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第7話「リベンジ」

本日2度目の更新です。

ぜひぜひお楽しみ下さいませ。

 抱き合ったふたりの身体が光った瞬間。


 アルセーヌの力がみなぎって来る。

 身体も凄く軽くなって来た。


 更に、気力も大きく満ちて来る。

 否、満ちて来るどころではない。

 いつもの小心なアルセーヌとは全く違い、気持ちが荒々しく、猛々しくなっていた。


 と、その時。

 何故かいきなり、ツェツィリアがアルセーヌから離れる。


 それを見て、好機とばかりに、ダリウスが殴りかかって来た。


 アルセーヌは、身体を捻って素早く避けようとしたが……

 まだ思うように動かない。


 腹へ、まともに一撃を喰らってしまう。

 激高したダリウスは手加減などしていない。

 重い衝撃を腹に受け、アルセーヌは仰向けに倒れてしまった。


「はっ! ざまあみろ! このクソガキ」


 派手に転がったアルセーヌを見下ろし、ダリウスは勝ち誇った。

 そして傍らで見ていた、ツェツィリアへ憎しみの視線を向ける。


「女! この落とし前は、てめぇの身体でつけさせて貰うぜ!」


 しかしツェツィリアは、馬鹿にしたように「ふっ」と笑う。


「あらあら……あなた、もう勝ったつもり?」


「当たり前だ! 俺のパンチはオーガも吹っ飛ばす」


 自信をもって言い切るダリウスへ、ツェツィリアは首を傾げる。


「あはは、オーガも吹っ飛ばすって、嘘くさ~い。それ最初から寝てたんじゃない?」


「う、うるせ~! さっさと来いっ!」


 からかわれ、怒ったダリウスが、ツェツィリアへ手を伸ばした瞬間。

 背後からいきなり、何者かの手が伸びて、彼の頭が被っていた革兜ごと掴まれる。

 「みしりっ!」と頭蓋が不気味に鳴った。


「ぎゃう!」


「おい! ゴキブリ野郎……てめぇ、ツェツィリアに気安く触るんじゃねぇ」


「な!? き、貴様ぁ!? そ、その声は!? ア、アルセーヌ! う、うがううう……」


 だ~ん!!!

 頭を掴まれた痛みで、徐々に喋れなくなったダリウスは、容赦なく石畳へ叩きつけられていた。


「ぎゃあああっ!」


 信じられないほど凄まじい力だった。

 ダリウスの全身を激痛が襲う。

 どうやら骨の数本が……折れたらしい。


 更に、「ごりっ」と音がして、ダリウスの顔はアルセーヌの皮靴に踏みしめられた。


「ぎゃう!」


「おい、ゴキブリ! 今日中に王都から消えろ。今度お前の姿が視界に入ったら、容赦なく殺してやる」


 みしり……

 またもダリウスの骨が鳴った。


 はっきり分かる……

 少しでも踏む足へ、アルセーヌが力を入れたら……

 ダリウスの顔は、容易く砕け散ると。


「あうあうあう……」


 底知れぬ恐怖に囚われたダリウスは、喘ぎながら涙を流し、頷いていた。

 そしてすぐ、気を失ったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 信じられない事に、アルセーヌは勝利した。

 絶対に叶わないと、臆していた強敵ダリウスに、見事圧勝したのである。


 まるで、自分が自分でないようだ。

 荒れ狂う一匹の雄……

 それが今のアルセーヌであった。


 と、ふいに声が掛けられた。


「どう? アルセーヌ……少しは気が晴れた?」


「え?」


 ハッと我に返れば、優しく微笑むツェツィリアの顔が、アルセーヌの目に飛び込んで来た。


 夢?

 じゃない。

 足の下に『感触』がある。


 改めて見れば……

 気絶したダリウスが踏みつけられたままである。


「え? も、もしかして!」


 アルセーヌは慌てて周囲を見渡した。

 この王都には、衛兵があちこちに配置されていた。

 何か、騒ぎが起きれば「スタ~ップ!」と叫び、一目散に飛んで来る。

 喧嘩など、以ての外である。

 下手をすれば、こちらが過剰な暴力行為で牢獄行きだ。


 しかし衛兵が来るどころか、辺りには人っ子一人いない……

 どの通りにも人が忙しそうに行き交う王都なのに……

 アルセーヌにとって、ひどく奇妙で、とんでもなく不思議な光景が展開されていた。


「うふふ、大丈夫よ。邪魔は入らないよう結界を張ったから」


「結界?」


「ええ、空間魔法で、この場を一時的に異界化したのよ。貴方も魔法使いなら、分かるでしょ?」


「え? い、異界!?」


 ここでツェツィリアが言う異界とは……人間が住む現世とは異なる世界の事。

 魔法使いが空間魔法で創りだせる異界とは簡易な異次元空間であるが、広義に解釈すれば天界や冥界も異界に含まれる。


 しかし口で言うほど、異界を創る魔法の発動は簡単ではない。

 長く難解で複雑な言霊。

 韻の難しい詠唱。


 少なくとも、異界創作の空間魔法を行使可能な者は、アルセーヌが知る魔法使いにはいない。

 名前しか知らない、この王国ナンバーワンの王宮魔法使いでさえ無理だろう。


 だがツェツィリアは容易に異界を創ってみせた。

 彼女の詠唱も発動の動きも一切見られなかったのに。


 無詠唱で瞬時に異界を?

 まさか!

 この子は?

 一体何者なんだ?


 謎めいたツェツィリアの笑顔を見ながら、アルセーヌは呆然と立ち尽くしていたのである。

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