【ep16】風姫フレアガ
私達は身支度をすませ、それなりに着飾り
王宮へとすすんでいく。王宮は遠くからみても凄かった。天井は高くステンドグラスになっているので色とりどりの淡い光が床にちりばめられていて荘厳だった。
「姫様なんてはじめてあうよ~」
「ええ、勿論…私もよ、しっかりしましょう」
「アタシはこの服落ち着かないなぁ」
セリアさんにつられ王宮の奥へ進んでいく
赤いカーペットに金銀輝く豪華な装飾品の数々
よくみると全てに探知の魔力が込められている
不正侵入などを防ぐ目的だとおもう
その先の扉からセリアさんと同じマントを羽織った老兵の人がでてきた。
「クエル、連れてきました」
「ご苦労さまです、セリア。ここよりが謁見の間です」
「三人とも失礼ないように、いきますよ」
老兵クエルとよばれた人とセリアさんに連れられ
謁見の間に入る。奥に王座がありそこに腰まで伸びた新緑の髪をもつ緑のドレスを着た美しい女性がいた。
周囲には兵士や魔法使いなど多くの人がいた。
セリアさんたちが膝をついて顔を伏せたので
私達もあわせてそうした
「遠路はるばるよくぞいらしました。私は風姫フレアガ・カウルともうします。あなたたちのお話は聞いているわ。誤認とはいえ違うかたを攻撃していたこと謝罪いたします」
「あっ有り難う御座います…」
「みなさんお顔をあげて、立って話して構わないわ」
私達はいわれた通りにした
ふと身体中を僅かな風が通るのを感じた
その風は姫様のもとへと集まっていく
「今後、リリル・クライオに関する偏見や攻撃を一切禁じます。風でわかる。貴方たちにはなんの悪意もない。これで貴方は本当の自由よ」
「やった…!あっ…、えぇとありがたきしあわせです!」
「ふふ…」
「各位姫様の言うとおり各地への伝達をしなさい」
周囲の人たちが一斉に礼をして部屋から出ていった
姫様が壇上からおりてきて、私達の元まできてくれた。一人一人の顔を見て何か考えているようだった。
どきまぎする私達をみて微笑む姫様
「立ち話もなんですし、どうぞおかけして」
そういわれて気付く、いつのまにか背後には
ソファーがあり、広いテーブルが創造されていた
それらを取り囲むように敷居や植物まで。
姫様が今創ったのだ。驚きながら席に皆座る。
ただセリアさんとクエルの二人は立っている。
「あなたはメルさんといったかしら?
それに闇の魔法剣フォレア」
「は、はい!」
「少しだけ剣をお貸しいただけますか?」
フォレアを姫様に渡す。少しフォレアに触れて
姫様の手のひらからちいさな風が渦巻いて
フォレアをはうように調べていた
「驚いた…この剣は、わたくしにも判らない魔法で創られていますね」
「そうですか…」
「我が帝都には研究所があるのでそこで詳しく調べさせましょう、少しだけお借りしてても宜しいかしら?」
「はい、大丈夫です」
「クエル、この剣を研究所に回して」
「はっ」
老兵のクエルは剣を受けとると消えるような早さで部屋からいなくなった。淹れた紅茶を飲みながら話を続ける。
「姫様、アタシは魔界カースに戻りたい…です、どうすればいいかご存じでしょうか?」
「カースへ至るには地獄の門を開ける必要があります」
姫様が教えてくれたのは、魔界カースとソラは海雲と呼ばれる水で満たされた雲で隔たれていること。その雲は魔法を遮断してしまうので魔術で抜けることはできない上に深い。なので一部の学者や魔法使い以外はその雲の下に魔界カースがあるのをしらない。
「学校で習ったことがあります、海雲には…3つの門があるって」
「そのうちの一つはソラ側から開けることができるでしょう、魔光石をつかえば恐らく」
「魔光石…!マジル先生が調べていたもの」
「もうそろそろ研究結果がでる頃だとおもうわ、剣のこともありますし、研究所へ行きましょう」
姫様はセリアさんのほうをみると、何もいわずに研究所へいくための許可証を作り出し私達に渡してくれた
「あっ、そうだ蝶のベル…これ返すよメルちゃん」
「あー!リリルが持ってたの?落としたと思ってたよ」
「そのベルは証にもなる、私と通信も出来るから、リリルがもってなさい。もし間違われそうになったら出すといい」
「わかった、セリア…さん」
私達が立ち上がると、ソファーなどが消えて
部屋は元通りとなった。私達は姫様に一礼する。
「セリア、三人をご案内して。わたくしは少し執務をすませてから向かいます」
「御意。さぁ三人とも着替えて。研究所へ案内する」
セリアさんに案内され私達は王宮をあとにした
~
帝都魔術研究所、幾何学的なものや配管がたちならび
本も所狭しと積まれ試験管のようなものからはあやしげな煙がでているわ、大きな坪の中にはどろどろとした液体などがあるわ、研究員の人達があちらこちらで忙しなくうごき回っていた。忙しそうだ。
武骨な階段をのぼり、所長室に私達は案内された。
ちょっと茶色なソファーに並んですわる、奥からマジル先生がやってきた
「きたか、ミシェルたち。無事リリルも自由だな」
「おかげさまで、はれて自由だよ」
「それでマジル先生、魔光石、何かわかりました?」
「あぁ、そのことなんだが成果を昨晩何者かに盗まれたんだよなぁ~ははは」
「はぁー!?」
ここにきて冷静なセリアさんが先生に急に食いかかる
胸ぐら掴んで壁にたたきつける、私達も驚いた
「ま、マジル!!そういうことは早く報告しなさい!おまえ!ほんっと昔から抜けてるとこあったけど…っ!よりによって盗まれたぁ!?研究成果が!?」
「あーあーっすまない、でもま、ちゃんと覚えてるから」
「覚えてるとかそういう問題じゃないわよ!?あっ…うん…ごほん」
私達が驚いて見てるのに気付いたセリアさんは先生から
距離を取ってかしこまった。
盗まれたことより、セリアさんの剣幕に驚きを隠せない
この人だけは怒らせないようにしよう
「まぁ盗まれた件は後にして、魔光石は力の封印が出来る代物だったよ、特に闇の魔力だ」
「あっ、それで…魔光石をもってたメガレオスにフォレアの攻撃が通らなかったんだ…」
「光も闇も封印する、力を溜め込むこともできる。それも無尽蔵にな、もう少し詳しく話すと──」
先生がいうには魔光石は魔界カースが生産地であり
そこで採れる特殊な石をもとにしているらしい
力を封印すると同時に溜め込む性質のため、その石を取り込んだ魔法生物は驚異的な力を得る、その一例が既に観測したメガレオスであった
「おそらくフォレアと魔光石も関係がある、なにせ同時期にこのソラに現れたからな」
「やっぱり私達は魔界カースを目指さなきゃ!」
「アタシもカースに戻りたいし!」
「世界を見て回りたいものね!」
私達は顔を見合せ意を改めて決した。
「あー、そんなとこ悪いんだが俺はフォレアの解析してるから、その間に盗まれた研究データを奪い返してくれないか?」
「はーーーっ!?」
今度は私達がマジル先生にくってかかる
もう、先生はたじたじだ
「本当すまない、盗んだやつは判ってるんだよ記録水晶に残ってるしどこへいったかも…判ってる」
「はぁ…先生、貸しですからね」
「ミシェルは話がわかるいい生徒だよー」
「で、誰が盗んだの?」
「この骨の魔人だ」
記録水晶には複数の骨の魔人が夜中に
研究所に侵入して資料を持ち出している姿が写っていた
魔法生物の中でも人型のものはボギーとよばれ、知能が高く危険だと先生は説明してくれた
「ボギーが相手ならなにか、気がかりだな。私もメルたちについていくよ」
「助かるセリア、行き先はこのマイクロが知ってるからこいつに案内を頼まれてくれ」
「あぁ、じゃあ慌ただしくてすまないがいこうか皆」
「はい!」
セリアさんについていき、研究所の外へ
先生から受け取った小さな機械のマイクロくんが
早速動き出す、地図を宙に浮かべ示してくれた
「居場所は帝都から近いところだ」
「セリアさん、ここはどういう浮島なんですか?」
「この島は…近くにあるが全てを知ることが出来ない島、暗闇の遺跡島だ」
ボギーたちは一体何が目的で資料を奪ったのか
私は少しだけ嫌な予感をどことなくこの時感じていた─
つづく
読んでくれてありがとうございます!
ちょっと更新に時間かかりました
これでリリルは完全にソラで自由です。
謎の暗躍している存在ボギーとどうなるのか?
次回もたのしんでかきます!




