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フィンスターメル  作者: 月野こめヲ
ソラ編
21/28

【ep21】永遠の理想

キャラ紹介

挿絵(By みてみん)

私は夢をみていた、夢の中で私はやはり魔法使いで

どこか懐かしいと感じる少年と共に旅をしていた

彼の顔も不明瞭だが、でもきっと彼は私にとって

とても大切な人だった、名前だけは覚えている


「フォ…レア…」

「!よかった、目が覚めたのね、メル」

「うー…ん?あれ、ミシェル…」


目覚めたのはグランダム帝国の大部屋の医務室だった

私以外にも、多くの人々が連れ込まれ今もなお治療を

うけているようだった


「みんなジオスの…大変だ…」

「そうね、あれは凄まじかったわ」


魔力切れで数日間、私たちは寝込んでいたようだ

ミシェルもちょっと前に目覚めて

私の側に看病にきてくれたらしい


「リリルや先生は…?大丈夫なの?」

「ええ、2人とも大丈夫。リリルは、あっちでうなされてるけど、怪我もないし、マジル先生はなんかもう、ピンピンしてるわ」


少し遠くでリリルが寝込んでいた

目はさめているようだが、魔力切れで

気持ち悪くて起き上がれないそうだ


「でも…」


ミシェルが急に塞ぎ混んで私の手になにかをおいた

それは折れてしまったフォレアだった

根本から刀身がかけてしまっていた


「え?そ、そんなフォレア…」

「ジオスの力と衝突したせいだわ…」

「フォレア…?声も聞こえないよ」


私はフォレアを抱きしめ、涙がとまらなくなった

ミシェルも黙ってただ側にいてくれた

フォレアから声が聞こえることはそれからはなかった



それから数日、帝国の復興の手伝いなどを行った

あらゆるところが破壊されているが

修復魔法のリペアを使えば、早めに直すことができる

完全に一緒とまではいかないが


「このあたりはこれで充分だ、三人とも覚えが早くて助かったよ」

「セリアさんにご指導頂いたからです!」

「学校で学んだけど、実践は難しかったですね」

「アタシはこれでマスターしたって思うわ!」

「マスターしたならリリルには王宮の方も頼むかな」

「うぇー!?」


私達は笑いあう、町の復興の一部を終えて

宮殿へとつづく大きい階段をのぼりながら

一時的に滞在させてもらっている宿舎へ行く


「三人とも、今日はフレアガ姫様が話したいことがあるそうだ。このまま王宮までついてきてくれ」

「あっはい、大丈夫ですけど…」

「ん?なにか用事があるか?」

「いえもう、いらしてるので」


セリアさんが驚いて振りかえったら

宿舎内でティーを嗜むフレアガ姫様がいた

小さく手をふり笑顔でこちらを眺めていた

私達は慌てて扉を開けて中にはいり

一礼してから姫様の前にたった


「あら、そんなにかしこまらなくても大丈夫よ皆さん」

「いえいらしてることに気付かず、申し訳ありません」

「構わないわよセリア、さぁメルさん達もお座りになってください」


滞在させてもらっている宿舎は

元々は王宮で働いていた兵士たちが住んでいた場所だ

一階は憩いの場として木材で出来た長机がたちならぶ

私たちは机を挟んで座る


「皆さん、ジオスを退けるだけではなく、復興の手助けも頂き本当に感謝しているわ」

「そんな、私達も助けて頂いたので」

「ふふ…それで今日はメルさん達とゆっくり話したかったの」


フレアガ姫様は、セリアさんの方を見る

セリアさんはそれに応じて机の上に魔法で格納していた

書物や魔道具などを広げる、そして高価そうな布や貴金属まで。


「魔法の触媒に使える様々な道具、まずはこれらを貴女達に差し上げます。これでも足りないぐらいだけども」

「こ、こんなに?!」

「教科書でしかみたこと無さそうな素材があるんだけど!?月の涙とか、これは黄金鳥の羽根!?」

「すっごー!お金持ちじゃん!アタシら!」


私も見たことのない道具、知りもしない書物

なにか創造力を刺激される感覚


「うふふ、それほどの功績ですよ」

「すみません、本当に有り難く頂戴致します」


でもこれが主題でないことは私達も分かっている

ジオスのこと、シーバのこと、暗闇の遺跡で出会った兵士のこと、そしてフォレアのこと…

ここ数日間は忙しさで気にしないようにしていた

それらの答えを姫様は教えてくれるのだとおもう


「フレアガ姫様」

「ええ、セリア。話さなきゃね…

クエル、マジルもきなさい」


奥から老兵クエルとマジル先生も集まって机を囲い座る

空気は一変し、緊張感があるものになった


「今の人々は知るよしもないですが、ジオスはかつての大戦で封印した魔法生物です」

「それをシーバは復活させた…?」

「そうです、腕のみだったので、まだ完全ではないようですが…」

「でも昔、封印したんですよね?多分、フォレアが?」


私の質問に、姫様は少し間をおく

遺跡の壁画で見た剣、形は違ったがフォレアに似ていた


「いえ、フォレアではありません。私は彼ならジオスを打ち破れると思っていたのはジオスと同じ性質を秘めていたからです、すなわち破壊の力…冥界の魔術」

「…違ったんですね」

「メルちゃん、フォレアのことを知るには、魔界カースに行くしかないと思うぞ」

「うん、カースならきっとフォレアを治す方法もわかるよ!」


私は折れたフォレアを少し見て

マジル先生とリリルに笑みで返した

姫様も少し微笑んでいた


「話を続けます…ターマナブル大戦、それがジオスの封印に成功した戦争。あなた達が遺跡の深部で出会った兵士ファースのもつ光の魔法剣、ディザイアによって」

「あの骨兵士さんが…」

「姫様は彼のことを知っていたのですか?」

「ええ、セリア。貴女達に伝えてなくてごめんなさい。彼がまだそこにいるとは思っていなくて」


ここで皆が不思議に思った

骨兵士ファースは数万年は前の存在だ

セリアさんたちから話を聞いた限りではまるで

フレアガ姫様を知っているような口ぶりだったと

姫様は一体何者なのか

その疑問を思い浮かべたのを姫様は察して

からかうように、そして笑顔で


「私はファース達と共にジオスを封印した1人、フィンスターが遺した星魔法「イデアル」の使い手です」

「星魔法…!?」


その場の全員が驚いた

魔法にはいくつか種類があると私もミシェルから聞いた

このソラを統べる元素に伴った魔法以外にも

闇、光、音等あるが、全ての元になった魔法がある

それがフィンスターが扱っていたといわれる

神にも等しい魔法、星魔法と呼ばれている


「イデアルとは、自己の理想の姿になり続ける魔法

ゆえに私はその魔法で、永遠の時を生きています」


その事実はセリアさんやマジル先生、クエルさんまでも

知らなかったようだ。あまりの驚きに

クエルは立ち上がり姫様に向かい言葉を紡ぐ


「俄には信じられませぬ、我輩は貴女様が誕生したその時から帝国にお仕えしていた身、そんな貴女様が…永遠に生きているなど」

「想像できないかしら?赤ん坊の姿にすら私はなれるし、コントロールできるのです。これはそれほどまで常軌を逸した魔法。フィンスターが使えた魔法なのです」


クエルさんは絶句して、席に静かに座りなおした

彼らまでにすら打ち明けていなかったことだ

姫様は少し申し訳なさそうにしていた


「打ち明けなかったのは、私に恐れを為すと思ったからです…私はずっとこのソラの危機であるジオスを本当に倒すため、生き続けてきた。姿、形を変えて」


姫様は立ち上がり言う


「だけどその光明がこの時代で見えた、だから私は貴女達に私の知る全てを─伝えることにしたのです」


フレアガ姫様はそれから知っている全てを語りはじめた

それはとても想像がつかない物語だった



それから数日、私達はフォレアを直すため

魔界カースへの行き方、または魔法剣に詳しい

直せるかも知れない人の情報を探った

帝国は情報が行き交う街、あらゆる情報網を使い

姫様達も協力してくれた、そして有力な情報をえた

得た情報を集め自分達の島、ブルーム商店の

ロビーで魔法で宙に映像にして広げる


「ソラの端にすむ、壁の民かぁ…」

「かなり遠いけどね。それにさっむいわ」

「ソラにも端があるんだね、魔界カースにもあったよ」


得た情報は「壁の民」は魔法で出来た

物質やモノに詳しい。自分達で魔法生物を造ったり

魔法の道具や武器を作り出すことに長けている民族

好んで世界の端の何もない空間の境界に住んでいる


「時と場合によっては壁の向こうから、こちらにはないモノやエネルギーが流れてくるらしいしなぁ」

「姫様がいうには、極寒の島コリストルに魔界カースヘ行ける道もあるかもっていってたし」

「じゃあいきましょうか、メル」

「うん!」


既に準備もばっちりだ、資材もたくさん買った

帝国での出来事はとても大きかった

フィンスターへの道もやはり遠いとは思った

でも私は、全てを知りたい

フォレアのことも、判らないことは多いままだから


「よーし!行こう、次の島へ!」


ブルーム商店を動かし私達は再びソラへ

するとなにか外が騒がしかった

外にでて見ると姫様をはじめ、マジル先生もセリアさんやクエルさんたちも、帝国の多くの人々が

私達の旅路を祝ってくれていた


「有難う!みなさんーっ!」

「いつのまにか有名人かもね私達も」

「あっはは、それはいいねぇ~」


ファンファーレが鳴り響くなか、ブルーム商店は

ソラをいく、次なる島でどんな出会いやどんなことが

起こるのか。私はなにかとても楽しみになっていた。


「メルさん、貴女達の旅路に星の導きがあらんことを」


風姫フレアガは、そう小さくつぶやいた


つづく


よんでいただきありがとうございました

帝国編はこれで終わりですつぎはどうなるでしょうね

またかいていきたいと思いますー

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