朝
第七話です!
克斗と尾上がずっとワチャワチャしてます。
朝から頭が痛くなるような、呼び鈴音が聞こえてくる。
インターホンの画面を見ると、見切れた尾上が映っている。
「朝からどんだけインターホン押すんだよ……」
イッ◯ーさんもビックリだわ。
重い体を動かして、玄関前まで移動する。
「「克斗さーん、起きてくださーい!あっさでっすよー克斗さーん?」」
インターホンからの声と、ドアを挟んでも聞こえてくる声でデュアルサウンドに呆れながらも、鍵を開けてドアを押す。
「やめろ尾上、克斗克斗うるさい。近所迷惑だ」
「おはようございます。ちゃんと時間通りに起こしに来ましたよ!今日はちゃんと起きてくれましたね。偉いです!」
ご機嫌で肩を叩いてくる。
僕、一様君の上司なんだけど……お前は近所のおばちゃんかよ…いや、おじさんか?
「叩くな」
「それに、ここマンションですし、ご近所の人って言っても隣に住んでる俺しかいないじゃないですか。なんか問題ありました?」
肩を叩いていた手を掴んで下ろす。
「僕に問題があるんだよ。まだ寝巻きなのに」
なにせこっちは寝間着のまんま玄関口に立っているのだ。
「なんでですか?男同士ですし、別に良いじゃないですか。じゃっ、お邪魔しますね」
「ゔっ」
玄関を開けてもらったのをいいことにズカズカと家に上がると、持っていたタッパーを電子レンジに入れて温め始める。
まぁ、ありがたいけど――。
「どうせ克斗さんのことだから朝ごはん食べてないんですよね。持ってきたので、温めてるうちに支度してきてください。遅刻しますよ」
言われた通り、顔を洗い、学校の制服を着て朝の支度を済ませた。
尾上が持ってきたタッパーの中には卵焼きとポテトサラダ、たいたんまでぎっしり詰められていた。それを適当な皿に盛り付け、炊飯器を開けご飯をよそりながらお湯を沸かしてお味噌汁を入れてくれている。
見かけによらず、ご飯を作れる女子力高めの奴だ。
いつ見てもびっくりする。
朝の支度を終わらせて、椅子に座る。
「いただきます」
こうして僕は朝ごはんを食べ始めた。
一見合わない組み合わせかと思っていたが口にいれると結構美味しい。
僕の対面に腰を掛けた尾上が肘をつきながら笑う。
「口元、緩んでますよ。そんなにおいしいですか?」
「……おいしいんだよ。見んな」
「良かったです!」
自棄になってご飯を口に詰め込む。
「というか、なんでこんなに作りたてみたいなんだ?」
「克斗さんが夢見てた時間からがんばって作ってましたからね」
は? もう、ヤバいだろコイツ。 普通上司にここまでするか?
「僕、もう夢見る年齢じゃないんだけど」
「まだまだ子供ですよ」
「朝ごはんだって普通に食べられる」
「それ、ほんとですか?克斗さん、ご飯作られてないと食べないじゃないですか」
食べるって……多分……
でも――
「ありがと」
ご飯は普通に言って美味しかった。
味が濃すぎず薄すぎず丁度よかった。
「で、本当の目的は?」
「克斗さんの寝顔を見に来たんすよ!」
なんて悪気のない笑顔だ……ムカつく。
「起こしたくないんだったらチャイム連打するなよ」
「無言で入ってよかったんですか?」
えっ、よかったのみたいな顔すんなよ。
「いいわけ、無いだろ!アホか」
「そうですか……まぁ、寝顔は今度ゆっくり見に来ます」
見るからにシュンとしている。
「変態」
「そんなこと言っていいんですか?もう送ってきませんよ」
「は?うわ、卑怯だ」
「大人はほとんど卑怯ですよ。ほら、鞄持ってきてください。下で車出しておきますから」
「はーい……」
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