【ep22】雷雨ときどき大砲屋
魔法使いで魔法商売を生業にしていた頃からは
信じられないが、私、メルは偶然出会った
魔法剣フォレアと共にいくつかの島を冒険してきた
そのフォレアは先のグランダム帝国での戦いで
破壊神ジオスを撃退するために力を使い折れてしまった
ジオスは悪魔の少年シーバと共に姿を消した
またいつ現れるか判らない
だから私達は、フォレアを直せるかもしれない
ソラの果てにいるという壁の民の島を目指して
またこの広いソラを旅している!
そう偉大なる魔法使いフィンスターになるために!
「メル、日記なんてつけてたのね。声にでてるわよ」
「わひゃあっ!?」
私は慌てて日記を閉じた、急に後ろから
声をかけられるなんて思ってなかった
声をかけてきたのは寝間着姿のミシェルだった
黒く長い髪を後ろで結んでまたもやライスマンというぬいぐるみを抱えてた、一部では人気らしい
「み、ミシェルっ!部屋に入るならノックしてぇ!」
「したわよ、気付かないぐらい熱中してたのよメルが」
「ぬ…」
「もしかしてフォレア君のことで落ち込んでるかなぁと思ってみにきたけど杞憂だったかしら?」
「むむむ…っ!」
ぐうの根もでず私は雲ほど柔らかいベッドに飛び込み
枕に顔を沈めて恥ずかしさを隠した
軽くため息をしてミシェルは私の隣に寝転んだ
「こんな夜は…早く寝た方がいいわ。外は島々の輝きも見えない真っ暗闇よ」
「うん…」
「覚えてる?メル、小さい頃に私達、夜に遊んでて島から落ちて夜に落ちるしかなかった時のこと」
「あー、うんあったね、めちゃくちゃ怖かったよ…
あの時はソラもまともに飛べなかったし」
小さい頃、私達は魔法もろくに使えないのに
故郷の村で禁止されていた夜遊びを行っていた
単純に島の端が見えなくて危ないからだ
私達は案の定、足を踏み外して夜のソラにおちたのだ
「あの時に、私はメルを助けるのに必死になって
初めてソラを飛べたんだ」
「うん」
ミシェルが態勢をかえて私の方を向いた
私も寝転んで、顔を見合わせる
「これからもそう。私はメルを助けるわ、それで新しい力をつけてもーっとメルを助ける」
「うん、わたしもだよっ」
「うふふ…」
「ふふっ」
私達は微笑みあう、私はもしかしたらどこか
自分をごまかしてたかもしれない
色々急に起こって無理やり元気にしてたのかも
笑いながら涙も止まらなかった
~
「おーい!仲良し2人、起きろー」
「う、うにゅー」
リリルに起こされる、そのまま二人で寝ちゃった
朝かと思ったけどソラはまだ暗い?どういうことだろう
眠気眼をこすりながら部屋の窓を開ける
ぴかっと一瞬だけソラがあかるくなって
すぐに暗くなったので驚いて窓から離れた
「そう、雷鳴島の空域に入っちゃったのねぇ…」
「結構大きい島かな…?」
「もうずーっと雷落ちまくってるよー、何本か危なかったからそらしたけどさ」
「ん、有難うリリル。私交代するわ雷避け」
「宜しく~アタシはもうひと眠りするよ~」
雷鳴島、別に珍しくはない、あらゆるソラで発生する
雷の魔法生物が集まっているのだ
彼らが島に留まると雷の魔法生物の力が伝播する
そうして雷を発生させる島が出来上がる
「この規模だと、相当でかいわね」
「雨まで降ってるよ。こりゃ一匹どころじゃないよ」
ミシェルは雨を防ぐため簡易的なバリアを
ブルーム商店全体に張りはじめた、ようは傘
「じゃあ私は避雷針つくるね」
「頼んだわメル」
素材は山ほど帝国で揃えている
雷を吸収する針の先に、雷の魔法生物が
好んで寄ってくる貴金属をいくつかつける
それを釣竿のようにたらすか、上に向けて完成だ
島の複数箇所に設置した
「なにが捕れるかな?ど定番のサンダーポール?」
「うーん、この規模だとライボルトとか、キイロクラブかもね」
「なんかたのしそーだ、まぜてよー」
雨風の中、談笑してたら結局リリルも起きてきた
雷も落ちたりするがそれはミシェルの傘で
どうにかなっている、ぐぅーと誰かのお腹の音がした
「ごめんなさい、朝ごはんまだなのよね…」
「キイロクラブなら食べれるし、それが釣れたらそれにしてみる?」
「いいねぇ~あいつ美味しかったもん」
「前の時はリリルがほとんど食べてたよねー」
「地上のクラブとは比べ物にならなかったからなぁ」
そんな話をしながらも、時々バリアを破るかも、な
雷にはミシェルが片手間に対応してくれていた
竿が何個か反応する、どうやら何かが釣れたようだ
「あっちはアタシが引っ張るぜー」
「じゃあこっちは私がやるね~」
魔力を込めて引っ張りあげる
黄色いギザギザのハサミをもつ蟹が数匹つれた
キイロクラブだ!しかも結構大きい!
リリル側はキイロクラブもいるが、雷にめんたまがついただけのサンダーポールも絡まっていた
ちょっとやっかいなライボルトはいないみたい
あれは刺々しいからとるのも大変だし
「みてみてミシェル~キイロクラブ大量~♡」
「うぉー最高じゃんっ!」
「いいね、今日は蟹鍋ねこれは」
私は釣りも一旦置いといて、朝食作りにはいる
リリルも一緒に作るとついてきた
ミシェルは1人、少し外を見張る
「あら?なんかあの竿すごい反応してるわね、大物かしら…?」
ミシェルはものすごく引いてる竿に近づき魔力を込める
あまりにも重くいままでにない重さだった
釣りにおいて相手の放つ魔力量で重さは変わる
「ぐっぬぬ!なに…これっ!おっも…!
大物かも…っ!本気、出すわよっ!」
ミシェルは更に魔力を込める、壮絶な引っ張りあいの末
相手の魔力パターンを読みきった!
緩んだところを一気にひきあげる!
「おりゃぁーーー!」
「どわぁぁぁっ!!!!!」
引っ張りあげたのは、何か箱みたいな魔法生物
そしてそれを掴む黄色いツインテールな髪をした少女
箱みたいなやつが貴金属にかみついている
「え?人!?」
つり上げられた箱から一旦手を離し
黄色い髪の少女はくるくる空中で回転して着地
ミシェルの前に綺麗に着地した
天真爛漫な瞳、どちらかというと僧侶のような格好
しかし胸の付近はハート型に穴が空いている
スカートもかなり短いし
ゆらりとツインテールを揺らしながら
彼女は紐を生成し先ほどの箱をひっぱった
「ちょっとー!バズ!釣られてんじゃないよ!」
「いやいやこんな旨そうな金属はダメだろ反則、エミーも食うか?」
「それまじ?ちょっと食べようかなぁ~って食えるか!」
なにか二人でがみがみしている
いたたまれなくなったミシェルは恐る恐る聞く
「あのー、貴女達、何なのかしら?」
それに驚いた1人と一匹は、漫才をやめて
エミーと呼ばれた少女はバズとよばれた箱を持ち直し
満面の笑みで答えた
「めんごめんごー♪ボクはエミー、エミーフレイム!んでこっちが大砲型魔法生物のバズ~!」
「ワイ達は、狩人だぜ!!」
「違うよ?」
「え、違うの?」
「ボク達は!泣く子も黙る大砲屋よー!いえーい!よろしくー!おねえさーん!」
「いえーい!」
ミシェルはただ黙って2人の紹介を見ていた
もう既に呆れているのかとても冷たい目線だったそうな
エミーとバズ、一体何者なのか。大砲屋って何?
ソラいく旅路で奇妙な出会いがまたはじまった──
つづく
読んでくださり有難うございます
わりとはやくかけました
次回もがんばってかきますー




