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迷車両で行こう20

「こんにちは。EF65形1121号機。電気機関車です。今日は鉄道が起こしてしまったある社会問題について紹介するね。」

「えっ。鉄道って社会問題を起こすではなく、社会問題に巻き込まれる方ではないんですか。」

「確かに。普段は社会問題に巻き込まれてしまう鉄道ですが、そんな鉄道もある方面の人たちが揃えば社会問題を引き起こすものになってしまうんですよ。コキ100さん。」

「へぇ。どんな社会問題か聞いてみたいな。」

「では、うP主さんから説明があります。」

「説明。お前じゃないんだ。」

うP主:今EF65形電気機関車から紹介がありました。うP主の永島光です。今日は鉄道が起こしてしまった社会問題について。まず、その社会問題が起きたときの鉄道のことについて説明しましょう。この社会問題が起こった時、日本の鉄道は本当に昼夜休んでいなかった。どのぐらい休んでいなかったかと言うとローカル線と呼ばれる線ですら夜行列車が走っていたぐらい。そんな夜行列車の中でも当時小学生など将来の大きなお兄さんたちに注目されていた夜行列車が、青い客車を使った「ブルートレイン」でおなじみの寝台特急です。

「そう。牽引は私がしていたり、後輩のEF66がやっていたり。結構いろんな機関車が客車をバトンの代わりにして、リレーをしていたのよ。」

うP主:寝台特急は皆さんも知っての通り、夕方に出発駅を発車して、翌日目的地に到着するという列車。当時の将来の大きなお兄さんたちにはその列車が次の日になるとどこを走っているのか。それに一番魅了されていたのだ。だが、魅了された将来の大きなお兄さんたちが全員寝台特急に乗り事ができるわけではない。だから、載れない人たちは何をしたかというとね。列車を撮りに行くということをしたのよ。

「列車を撮りに行く。それっていまの大きなお兄さんたちも普通に実施しているよな。」

「そうですね。でも、問題はここから先なんです。」

うP主:そう。コキ100。寝台特急は夕方に発車して、翌日目的地に着く。そこを考えてもらいたい。この将来の大きなお兄さんたちはいつこの寝台特急を撮りに行くんですか。

「えっ。夕方から・・・あっ。そういうことか。」

うP主:そう。すべては寝台特急と言う列車としての性格にある。寝台特急はしつこいように言っているが、夕方に出発して、翌日に目的地に到着する。つまり、この列車はいつ撮ればいいのかということを考えると、夕方から夜遅くまでの時間と、朝早くから列車が目的地に着くまでの間となってしまう。将来の大きなお兄さんたちは自分たちの行動力を生かして、朝早くから夜遅くまで。日本中を往来する寝台特急の追っかけを行ったのである。

「すごいな当時の小学生は。」

うP主:当然なんだけど、こういうことをしたらどこが黙っていないのかわかるよな。

「学校ですね。」

うP主:そう。学校はこれはいけないと思って将来の大きなお兄さんたちによって学校の風紀が乱れると思った。そんな風に学校の風紀が乱されるのはたまったものではない。だから、学校は将来の大きなお兄さんたちに朝早くから夜遅くまで寝台特急の追っかけをやめなさいと言った。だが、行動力のあり過ぎた将来の大きなお兄さんたちはそれをかたくなに拒否。学校側はその行動力に屈服されて、注意するのをあきらめたわ。

「えっ。でも、まだ黙っていないところがあるんじゃないんですか。地方自治体とかで夜の時間帯は深夜徘徊で指導を受ける時間が設定されていますけど。」

「あのさぁ。この小学生がそんな条例知ってると思うか。まぁ、知っていても撮りに来ると思うよ。」

うP主:そう。本当に行動力のあった将来の大きなお兄さんは学校以上に地方自治体や警察まで黙らせてしまったほどだった。これほど小学生など。夢見る人間が起こした社会問題は「ブルトレブーム」として後世に伝えられていくことになるのである。そんな絶大な人気のあった寝台特急もジェイアールによる事業仕分けと、事故ることを前提にバスに乗ったり。面倒な搭乗手続きのある飛行機に乗ったり。全然夢を見ようとしない人たちによって、どんどん衰退してきている。学校や自治体はそのおかげで少しはほっとしていることだろうが、行動力のある高校生が未だにそれを細々と続けている。それに、大きなお兄さんたちが取りに行くものは必ずしも寝台特急などの夜行列車とは限らないのよ。例えば新幹線の陸送だったり。だから、そういうことを夜に行い続ける以上。社会現象は10000パーセント消えないということをお分かりいただきたい。

「確かに。私が投入された時にはもっといたが、今は少なくなったな。そういうことだったのか。でも、なんで今の人は夢を見ないの。」

「さぁ。早い段階で現実を見せられているのかもしれないな。」

うP主:いやぁ。単に小さい子たちの背伸びが異常なだけだよ。そのおかげで、将来の子供たちはさらに不親切になるかもね。

「そうさせないためにはどうしたらいいですか。」

うP主:現実にあんまり期待しないことだね。

「・・・うP主さん。あなたが余計それを助長しているような気がします。」

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