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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第一幕 呪いの旧校舎

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第9話 検討と明日

(どうしましょうか……)


 推測はしたもののリーネは迷っていた。今これをレイヴンに話すべきかどうかということを。


「うん? どうかしたのかい?」


 小さく呟いたリーネの言葉にレイヴンが目ざとく反応してきた。


「いえ……」


 リーネは自分の推測を話すかどうか迷った後、


(私にメリットはありませんね)


 興味がなくなったから、話を逸らすことにした。


「そもそも、なぜレイヴン様はこの事件を調査しているのですか? こういうのは国の衛兵とかの仕事じゃないんですか?」


「まだ事件が発覚しているわけじゃないから、国は動かないんだ。あくまでも今は調査という段階なんだよね」


「なるほど国はお役所仕事ですからね」


 リーネの言葉にレイヴンは苦笑した。


「さらに言えば、今回の件は死神ギルドでも信憑性が薄いと判断されていた。だから、本格的な調査ではなくて、あくまでもなにもないことの確認というわけだったわけ」


「学生であるレイヴン様が調査していたのもそれが理由ですか?」


「そういうこと。本格的に調査をするなら外部の人間が学園に入ることになるからややこしくなるんだよ」


「学生であるレイヴン様ならばスパイの如く調査ができると」


「そう、実際に人が気絶したりとかもしてたから、個人的に気になったってのもあるけどね」


「そして悪い方向に期待を裏切られてしまったと。ここから他の人が参加したりなどは?」


 油断というのはこれだから怖い。今回はたまたまリーネがいたから良かったものの、そうでなければ大変なことになっていたのは間違いないのだから。


「うーん、どうだろう。増員は今の段階ではまだ難しいんじゃないかと思っているけど」


「なぜですか? 実際に穢が発生していたことはわかったでしょう」


「確かにそれはそうだけど、なんといっても、やっぱり部外者が学校に調査に入るというのはなかなか難しいんだよ。死神ギルドは国とは無関係の組織だからね」


「敵対というわけではないですわよね?」


「あくまでも対等だね。でも、だからこそ大変なことだってあるんだよ」


 つまりしばらくの間はレイヴン一人での調査となるわけだ。


「へぇ、大変ですね。何かわかったら知らせてください。死神として仕事するか検討しますので」


「検討するだけなんだね」


 苦笑いをするレイヴンにリーネはにっこりと笑って返した。



「それじゃあ、僕は一度ギルドに報告を入れないといけないから、ここで失礼するよ」


 レイヴンは立ち上がり、リーネたちに別れを告げて部屋を出ていった。


「さて、それじゃあ、私は帰ります。ノエラは今日はここで養生するんですよね?」


「ええ、そうなりますわ。明日に家に帰ってしばらく学園には行けなくなりそうですわ」


 意識不明にすらなったのだ。しばらく様子を見るというのは当然の流れだろう。


「あ、でも……大丈夫かしら」


「何がですか?」


「いえ、私が急に休むと色々と騒ぎになるのではないかと思いまして」


「……あー」


 言われてリーネも考えた。間違いなく騒ぎになる。


「私とノエラが一緒に歩いているところは誰かに見られているでしょう。そのノエラが休み始めたら、きっと私のせいになるでしょう」


 ようするに根も葉もない噂が流れるということだ。これまでも噂が流れていたところから考えると、火に油を注ぐという方が正しいかもしれない。


「それはそれで面白くなりそうですね」


 しかし、むしろリーネは望むところだというように笑ってみせた。


 その笑みに嘘はない。


(ああ、どんな目で見られるでしょう)


 畏怖の目線? それとも怒り? 今までにない感情は見られるだろうか。

 そんなことだけをリーネは楽しみにしていた。



 しかし、リーネが予想していた以上に、事態は面倒な方向へと進んでいくことになる。

 それに気づくのは、もう少し先の話だった。



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