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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第三幕 スラム調査編

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第19話 帰り道と報告

「レイヴン様、明日の放課後に少し時間をください」


 友人になったアリアをスラムに送っていった後、リーネはレイヴンにそう言った。


「明日かい? いいけど、何かあるのかい?」


「むしろ、あるのはレイヴン様の方では?」


「え?」


 リーネの言葉にレイヴンは首をかしげた。


「おやおや、忘れているんですか? レイヴン様がご自身で神父について調べておくとおっしゃっていましたよね」


「あ、あー……そのことか」


 どうやらレイヴンも思い出したようだ。


「一応調べたけど、まだあんまり有力な手がかりは掴めていないんだ」


「ですが、まったく情報がないわけではないですよね?」


「それは、まあ、一応聞き込みくらいはしたからね」


「でしたら、やっぱり話しましょう。私としても、情報を整理したいですし」


 現段階でリーネとして考えていることはある。

 それをレイヴンと共有して、考えをまとめたいのだ。


「わかったよ。それじゃあ、明日でいいんだよね?」


「ええ、今からレイヴン様をうちに招待するのでもいいですが」


 にやりと笑ったリーネに対して、レイヴンは苦笑いを浮かべた。


「そんなことになったらうちの母が喜びそうだよ……」


 夜も更けた中で女性と男性が二人っきりでいるなんて、色々と疑われることは間違いないだろう。


「それで困ったレイヴン様も見たいですけどね。どうします? 朝帰りしますか?」


「……勘弁してくれ」


 レイヴンは本当に嫌そうにため息をついたのだった。


「はは、まあ、それは将来にとっておきましょうか」


「えっ?」


「それでは帰りましょう」


「あ、うん……うん?」


 レイヴンが首をかしげているのを見て、リーネはニヤッと笑って歩き出した。

 ちなみに、発言には深い意味はないのだった。


(ちょっと私らしくない冗談でしたか。しかし、これもまた一興でしょう)


 なんとなく出た言葉に、自分でもちょっと驚いているリーネだったが、もちろん、それを顔に出すことはなかった。



 次の日、約束どおりにレイヴンとリーネはオカルト研に集まった。


「今日もノエラ嬢は来ていないのかい?」


「ええ、最近は家が大変みたいですよ」


「その理由に君も関係しているんだけどね……」


「正確には私ではなく、前の当主ですけどね。それはさておき、話し合いを始めましょうか」


 リーネはそう言うと、レイヴンを促した。


「ああ、でも、昨日も軽く言ったけど、正直、あまり有力な手がかりは掴めていなくてね」


 レイヴンは言いながら、資料を鞄から取り出した。


「詳細は資料に書いてあるけど、簡単に説明すると、神父が王都の中に入ってきてから、スラムに戻ったっていう形跡はないってことみたいだよ」


「ほう? そこまで調べられたんですか?」


 有力な手がかり掴めていないという割には、なかなかに詳細な調査をしているようだ。


「うん、スラムの出入り口は一つしかないからね。それを管理している兵士が神父のことを覚えていたんだ」


「あー、神父ですもんね。確かに目立ちそうではありますね」


「うん、いつも同じ服装だったみたいだから、それにスラムから入ってくる人がいるからってことでよく覚えていたみたいだよ」


「なるほど、それでは王都の中にいる可能性が高いと?」


「服を変えて王都から出ていったとかでない限りはそういうことになるね」


「なるほど……」


 レイヴンが口を濁している理由もよくわかった。


「王都の中にいる可能性、スラムを捨てて王都から出ていった可能性、どちらも考えられるということですね」


 それは確かに話しづらいだろう。アリアという友人ができた以上、リーネにも言いづらいのはわかる。


「そうだね。生憎と、王都での足取りは全然掴めていなくてね……商店で買い物をしたという話はあるけれど、それが本人かどうかの確認もできていない」


「あー、そういう問題もありましたか」


 王都の中には、当然教会だってある。神父だっている。

 だから、例えば神父を見たとしても、それが本当に探している神父なのかどうかはわからない。


「そういうことだね。引き続き調べてみるけど、なかなかに厳しそうだなというのが本音かな……」


 ということでレイヴンとしては以上らしい。


「ふむ、では、少し私の方で動いてみますか」


「君の方で? そういえば、君も何か考えているみたいだったけど」


「そうですね……もっとも私の方は完全な思いつきなんですけどね」


「思いつき?」


「ええ、そのためにも……」


 リーネはにやりと笑って言った。


「アリアを餌にしてみましょうか」


 リーネの言葉に、レイヴンは頭を抱えたのだった。



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