努力しますので、これからも是非とも読んで下さい!
また、感想や指摘がありましたら、どしどしお願いします!