表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第二幕 ミゼリオール邸集団死亡事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/67

第34話 当主と罪

「どうも、次期ミゼリオール家の当主です」


 数日後、もはやたまり場になったオカルト研でノエラとレイヴンに向かってリーネはそんな挨拶をした。


「お、おめでとうございます?」


「あ、ああ、君の両親も喜ぶんじゃないか?」


 口では祝福の言葉をかける二人だったが、どこかぎこちない。

 二人ともリーネがそれを嫌がっていることに気がついているからだろう。


「こんなことになるのであれば、叔父は生かしておけばよかったですよ」


 そう言いながら、思わずため息をついた。

 しかし、実際あの時はああすべきだと思ったのだ。


(その後のことを全く考えていませんでしたからね)


 その時にやりたいことを優先した結果の末路である。


「しかし、リーネ様が当主になってくれると私としてはありがたいですわね」


 ノエラは気を使いながらも少し嬉しそうだ。


「ああ、ユラシエル家の次期当主はノエラ嬢になる予定なんだっけ? そういう意味ではうちもそうなるかな」


 そう、実は目の前の二人はほぼほぼ確定で次期当主になる予定なのだ。


「まあ、私はまだ当主候補ですけどね」


 二人とは違ってまだ確定ではないということを強調する。


「実際のところどうなんだい? リーネ嬢が継がなければミゼリオール家は取り潰しになるんじゃないかい?」


 実際のところそういう話はあった。

 祖父が死んだことで完全に空席になったミゼリオール家の当主。

 リーネはまだ若く、しかも女性である。

 取り潰しという案ももちろんあった。


「それはそれで何か違う気がしたんですよね……」


 少し小声になってリーネが言った。

 そう、取り潰しになるというところで結局待ったをかけたのはリーネ自身だったのだ。


(自分でも不思議だと思いますが、なぜかそれは嫌だったんですよね)


 その結果が今の保留状態であり、暫定の次期当主扱いになっているわけだ。


「それが許されるのはリーネ様の功績ですわね」


「あとは国からの償いもあるかもしれないね。罪を見抜けず悪をのさばらせる結果になったわけだし」


「そういうのもあるかもしれませんね」


 なにせリーネの父や祖父の評判は貴族内でも高かったのだ。慕っていた人は今でも多い。


「それに、叔父は思っていた以上に大罪人でしたからね」


「ああ、君の両親への犯行や暗殺ギルドへのつながり、会社を混乱に陥らせたこと……数えられるだけでもとんでもないね」


「会社の件は、うちにも飛び火してますわ。まったく迷惑なことですわ」


 ノエラの家のユランシエル家は魔道具の会社だから、人工魔石を取り扱っていた叔父の会社とも多少はつながりがあったようだ。

 それに今回人工魔石の件が大騒ぎになったことで、魔道具全般の安全性について疑問が持たれている。


「いえ、それはそれで問題ですが、あれ? 言ってませんでしたっけ? 叔父はもっと凄いことをしていたらしいんですよ?」


「えっ? なんですの? 聞いてませんわよ」


「僕も聞いていないね」


 リーネは勘違いしていたがどうやら話していなかったらしい。


「ああ、そうでしたっけ。では、簡単に説明いたしましょうか。叔父の罪を」


 死人に罪なしではあるが、ネタにする分には問題ないだろう。



「まあ、簡単に言えば叔父はとある大事件の原因だったんですよ。それを隠すために、私の両親を殺したというのが顛末です」


「大事件? 嫉妬でというのが動機じゃなかったのかい?」


「ええ、それも理由でしょうが、本当の理由はこれです」


 リーネはそう言うと、自分の鞄の中から一冊の本を取り出した。


「白い本……あの時の……! にしてはなんか綺麗ですわね?」


 真っ先に反応したのはノエラだった。それもそのはず、ノエラはこの本のせいで大変な目にあったのだから。


「空間魔法の本だね……クレイン氏の家で見つけたやつか」


 一方でレイヴンはこの本の正体を知っていた。なにせリーネが発見した時、レイヴンも一緒にいたのだから。


「そうです。これは空間魔法が込められた魔道具です。実は一冊ではなく二冊あったんですよ」


 おそらく一冊はライナーが利用し、もう一冊をクレインが利用していて一緒に研究していたのだろう。


「そしてもっとも重要なのがこれです」


 リーネが指を差した先は白い本の表紙にある宝石のようなもの。


「魔石……いえ、人工魔石ですわね」


「そう、私たちは勘違いをしていたんですよ。この魔道具は本来このように魔石を使うものだったんです」


 リーネはにやりと笑いながら人工魔石の部分を指で軽く叩いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ