【プロットタイプ】能楽師
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
今日も頑張った。終わり。
どの職場にも言える事だろうが、波がある。忙しい時は忙しいし、そうでない時は暇を持て余す。そして今、私は多忙を極めていた。
幾度となく書類に目を通し、入力を行っていく。その繰り返し。週に五日間、毎日八時間、同じ作業を延々と繰り返す。
自らの工夫によって、疲労が和らいだかに思えたが、毎日同じ事を繰り返していると、流石にそうも行かなかった。頭がぼんやりする。指の関節が悲鳴を上げる。それでもまだ終わらない。
意味をなさない悲鳴を上げそうになった時、必死に理性を総動員した。手短にあったペットボトルを引ったくり、気休めとばかりに煽る。それでも落ち着く事はなかった。
ホイールを動かして残量を確認する。今日までが期限ではあるが、到底終わる量には思えなかった。まだ似たような書類が延々と続く。
この身に限界を感じた。『もう沢山だ』と口を開く。それでも、すんでのところで立ち止まり、トイレに逃げ込んだ。
私以外、誰一人として存在しない狭い個室。便座に腰掛けて、スカートに顔を埋めると、先程まで堪えていた疲労がどっと溢れ出た気がした。
もう動けない。脈が荒い。意識が朦朧とする。このまま倒れてしまえば、早退出来るだろうか? でも仕事が残っている。全てを手放して終わるわけにはいかない。たったそれだけ、締切だけが、私の意識を引き留める枷だった。
何時終わるのだろうか? 先が全くもって見えない。早く倒れてしまいたい。それでも、そうする訳にはいかない。こうして休んでいる暇さえ惜しいのに、体は上手く動いてはくれなかった。
私は今、何の為に働いているのだろうか? 金を稼ぐ為? 生きる為? でもそれさえ今はどうでも良い。早く、早く、早く、終わらせなければ。
鏡花が返って来た。表情は何時もと変わらない。鉄壁なまでの無表情。だが技量のある能楽師の様に、首の傾き方、影の差し方によって、面影に強い疲労が現れている。果てしなく窶れていた。
「ただいま。ごめんね。遅くなって」
「いいや」
本能的に立ち振る舞っている様で、女帝の操り人形でしかない。つまり何処までも理性的。果たしてどれだけの人間がお前の舞台に立ってくれたのだろう。
キーボードの調子が最悪で、入力に十分掛かりました。
あと電波も最悪。勘弁してくれ。
能って知ってます? 日本の伝統芸能。
あれって、能楽師の技量によって、面の表情が変わるそうなんです。
だから無表情であっても、『見るべき人が見たら』、『今どんな表情か分かる』らしいです。
私は分かりません。
それと同じ様に、無表情だからこそ、見るべき人が見ないと分からない。
鏡花の舞台に立っていないと、しんどいことが分からない。
という意味で、瑠衣の最後の言葉。
人って、どれだけ疲れてても、限界でも、言葉に出さないと分からないじゃないですか。
それこそ能面でも被ってる様に。
でも本当は顔の角度や影の差し方で、違いが出てるのではないかと思って出来た話。
鏡花だけじゃないと思うんだ。そういうの。