ありのままの姿でいるのはお互いの前でだけ。愛を歌う彼は仮面をつけて、令嬢だった私は人を欺くメイクをしていた。だけどだからこそ、私たちはこの世界を素敵だと言えるのだろう。
その人は霧の濃い夜、細い路地にいた。
スパンコールのドレスみたいなアイメイクで、リップスティックを一本まるまる使ってしまったかのような濃厚なルージュの唇には細くて長い煙草。
夢にまで見たデビュタント・ボールで。
自分の容姿が劣っていると思い知らされて泣く私に彼は
「とても綺麗よ、エリカ」
もっとも求めていた言葉を贈ってくれた。
スパンコールのドレスみたいなアイメイクで、リップスティックを一本まるまる使ってしまったかのような濃厚なルージュの唇には細くて長い煙草。
夢にまで見たデビュタント・ボールで。
自分の容姿が劣っていると思い知らされて泣く私に彼は
「とても綺麗よ、エリカ」
もっとも求めていた言葉を贈ってくれた。
1 悪魔な彼
2023/12/16 11:00
2 デビュタント・ボール
2023/12/16 11:00
3 侯爵家と私
2023/12/16 11:00
4 珊瑚色の口紅
2023/12/16 11:00
5 世間知らず
2023/12/16 11:00
6 謎だらけの彼
2023/12/16 11:00
7 ひと時の幸せ
2023/12/16 11:00
8 捜索者の訪れ
2023/12/16 11:00
9 彼の過去
2023/12/16 11:00
10 姉の後悔
2023/12/16 11:00
11 婚約という義務
2023/12/16 11:00
12 探す理由
2023/12/16 11:00
13 最終列車が出た後で
2023/12/16 11:00
14 だけどだからこそ
2023/12/16 11:00