後日談
2月10日に『最弱冒険者が【完全ドロップ】で現代最強』のコミックス1巻が発売となります。
何卒、ご購入の程宜しくお願いいたします!!
(もしかして、前回まことが死んだのって、自殺じゃなくて、至誠ギルドに消されたんじゃ……)
その可能性に思い当たり、得も言えぬ気分がこみ上げた。
今回銀山が捕まったのは、彼女がハンター協会内部でいろいろと嗅ぎ回っていたからだ。
もし前回も似たような理由で捕まり、秘密裏に消されていたのだとすれば……。
(可能性は、十分ある)
『明日斗がいなければ、情報は流出しなかった』
では、強い明日斗がいなかった前回は、一体誰の情報が流出したのか?
考えると、自然と答えが現われた。
(……神咲か)
彼女が一躍有名になるのは、今から数年後のことだった。
その前に至誠ギルドと一悶着あったのだとすれば。
神咲真生の情報流出に気づいた銀山が、犯人捜しに奔走していたのだとすれば。
(話は繋がるが……)
だとすれば、大問題だ。
もし今回の至誠ギルドとの敵対事件と、前回の銀山自殺事件に関係があるとすれば――数年後に起こるはずの事件が既に起こってしまった――未来が変わった可能性が高い。
(まずいな。早くも未来の知識が当てにならなくなる可能性が出てきたか)
本来は十年後に来るはずの天使の大侵攻が、前倒しする可能性が出て来た。
二年後、三年後にいきなり大侵攻を受けても不思議はない。
(『タイムリミットは十年』という考え方は捨てた方が良さそうだな)
いつ何時、大侵攻が発生しても対応出来るよう、出来るだけ早く強くならなければいけない。
明日斗は気を引き締める。
「明日斗は、至誠ギルドが何故あんなことをするようになったんだと思う?」
「さあ。人間、権力を持つと変わるというからな」
「ボクにはそれだけじゃないような気がしてるんだがね」
「どういうことだ?」
「……いや、なんでもないさ」
銀山がかぶりを振った。
直前、彼女の視線が僅かに斜め上に向かったのを、明日斗は見逃さなかった。
それだけで、何が言いたいのかが、わかってしまった。
(……天使か)
優れたハンターだったからこそ、氷室は強大な力を手に入れられた。
その力に酔いしれていたのは、彼自身が欲望に負けたからでないとすれば。
権力に固執するよう、あるいは他人を蹴落とすよう、何者かに仕向けられていたのだとすれば。
(氷室に付いた天使は、人間を内部から機能不全にさせようとしてたのか)
十年後を知る明日斗だからこそ、わかる。
天使の狙いは、恐ろしいほど成功していた。
(あの場に私滅ギルドしか現われなかったのは、天使のせいだったのかもな)
無論、これはただの推測に過ぎない。
(まだ情報が足りない)
軽々に動けば対策を取られる。
どこで誰が聞き耳を立てているかわからない。
銀山がそうしたように、今はまだ口をつぐむべきだ。
銀山と別れた後、明日斗はその足で川崎へと向かった。
現在、明日斗が入手した最高峰の武器『草薙剣』は、封印状態にある。
現時点でも十分強いのだが、天使の大侵攻が十年後ではなくなった可能性が高い。
(いつどうなるかわからないからな。なる早で封印を解除しておきたい)
草薙の剣を封印解除する方法には、一応心当たりがあった。
将来、鍛冶王と呼ばれる、日本随一の鍛冶士だ。
かの者には、レジェンド級の武器でも打ち直せるほどの才覚がある。
草薙剣を任せるのに、これ以上の人材はいない。
こうして明日斗は、京浜工業地帯の一角に工房を持つ、鍛冶士の下へと向かうのだった。
○名前:結希 明日斗(23)
レベル:58 天性:アサシン
ランク:B SP:20
所持G:4798
○身体能力
筋力:90 体力:85 魔力:24
精神:24 敏捷:160 感覚:90
○スキル
・中級短剣術Lv4(23%)
・致命の一撃Lv5(1%)
・回避Lv5→Lv6(4%)
・跳躍Lv5(84%→99%)
・瞬間記憶Lv1(89%)
・可死の魔眼Lv4(18%)
・ライフスティールLv2(89%)
・リターンLv2(2.5%)
E:右手武器
○草薙剣:偽典
攻撃力:50(+20)
状態:封印
効果1:インベントリ
効果2:???(アップグレードで解放)
効果3:???(封印解除で解放)
説明:歴史情報を元に生み出された、レジェンダリ・ウエポン。本来の能力は封印されている。封印を解除するには、歴史情報とリンクするアイテムが必要。
使用条件:中級短剣術Lv3
E:左手武器
○黒鋼の短剣
攻撃力:24(+9)
説明:黒い鋼で作られた短剣。初級素材を使った武器としては最高峰の攻撃力を持つ。
使用条件:初級短剣術Lv4
以上で2章が終了です。
続きについてですが、しばらくお休みさせて頂きます。
気長にお待ち頂ければ幸いです。




