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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
幕間 とある事件と暇つぶし

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第2話 死神のお仕事

「遅かったですね。私を待たせるとはいい度胸です」


 人がいなくなった中、リーネはレイヴンに声をかける。


「これでも早く来たつもりだったんだけどね」


 リーネの言葉にレイヴンがため息をついた。


 元々学校が終わった際に、たまたま現場に出くわしてなんとなく眺めていただけのリーネだった。

 まさかレイヴンがやってくるとは思ってもいなかった。


「……それでリーネ嬢は手伝ってくれるのかい?」


「さあ、どうでしょう? 普通に仕事だけしてもいいですけど」


 にやりと笑うリーネ。それはつまり、面白い情報を提供してくれれば手伝ってもいいという意味だ。


「……一応調べてきたよ。どうやら彼の名前はアレク・シェルドン。フリーのライターでネットに記事を上げていたようだね」


 レイヴンは振り返ってリーネの質問に答える。


「ああ、なるほど、閲覧数目当てに適当なことを書くお仕事ですか」


「言い方には気をつけてくれよ。ただ、まあ、彼に関しては間違っていないかもしれないね。なにやらすごい陰謀論に傾倒していたみたいだからね」


「陰謀論?」


 その言葉にリーネは楽しげに首を傾げる。


「うん、なんでも、魔物から取れるエネルギーでは今の王都を支えるには足りない。そこには王国が隠している秘密があるはずだってね」


「ああ、なるほど、そういう人でしたか。それはそれはどこで恨みを買っていてもおかしくはないですね」


 ちなみにリーネとしてはそれほど嫌いではない。あとで記事を読もうかと思えるくらいには興味がある。

 そう、興味が出てきた。


「そうだね。犯人候補が多すぎて正直、手詰まりってところだね」


 そう言いながら、レイヴンは立ち上がりリーネに視線を向けた。


「というわけで、お願いできるかな?」


 レイヴンはリーネを真剣に見つめてきた。


「ええ、不甲斐ない人類に変わって、私が真実を暴いてみせましょう」


「……リーネ嬢も一応人類のはずだけどね」


 リーネはそんなレイヴンの言葉を聞き流して、血まみれの男性の死体を見る。


「さて……」


 リーネはおもむろに背中に背負っていた大きな鎌を構えた。

 その鋭い刃が太陽に抵抗するようにきらりと光る。


 振り上げられた鎌は、まるで大きな烏の羽のように空を切り裂く。


 そしてリーネは血まみれの男性の胴体に振り下ろし、死体へと突き刺した。

 しかし、突き刺さったはずの部分からは血は出てこない。鋭い刃は男性の遺体を、地面を貫通している。


「この者の魂を……」


 呟くリーネの言葉に伴って、遺体からは黒い煙が吹き出していく。

 遺体から煙が抜けていくにつれて、段々と小さくなっていく。

 やがてそこに残ったのは一つの青く輝く石だけだった。


「よし、魂石の完成です」


 リーネはその青い石を手に取り緩やかな笑みを浮かべた。

 これこそが魂石。人の魂が宿ると言われている石。人の遺体から魂石を作りそれを神へ返すのが死神であるリーネの仕事だ。


 本来ならここまでが死神の仕事。


(さて、お楽しみの時間ですね)


 ここから先はリーネの趣味の時間だ。


「……ははぁ、なるほど」


 深く目をつぶったまま、リーネは微笑みを浮かべた。


(いつ聞いても綺麗ですね)


 うっとりするかのようなリーネの表情。

 真っ黒なローブを纏ったリーネの姿でそんなことをしていたら、人々はまたしても恐怖の悲鳴をあげるだろう。

 もっともその存在自体が畏怖の対象なので、ここには誰も残っていないが。


「……何かわかったかい?」


 レイヴンが遠慮がちに声をかけてきた。


「……」


 リーネはそれに反応をせずに、じっと目を閉じている。

 何かと会話するように、時折リーネの口が動く。

 しばらくすると、リーネはゆっくりと目を開けた。


「ええ、聞こえましたよ。彼の声が」


 にやりと笑うリーネ。その姿は不気味ながらもどこか楽しそうだった。



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