〜第6話〜 時の魔法?
「っ!?」
僕を支えてくれていたサージュがびっくりする。
どうやらサージュはあまりよく分からなかったようで僕がいきなり吐いた事に驚いているようでそこまでの精神的ダメージはないようだ。
そのことに少し安心してホッと息をつく。
しかし、ミーシェは気づいたのか何か気分の悪そうな顔をしながら扉の方を向いている。
別の所からこの部屋を出れないかと辺りを見渡していると僕は何かに気づく。
「ミーシェ、サージュ、何か変だ...この部屋、いやこの館の全体に回転する針の様な形の魔力が流れてる」
ぼんやりと頭に浮かぶのは2つの針がゆっくりと左回転するイメージだ。
すると、ミーシェが何かがわかったかの様に顔が変わる。
「お姉ちゃん、何かわかった?」
そう聞くと、首を斜めに振りながら言う。
「予想だが、時計か?」
そう人差し指を立て首を傾げながら聞いてくる。
すると頭の中でぼんやりとした形だった二本の針の片方が短くなり、周りにこっちの世界の数字が浮き出てくる。
「うん、確かに言う通り時計みたいだね......だけど左回転しているよ?」
そう呟く様に付け足すと近くにいたサージュが、
「きっと...時が巻き戻る、暗示?」
そうボソボソと言う。
そんな魔力が館を覆っているってことは...
「多分、館を...修復してる?のかな?」
ヒィィン...
「「「!?」」」
今度は窓、床の木材の間から光が出てくる。
あまりの眩しさに僕達三人は目を少し瞑り、立ち上がる。
しかし、立ち上がれなかった。
いや、立っているのに立ち上がれなかった。
簡単な話だ、自分達の年齢も巻き戻ったのだ。
「うあ!!」
今まで来ていた服に足を引っ掛け転んでしまう。
転ぶと、床に頭をつけることになるのだが、そのおかげでもう一回くる魔力の流れを感知する事ができた。
しかし、その魔力のイメージは先程とほぼ同じなのだが針の回転方向が左回転から右回転になっているのだ。
「くっ、」
いつもなら、避けられないなりに何か対策をとったであろう。
だが、今の体では全く出来ないのは当たり前である。
魔力の波を僕達三人は一気に受け体が元の大きさに戻って行く。
と言うより戻り過ぎて行く。
「ちょっ!元に戻ったかと思ったら!逆に行き過ぎてるよ!!」
そんな悲痛なミーシェの叫びが聞こえて来たと同時に今まで来ていた服が三人とも同時に引き下げたのだった。
時は少し戻り、
「ぐっ、転んでしまったせいであの三人に傷を負わせてしまったかもしれない」
そう四つん這いになりながらショックを受けていると後ろから足音が聞こえてくる。
「時を操ることは時の女神、リシュールー 様への冒涜であるっ!!よって神の裁きを受けてもらうぞ?オールドンファーよ!!」
そんな言葉が聞こえた瞬間に今後ろにいる奴がどんな性格でどんなところに所蔵しているのかがすぐにわかる。
「リシュールー教の奴か...何しに来た」
そう聞くと相手はため息をついて喋り出す。
「愚問だな...そのぐらい察しのいいオールドンファーならわかっていると思ったんだが...見当違いだったか?」
そう呆れた目で見てくる。
「いいや、聞いて見ただけだ」
その瞬間にオールドンファは短剣を抜き、相手は片手剣を抜く。
狭い廊下での刃と刃のぶつかり合いが始まった。




