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フィンスターメル  作者: 月野こめヲ
ソラ編
24/28

【ep24】聖なる村

キャラ紹介

挿絵(By みてみん)

雷雨の原因は雷氷双刺華(ライヒョウソウシカ)の異名をもつ

魔界カースの巨大魔法生物「ラオラス」だった

しかも雷を纏うものと、氷を纏う2体

雷を纏う刺々しいラオラスの巨体からは想像できないほどの高速な襲撃でミシェルとリリルは宙に放り出された


「っ!?…んはっ!」


一瞬意識が飛んでいた、それほどの勢い

あまりの事態に忘れていた息をはく

しかし幸いにもダメージはさほどなかった

着ていたカームコートがおしゃかになったが

しっかり防具の役割を果たしたようだ


「あーっ!創っておいてよかった!

ちょっとリリルー!?ぶじ!?」

「なんとかぁ~っ!コートは着てらんない、けど!」


そういってコートを脱ぎ捨てる

空中で体制を立て直して二人は手を取り合い

近くの破片の浮島に不時着した


「はぁはぁ…なにあれ早すぎ」

「ラオラスのやろうは、でかい上に素早いから、アタシたちの村じゃぁ忌み嫌ってたよ」

「一応聞くけど攻略法とかある?」

「ラオラスが住んでる島にまず逃げろって習った」

「そう、なんとか隙を見つけなきゃね…っ」


バチバチと雷の音が聞こえるまだ近くにいる

あの巨体なのに姿も見えない、うまく雲に隠れている

むやみに飛び出したら直ぐに捉えられ切り刻まれる

ひとまず二人は隠れてやりすごすことにしたが

だんだん身体が自然と震えてきた


「なんか…寒くない?」

「!ミシェルちゃんあれ!?」

「は?!まだいるの!?ラオラス!?」


それはメル達が目撃した氷のラオラスだった

同じようなやつがもう一体…

それだけでミシェルはさすがに恐怖を感じた

しかしその瞬間氷のラオラスに対して雷のラオラスが

雷撃の軌跡を描くほどの早さで突進した

ものすごい轟音があたりに響く


「なっ…っ!?なに…!?」

「氷のやつと、雷のやつの縄張り、いや島の取り合いだ!」

「そんなことあるの!?」


氷のラオラスは砕けたようにみえて瞬時に固まって

再度形を成す、そして再び襲いくる雷のラオラスに向け

無数の氷の針をつきたてそのままぐるぐると回転し

雷のラオラスを吹き飛ばした


「やばいけど、今なら逃げれるかもっ」

「わかった!行きましょうまずニターナに!全力で!」


巨大なラオラス達が衝突しあうのを尻目に

時々飛んでくる雷や氷を避け、とにかく下へ急ぐ

しかし逃げる直線上に二匹のラオラスが

ぶつかりあおうとしていた

このままいけば挟まれて二人とも死ぬのがわかる

ミシェルの方が直撃すると感じたリリルは一瞬の判断で

自然と身体がもう動いていた


「ミシェルちゃんっ!先いって!」

「ちょっ…!」


リリルが漆黒の翼を広げ勢いをつけ

ミシェルを蹴落とした、リリルはラオラス二匹の

衝突にわずかに足から下が巻き込まれる


「リリル!!」



ニターナに到着したメルとエミーは

ミシェルに通信を試みるがやはりつながらなかった

ひとまず桟橋をあとにし、村の中へ入る


「なんていうか、のどかな場所だね」

「そうそうーのどかすぎて、ボクは退屈なのよね~」


さっきまで降っていた雷雨はややおさまって

小雨になっていた、おそらくラオラスが遠ざかったのだ

村の子供達が外にでてきて雨やんだと声高に喜んでいた

その子供達がこちらに気付いて近づいてくる


「エミーじゃん!おかえりー!」

「エミーちゃん~あそぼあそぼー!」

「にゃー、まてまて~今日はボクはちょっち

いそがしーから、また後でねぇ」


残念がる子供達、子供らの声を聞いたのか村人たちも

外に次々にでてくるやいなやエミーに声をかけにきた


「あらエミー、長旅ご苦労様、お菓子あげるわよ」

「おめーがいない間、ししょーさんの相手面倒だったぞ、はよいっておさめてくれや」

「んにゃ?そうなの?じゃいくわ~」


どうやらエミーはこの村でとても人気者らしい

暫く村人たちと談笑していた

とりあえず師匠のところに行くらしいので

一旦エミーとは離れた


そのあと私にも村人たちは声をかけて

優しく接してくれたが

今はミシェルたちが心配だったので

ほどほどにしてその場を離れることにした


「もしもーしミシェル?大丈夫ー?」

「ガガガガガガ…」


やはり通信は入らない、少し胸騒ぎがする

雷雲は大分遠くに行っているようで今は曇天程度だ

いてもたってもいられず私は箒を取り出して

空へ飛ぼうとした瞬間だった

村の近くの木になにかが落ちた

そして木々が何本か倒れるほどの勢いで


「な、なに!?」


私は慌てて倒れた木の方へいく

そこには服もボロボロで怪我をしているミシェルと…

左足がぐちゃぐちゃになってしまっているリリルだった


「ぐぅぅっ!!」

「ミシェル!リリル!そ、そんな…っ!」

「うぅ…あっ!メル!ごめん!手伝って!」


ミシェルは幸いにも先程木に衝突した時の

怪我ですんでいるようだがリリルは多量に出血している

私はすぐに駆け寄り、ポッシェから回復薬を取り出し

リリルの足にまずはかける


「あぁあっ!ぐぅぅっ!」

「リリル、痛いよね、ごめんね少し我慢して…っ!」

「メル、とにかく出血を抑えるわっ!回復の魔法は治るけど…想像を絶する痛みだからリリルを抑えてて!」


騒ぎを聞き付けて村人達も集まってきた

その中を掻き分けて、エミーと、もう一人無精髭の少し年齢をとっている男性が駆け寄ってきた


「待て、回復魔法はやめなさい」

「なっ!だれよ!こんなに苦しんでるのに!」

「大丈夫だよ、ミシェミシェ。ボクらに任せて」

「えっ…でも!?」


混乱していたが一瞬でリペアテントが召喚され

リリルと私達を包んで外界から見えなくした

それは蘇生や修復の「儀」を行う為の上位の魔術

無精髭の男はエミーにリリルの周りに陣を描かせる


「これって…エミーあなた聖職者だったの?」

「まぁ一応ねぇ~ししょー、準備完了ダイジョブ!」

「わかった、さぁ祈れ」


この時点で既にリリルの出血が止まっていた

リペアテントはあらゆる身体的障害を止める魔術だ

聖職者は、このソラでもほとんどみない

帝国でも一人か二人しかいなかった、珍しいのだ

モノに対しては普及しているが人体や生き物に対する「再生」の力は、才能であり学んでどうなるものでない

エミーと彼女の師匠は二人で祈りの態勢をとる


「主、聖なるオルコスカよ、かのものを清めたまえ」


光輝くというのが正しいだろう、リリルの脚がぽうっと光をおびるとみるみるうちに元に戻っていった

まるで何事もなかったように、早く一瞬だった

通常の回復ではこうはいかない


「が……え…あれ?うん?全然痛くない…?」

「り、りりるー!!よかったぁ!」

「ごめんなさいリリル、私が遅かったばかりに…っ」


リリルに私達は抱きつく、リリルもきょとんとしていた


「にゃはー良かったねー、これでニターナまで協力してもらった恩義は返せたかなぁ~?」

「エミー!本当に有難う~っ!」

「それに師匠さんも…えっとお名前とか知らないですが本当に有難う御座いました!」

「ボルゼイルという、君らもバカ弟子をどうもありがとな…」

「んん!?バカ弟子とはなにさぁ!ボクは優秀でぇーす!」


リリルも足は何事もなかったかのように

普通に立ち上がりぷらぷらさせていた

エミーとボルゼイルさんのやりとりをみていて

先程までの緊張感はいっきにほぐれた

私達三人は顔を見合せ笑いあう

一息ついてエミーが満面の笑みでいう


「とりあえず~ようこそ!女神の島ニターナへ!」


先程はゆっくりみる暇もなかったが、よくみたら

村のあちこちに女神と神獣の像がたてられていて

奥には立派な教会も建てられていた綺麗な花畑まである

のどかというよりどこか神聖な雰囲気を感じる

雷雨凌いだ先はどの島よりも安息の島だったようだ─


つづく

読んでくださり有難う御座います!

新しい島に到着しました

次回からどうなることやら…?

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