表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第一幕 呪いの旧校舎

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/75

第23話 浄化と謎

「それよりもこの方どうしますか?」


 リーネはしゃがみ込んで、遺体の様子を確認しているレイヴンに問いかけた。


「あー、そうか、浄化の必要があるんだね」


 レイヴンはリーネが何を言いたいかを理解したようだ。


「はい。死神としては、この遺体はこのまま放置できませんね。すぐに浄化すべきかと」


 それこそが死神の使命でもある。しかし、それをすると不都合もある。


「浄化すると遺体が魂石に変わるからね」


 浄化された遺体は身体を失い、一つの石だけが残る。その石は魂石と呼ばれ、死神の手によって神へと変換されることになる。


「本当は身元の確認くらいはしたいんだけど……」


 浄化してしまうとそれもできない。


「カメラで撮影とかでもしておけばいいんじゃないですか? せっかくの文明の利器を活用すべきでは?」


「その手があったか」


 リーネの指摘に、レイヴンはポケットからスマホを取り出して、早速写真を撮り始めた。

 パシャパシャとあらゆる角度から撮影を行う。


「うん、これで十分かな。待たせちゃってごめん」


「ええ、私を待たせるとは、これでまた貸し一つですね」


 リーネの言葉にレイヴンがぴくっと反応したのを見て、リーネは軽く笑った。


「さて、それでは浄化を始めましょうか」


 しかし、すぐにリーネは顔を引き締めた。


 死神としての使命。さすがのリーネも適当にはできない。

 遺体のそばに近づき、目を瞑る。

 リーネの身体から黒い煙のようなものが吹き出し、リーネの身体を包みこんでいく。

 その煙は実体を持ち、やがてリーネの身体を覆うローブとなった。


「これが……死神……」


 死神としての姿になったリーネを見てレイヴンも目を見開いている。

 その反応を無視して、リーネは背中に背負っていた大鎌を取り出し、遺体に向かって振りかぶった。


「あなたがどこの誰かはわかりませんが……あなたに死神の祝福を……」


 そういうと、リーネは勢いよく大鎌を振り下ろした。

 大鎌が遺体に刺さる。大鎌は遺体をすり抜けるように貫通し、突き刺さった場所から黒い煙が吹き出してくる。

 それに伴って、まるで風船がしぼんでいくように遺体が小さくなっていく。

 すべての煙が吹き出し終わると、そこには小さな石が一つだけ残されていた。


「いずれ神の元へ送って差し上げます」


 そう言いながら、リーネはゆっくりとその石、魂石を拾い上げた。


「これで完了です」


「おつかれさま」


 リーネは大鎌を背中に戻して、レイヴンに振り返った。


「その魂石は僕の方で預かっていいかな? 死神ギルドの方で管理をしてまとまったタイミングで奉還しているんだけど」


「そうなっているんですね。ええ、問題ないですよ。奉還は面倒ですからね」


 魂石はレイヴンの手にわたった。


「さて、これにて一件落着ということで。レイヴン様もお疲れ様でした」


「うん、まさか、こんな魔道具があったなんて思わなかったよ」


 レイヴンは開いたままの本の魔道具を見て苦笑いをした。


「しかし、これから身元特定とそれに死因も調べないとか……大変だなぁ」


 苦笑いをしたままため息をつくレイヴン。


「身元はともかく、死因はだいたい予想つきませんか?」


「うん? どういうこと?」


「どういうことも何も……彼は完全に密閉された空間に閉じ込められていたんですよ? 空気がなくなるのは当然でしょう」


「ああ、それもそうか……あれ? でも、そしたらなんで彼は閉じ込められていたんだ?」


 レイヴンの疑問にリーネはにやりとわらった。


「可能性は二つです」


 リーネは指を立てる。


「一つは、彼は自ら進んであの空間に入った。つまり、魔道具を発動して空間を作り出したはいいものの、出られなくなってしまったパターン。しかし、これは可能性が薄いでしょう」


 言いながらリーネは、レイヴンから本を受け取る。

 レイヴンから本が離れた瞬間、本から発生していた空間は元に戻っていき、何も書かれていない真っ白のページになった。


「このように誰かが発動していないと空間は作り出せないのですから。自分一人で入ったというは無理があるでしょう」


 もちろん、事故やなにかのミスで閉じる前に入ってしまった可能性はゼロではありませんけどね。


「なるほど……つまり、この件は……」


「ええ、二つ目の可能性です。誰かが魔法を発動して、彼が入った瞬間に手を離し、彼をこの空間に閉じ込めた」


 つまり……


「殺人……ということですね」


 ぽんぽんと本を叩くリーネ、その表情は何か面白いことを見つけた子どものような笑みだった。



これにて第一幕が完了です。簡単に言えば、前半終了という感じになります。

後半は解決編へとなります。

評価やフォローの方はお任せいたしますので、引き続き物語にお付き合いください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ