第9話 空気
こんにちは!今回久しぶりに短い期間で書くことが出来て安心しました!
今回も力を入れて書いたので、楽しんで読んでいって下さい!
憧れの先輩と一緒に下校するなど、ゲームで言うところの一大イベントでテンションの上がるところだが、僕の心の中はそんなテンションになっていない。
何故なら、
「・・・・」
「・・・・」
校門を出てからお互いになにも喋ってない、しかもその状態が十分も続いている。
それもこれもあの校門前での周りからの視線のせいで、お互いに気恥ずかしくなり喋れない状態になっている。
しかし、せっかく先輩と一緒に下校出来ているのに、何も会話せずに終わるなど勿体なさすぎる。だから、言うんだ僕、この気まずい雰囲気をぶち壊すんだ僕、
「あの、先輩、校門の前で待たなくても朝にメアドを交換したんですから、メールしてくれれば、校門で待つ必要がなかったんじゃあ?」
「・・・あ!」
先輩の顔が面白いくらいに蒼くなっていく
「そ、そうだよね!メールすれば良かったんだよね!ご、ごめんね、私、そんなこと思いつかなくて。その結果青山君にも嫌な思いさせちゃって!本当に、ごめん」
先輩が自責の念でどんどん落ち込んでいく。
ヤ、ヤバイめっちゃ先輩から負のオーラが漂ってるよ!さっきより気まずい雰囲気になっちゃったんですねど。
つーか僕は何をしてんだよ、気まずい雰囲気を無くそうと勇気を振り絞って話を振ったのに、話始めから先輩を追い込むようなことを言ってどうするんだよ。
どうしよう、何て言って先輩の機嫌を直せば良いのか分からない。
ただでさい、暗黒の中学時代を過ごしてきて、女子との関わりさえ、ほぼ皆無のオタクに女子の機嫌の直し方など分かるはずがない。
しかし、やらないといけない、このままでは初めての放課後デートがほぼ無言のまま終わるという、悲しい思い出が僕の黒歴史に追加されることになってしまう。
考えろ、考えるんだ、青山 直樹。今までやって来たギャルゲーの中からこの場にあった最適の台詞を考えるんだ。
………………ベタだがこれしかない。
覚悟を決めて先輩の方に顔をむけると。
「駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ。もっともっともっとちゃんと考えないと。だから私は駄目なんだ。だから私は………」
ヤバイ、末期だ。凄い話かけづらいけど言わなくては。
「落ち着いて下さい先輩、僕は先輩を絶対に嫌いにならないから安心してください!」
少しベタな台詞かも知れないが、今の僕にはこれしかない考えつかなかった。
しかし、ちゃんと効果はあったようだ。
その証拠に先輩は自分を追い込むのを止め、僕の顔を涙目になりながら見据えて言った。
「本当に?」
「本当です」
「100%?」
「100%どころか200%です」
「何があっても?」
「何があってもです」
何度も聞いてくる先輩の言葉は不安に満ちていたが、僕は即答でありのままの気持ちを答える。
先輩も少し安心したのか小さく笑った。
そして、
「浮気も絶対しない?」
次に言った言葉は、不安に満ちているという感じではないが、何故か今までの言葉より重く感じた。
「絶対にしませんから安心してください。それに浮気をしようにも、僕は驚くほどモテませんから浮気のしようも無いですよ」
「確かに、青山君ってもう一生モテ期来なさそうだもんね」
「流石にそこまであっさり認められると、僕も傷つくんですけど」
「大丈夫、私は君が心の強い人だと信じてるから」
そう言って先輩は軽く笑い前をむいた。少し僕の心が傷ついたが、いつの間にか気まずい雰囲気もなくなってるので、良かった。
読んでいってくれてありがとうございました!
どうでしたか?楽しんで読んでいってもらえたら光栄です!
テスト期間前でまた更新が遅くなるかも知れないですが。今後ともよろしくお願いします!
感想や指摘のあるかたは是非お願いします。待ってます!