表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

どこまでも一緒に行こうとする。この変態を恋愛という。

作者: 星野☆明美

高校生のみやびは、一生懸命授業を受けていて、彼女の視線を受け止めてくれる英語教師にいつしか思慕を抱いていた。

東京の有名私立大学卒のこの青年教師は、いずれ試験を受けて県庁で教職員の人事課につく予定だったが、みやびは知るよしもなく、どうしたら高校卒業後にこの教師の近くにいられるかで頭を悩ませていた。

みやびは普通科の中の上くらいの成績で、ギリギリ地元の国立大学の教育学部に受かった。

英語教師は地方の辺境の地の高校に赴任したため、みやびは大学に通い出してからもちょくちょく列車に揺られてはるばる会いに行った。

これは恋かしら?でも、結婚して一緒に暮らす未来は全く予想できない。

もしかしたら、ただの師弟愛かもしれないと自分に言い聞かせているうちに、教師は別の女性と結婚してしまった。

田舎の駅のトイレでわんわん泣いていると、地元の高校生が「失恋でもしたんじゃないの?」と図星。余計に泣きたくなってしばらくどうしようもなかった。

これで良かったんだよ。そう自分に言っても心は千々に乱れた。

大好きな図書館の司書になりたい。学校図書館司書なら、県立高校に赴任できるだろうし、もしかしたら彼と同じ職場になる可能性がある。

みやびは司書の資格を取った。

しかし現実は甘くない。定員2名に40名の受験者がいた。

私は人見知りがひどいし、教師には向いていない。みやびはそう思い、教職には就かなかった。教員免許をびりびりに破いて捨ててしまった。


それから20年後。県庁に赴き、教員免許の代わりに証明書を発行してもらった。

彼にその時は会えなかったが、数年後、とある県立高校の校長になったと知った。年齢を重ねた笑顔の写真を見ることができて、みやびは感慨深かった。

もう会いに行かないだろうな・・・

そう思ったが、生きているうちにもう一度だけ会いたいという気もした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いいなぁ、そんな恋愛もしてみたかったなぁ……
2019/05/08 14:23 退会済み
管理
[一言] 司書になったら、2号さんの座を勝ち取って そのまま略奪愛に走りそうな、この勢い… この女、ヤバイッ(*>ω<*) ・・・とはならなかったんですね。 好きな人基準の恋愛脳で就職先を決めれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ