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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第三幕 スラム調査編

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第23話 訪問とインタビュー

「ここがカルド商会ですか」


「この前アリア嬢と一緒に前は通ったけどね」


 数日後、リーネはレイヴンとともにカルド商会の建物の前に立っていた。


「あー、なるほど、それでアリアがちらちらとしていたわけですか」


「まあ、思いっきり看板にカルド商会って書いてあるからね」


 見上げた先の看板にはでかでかとカルド商会の文字が。きっとアリアは気がついていたのだろう。


「それにリーネ嬢はわざとこの近くの雑貨店で買い物をしたんだろう? アリア嬢を餌にするにはそれが一番効率がいいからね」


「おやおや、私がアリア嬢を餌にするためだけにこの近くまで来たと?」


「買い物も楽しみつつ、餌にする、一挙両得だろう? リーネ嬢はそういう人間だ」


「よくわかっていることで」


 事実、レイヴンの言っていることは正解だ。


(付き合いも長くなってきて私の行動が読めるようになってきてますね。いい傾向だと思っておきましょう)


 それだけ無駄が省けるということだからだ。


「ふぅ、それはさておき、そろそろ入りましょうか」


 リーネは言いながら、扉に手をかけた。


「確かにね、ここで突っ立っていても周りから変な目で見られるだけだからね」


 レイヴンもそのあとに続く。


「周りのことなんか気にせずでいいでしょう。我々は今日はただの学生として、商会長にインタビューに来ただけなんですから」


 ジャスパーを通じて、そういうお願いをしてある。もちろん、ただの建前だ。


「……ただの生徒だったら受けてくれなかっただろうけどね」


 実際は、リーネがミゼリオール家、レイヴンがブラックウッド家ということでカルド商会としては断ることはできない。

 ただ、あくまでも学校の課題としてのインタビューということにしてあるのだ。


「というわけで、タンブルウッド学園から来たものです。商会長をお願いできますか?」


 入りながら、ちらちらとリーネの方を見ていた店員に声をかけた。

 わざと聞こえるような声で話していたのを聞いていたのだろう。


「あ、はい! 少々お待ち下さい」


 声をかけられた店員は、足早に奥へと消えていった。


「あの店員も可哀想に……建前だなんて言われても、あんなこと聞いたら慎重な扱いしかできないだろうに」


「それは店員さんがあくまでも自主的に動いたことですから」


 私には関係ありませんね、とリーネは言って笑った。



「おまたせいたしました! カルド商会商会長のカナックと申します」


 奥から店員とともに現れたのは、背の高い精悍な中年男性だった。

 商人らしい身ぎれいなスーツに、人あたりの良さそうな笑顔。


(そう言えば、ジャスパーが若い頃はモテたとか言ってましたね)


 なんとなくレイヴンと似たような雰囲気を感じる。


「どうも、ミゼリオール家のジャスパーさんからの紹介で参りました。タンブルウッド学園の生徒会長を務めています、レイヴン・ブラックウッドです」


 そのレイヴンがリーネの前に出て名乗った。


「リーネ・ミゼリオールです」


 リーネも続けて名乗った。


「お二人共、ようこそいらっしゃいました。本日は、学園からの課題でインタビューということで間違いないでしょうか?」


「ええ、学生として参りました」


 確認するように尋ねてきたのに、レイヴンが即答した。

 これはつまりあくまでも家は関係ないとの意思表示だ。


「さようでございますか。それを聞けて安心いたしました」


 少しカナックが胸を撫で下ろした。やはり家が関係しているとなると、警戒はしていたのだろう。


(……おや?)


 その一瞬、カナックがまとっているスーツが少し乱れ、その隙間から銀色に光る何かが見えた。


「おっと、ここでお話するのもなんですので、こちらへどうぞ」


 カナックがリーネたちを促し、奥の応接室へと案内してくれた。


(ふむ……これは……私が思っていたのとは違うかもしれませんね)


 案内をするカナックの背中を見ながら、リーネは少し考えを巡らせていたのだった。



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