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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第一幕 呪いの旧校舎

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第21話 本と魔道具

「あなたも知っていると思いますが、古い時代の魔道具はいくつかの形があります。杖型だったり、指輪型だったり、あるいは本の形をしていたり」


 リーネは拾った古い本をレイヴンに見せる。


「これはノエラが気絶する前に開いていた本です。中身は何も書かれていません」


「確かに……中身は白紙だね……」


 リーネがペラペラとその本を開いくが、やはり中はどのページも真っ白だ。


「ノエラはこの本を開いたまま気絶しました。これは穢にやられたということでしょうか?」


「……穢は別のところから現れた」


 レイヴンは前にリーネが話したことを思い出したようだ。


「ええ、穢はこの教室の地面から現れたのです。この本からではない。では、なぜノエラは気絶してしまったのか? それは、別の理由があるからです」


「別の理由?」


「ええ、レイヴン様、マナ中毒というのはご存知ですか?」


「マナ中毒……聞いたことがある。確か、マナが濃い場所などに長時間いるとマナを過剰に吸収してしまい、意識を失うとか……あっ……」


「そう、ノエラの症状がまさにそれですね。まあ、穢の影響も多少はあるのでしょうが、穢が原因だったとしたらもっとひどいことになっていたでしょう」


 事実として穢と相対したリーネは死にそうな目にあったのだから。


「では、なぜこの本を開いたノエラはマナ中毒になったのか? それは、この本を開いたことによって、そこから大量のマナが吹き出したためです」


「……隠し部屋はこの本の中にある?」


 どうやらレイヴンもリーネが言おうとしていることにたどり着いたようだ。


「ええ、この本は空間魔法が込められた魔道具。この魔道具を使うことによって、空間魔法が発動し、隠し部屋が出現するのです」


 リーネは、レイヴンに本を手渡す。


「過去の魔道具は今の魔道具のように、誰もが使えるものではなくどちらかというと魔力の増幅・変換を行う物が多いです。残念ながら私は魔法が使えませんからね」


 そうリーネには魔法は使えない。だからこそレイヴンをここに連れてきたのだ。


「なるほどね……これに魔力を込めればいんだね?」


 自分の勘違いだったことを認めたレイヴンは、素直にリーネから本を受け取り、ページを開き、そのまま目をつぶった。

 見た目では変化は現れないが、レイヴンはきっと今、魔力を込めているのだろう。


「ああ、そうそう……忘れていましたが……」


「……ぅ!」


 リーネが全部を言い切る前に、レイヴンの表情が歪んだ。


「隠し部屋には大量のマナがまだ残っていると思いますよ? ノエラがやられたのはあくまでも吹き出した一部でしょうから」


「それを……先に……言ってくれ……」


 にやりと笑うリーネに、レイヴンは冷や汗を垂らす。


「すみません、気がついているかと思っていましたよ」


 苦しそうに顔を歪めるレイヴンを見るリーネはやはりどこか楽しそう。


「まあ、とはいえ、さすがに気絶されても困りますからね。助けてあげましょう」


 これは貸しですよなんて言いながらリーネはレイヴンの背中に手を置いた。


「なに……あれ……」


「死神の力というのは便利ですね。こうしてあなたを助けることだってできてしまう」


 リーネはレイヴンに入ってくるマナを浄化することで調節していた。もちろん、こんなことは死神にしかできない。

 苦しさが紛れたレイヴンだったが、やはり苦い顔をしたままだ。


 きっとリーネに貸しを作るのを嫌がっているのだろう。もっとも、使徒なので貸しもなにもないのだが。


 リーネの助けもあってから、魔力が注がれた本は徐々に光り始めた。

 開かれていたページには何か絵が書かれ始めていく。


「えっ!?」


 レイヴンが驚きの声を上げた。

 次の瞬間、開かれたページが沈み込んでいく。当然、本の外装はそのままだ。

 ページがどこか謎の空間へと繋がっていくように本の内側に小さな部屋が展開されていく。


「ふむ、予想通り……中にいましたね」


 展開された小さな部屋の中には、一つの遺体が横たわっていた。


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