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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第三幕 スラム調査編

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第11話 境遇と形見

「そういえば、アリアはどうしてこの教会に?」


 神父の話が一段落した後に、雑談モードになっている中、リーネがアリアに尋ねた。


「親が死んだところで神父に拾われたみたいなことは聞いた気がするけど」


「そうですね」


 人によっては無神経とも思われるリーネの質問にもアリアは、朗らかに頷いて返してきた。


「元々、私は母とスラムで暮らしていました」


「母とだけですか? 父親は?」


「父は……わかりません。母いわく、父との結婚が許されなかったと言っていました」


「そういうことですか」


(子どもを連れてスラムに逃げてきたみたいな形でしょうかね)


 そうなると、アリアの父親は貴族か、それに準ずる身分の人間だったのかもしれない。

 アリアの容姿を見るに、それは十分にあり得る話に思えた。


「このペンダントも母の形見なんですよ」


 アリアは首から下げている半月を模したペンダントを見せてきた。


「半分の月ですか、ちょっと珍しい形をしていますね」


 月と言ったら、なんとなく三日月のイメージが強いが、これは半月だ。


「ええ、母いわくそんなに高くないものらしいですが、それでも母がずっと大切にしていたものですから」


 それをアリアも引き継いだということらしい。


「そういえば、アリアは私と一緒で十六ですよね? いつからこの教会に?」


「教会に来たのは、今から六年ほど前ですね。神父様と出会ったのもその時です」


 神父がスラムに来たのも同じくらいの時期らしい。


「それで、神父に色々と教えてもらったと」


「はい。読み書きとかも教えてもらいました。あ、もちろん、神様のことも」


「それで同じ宗教のシスターになったと」


「そうなりますね。神父様としてはそこまで望んではいなかったみたいですけど。私が強く希望したので」


 少し照れるようにアリアは言った。きっとアリアは神父のことを本当の父親のように慕っていたのだろう。


(なんとなく既視感があると思ったら、これ私ですね)


 リーネは自分とアリアの境遇が似ていることに気がついた。

 リーネも両親を亡くし、祖父に引き取られた身だ。

 もちろん、スラムや貴族という違いはあるものの、親を亡くして信頼できる大人に拾われたという点では共通している。


(とはいえ、境遇だけではありますけどね)


 もしも、リーネがアリアの立場だったら、きっとシスターにはならなかっただろう。

 それは性格の違いというものだ。それを考えるとなんだか少しリーネは面白くなった。


「そういえば、リーネ様とレイヴン様はどういうご関係なんですか? あ、いえ、言いたくなかったらかまわないのですけれど」


 口にした後、失言したというでもいうように、アリアは付け足した。

 確かに、アリアにはリーネが貴族であることは話していない。人を詮索するという意味で言うと、確かにあまり良くない質問なのかもしれない。


「そうですね……」


 ただ、今リーネは非常に機嫌が良い。だから、ちょっと真面目に考えてみることにした。


 貴族であることは話したくない。アリアとはそういうこと関係無しの友人でいたいからだ。

 死神であることも話したくない。なんというか、アリアに気を使われたくないからだ。

 そうなると、どう答えたものか……


(うん?)


 リーネは考えて、おもむろに顔を上げると、アリアがなんとなくソワソワしているように思えた。


(あー、これはそういうことですか)


 アリアが期待している答えがなんとなくわかって、リーネはにやりと笑った。


「残念ながら、アリアが考えているような関係ではありませんね」


「ふぇっ!?」


 アリアはリーネの言葉にあからさまに驚いた表情を浮かべた。


「私たちは別に男女の仲とかではありませんね」


 リーネの言葉に、アリアは今度は顔を赤くした。


「男女の!? あ、いえ! 別にそういうことを考えていたわけでは!」


 聞いてもいないのに言い訳をし始めるアリア。


「おや、別に私は男女を意識するような関係ではないと言っただけですが? そういう意味とは?」


 リーネはニヤニヤと笑いながら問いかけた。


「なっ!? そ、それは……」


 アリアは顔を真赤にしながら俯いてしまって、リーネはそれを見てますますニヤニヤが止まらなかったのだった。



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