表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第二幕 ミゼリオール邸集団死亡事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/85

第21話 平民と暗殺者

「おやおや、珍しいですね。あなたが仕事をまっとうできなかったのは初めてですね」


 うなだれるレイヴンにリーネはうすら笑いを浮かべて言った。


「彼に会いに会社に行ったらそもそもクビになったと言われてしまってね」


「あら、本当にクビになったんですね」


(随分と行動が早いものです。評価点ですね)


「しょうがないから、彼の家を聞いて話に行ったんだ。突然会いに来た割には普通に迎えてくれた。しかし、旧校舎の話になった途端怯え始めてしまった」


「空調設備の加工の話どころか、旧校舎の話ですらアウトですか」


 つまり、それだけ話したがらない理由があるということ。


(人当たりだけは良いレイヴン様ですから、見た目で怖かったということはないでしょう)


「ふむ、となると、あの本の中で亡くなっていた人の死にクレイン氏が関わっているのはもう確定ですね」


 それが殺人かどうかはまだ確定はしていないが、関与していることは間違いない。


「そうなると、是が非でも話を聞きたいところですが……」


 リーネが見るが、レイヴンはそれは無理だという表情で首を振った。


「あの様子では僕がもう一度尋ねたところで同じ結果になるだろう」


 そうなるとやれることは一つ。


「私が直接会いに行きましょうか」


「いや、しかし……」


「ご安心を。ちょっと交渉するだけですよ。生かして帰らせてあげますから」


 リーネの言葉に、少し心配していた様子だったレイヴンも一気に顔がひきつった。


「そもそも、私は死神ですからね。危険なんてありません。それに、嘘も通じませんからね」


 そんなレイヴンを見て、リーネはくすりと笑いを浮かべたのだった。



「ここが彼の家だ」


 リーネはレイヴンに案内されてクレインの家の前までやってきた。


(随分と住みづらそうな場所にありますね)


「本当なら気をつけてくれ、女の子が一人で歩いていると危険だからな。というところだが……」


 ここは、王都の中でも外れのあるやや治安の悪いと言われている地域。通りを二つほど挟むとそちらには本格的なスラムが広がっている。


「襲ってきたら合法的に色々と実験ができるんですけどね」


「あとで僕が大変だから勘弁してくれ」


 死神がやらかした後始末をするのは、護衛騎士であるレイヴンの仕事になる。


「ふふ、大丈夫ですよ。私から手を出すことはありませんから」


「そうか、もしものことがあったら僕が解決するから君は手を出さないでくれよ」


 レイヴンは自分の腰につけている剣をぽんぽんと叩いた。

 荒事は任せておけということらしい。


「私としては、剣よりも魔法で解決したほうが楽だと思いますけどね。それよりも……」


 リーネは言葉を切ると、扉を指さした。


「今日の話し合いは3人でというつもりでしたが、お客さんでもいるんですか? 随分と荒々しい話し合いを先にしてらっしゃいますが」


「な……っ!」


 リーネの言葉を理解したレイヴンはすぐさま扉を開いた。


「クレイン氏!」


 開け放たれた扉の向こうでは、ちょっと気弱そうの細身の男が、ちょうど黒尽くめの男に切りつけられるシーンだった。


(おっと、衝撃的なシーン)


「助け……ぐはっ!」


 細身の男性。おそらくこれがクレイン氏だろうか。背中から切りつけられた彼はそのまま倒れ込んだ。

 そのクレイン氏にトドメを誘うというのか、黒尽くめの男が喉元を切り裂こうとしているところだった。


「やめろ!」


 レイヴンがすぐさま自身の剣を抜いて、黒尽くめの男へ立ち向かった。

 レイヴンの動きが早かったのか、ナイフをクレイン氏の喉元を突き刺すことはできなかったようで、咄嗟に黒尽くめの男は後退した。


「かはっ……」


 しかし、飛び退く際にナイフを投げてそのナイフはクレイン氏の胸部に深々と突き刺さった。


(見事。絶対に殺すという意思を感じますね)


「くそっ! 何者だ! 待て!」


 レイヴンが問いかけるが、それに答えることなく、黒尽くめの男は背後にあった窓から逃走していってしまった。


「くそっ!」


 レイヴンは一瞬窓に駆け寄っていく。その際に机にぶつかってそこから一冊の綺麗な宝石がついた白い本が落ちた。


「……いない」


 窓の外を見ていたレイヴンだったが、すぐに諦めて、倒れたクレイン氏に駆け寄った


「大丈夫か! しっかりしろ!」


「ぁ、ぁあ……」


 クレイン氏はかろうじて意識があるようで、何事かをクレイン氏に話そうとしていたが、すぐに力が抜けたように目を閉じてしまった。


「クレイン氏!?」


 レイヴンが声を掛けるが、彼の目は開くことはなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ