〜第5話〜 スキル確認と爆発
「もしかしたら姉妹だしサブネームがあるかもしれんのぉ...」
そうオールドンファー様が呟きながら顎に手を当てて考え始め、同時にサージュが石板の丸に触れる。
また青白い光が出るが、今度は先程とは多い量の光が出る。
《蒼の雷鉄槌》
《人類の夢》
《弓術》
《回避》
《身体強化》
《鑑定》
《収納魔法》
5つのスキルと2つのサブネーム付きの結果が出た。
オールドンファー様は勿論、サージュも驚いていることからとても嬉しかったのだろう。
そう思い耽っているとふと気になることが出てきた。
ミーシェが持っていた火を使えそうなスキルの名前には黄金が入っていた。
なのになんで金色じゃなく、赤色だったのだろう?
と言うそんなちょっとの気になることだ。
すると同じことを思ったのかいきなりミーシェが左手を前に出して、その手を右手で抑える形に手を合わせ出し、魔力を左手に溜めて一気に、一瞬だけ火を手の上に出す、すると金色になっていた。
「あれ?金色になってる...」
そうミーシェが呟いたのも聞こえた。
その呟きの後、オールドンファー様は顎に手を当てる形で少し何かを考えるそぶりを見せ、何かが分かったかのように手を叩く。
「もしや、あの炎は無意識に使っていたもので...そのスキルの真髄と言うか、名前を知ったお陰で本当の力が出せるようになった...と言うことかの?」
オールドンファー様が何かそれっぽい事を言い出し、僕達3人は納得する。
が、やはりまだ胸の中に痼りが残る。
そんな事を腕を組んで考えていると、次は自分だった事を思い出し、石板の丸の所に手を伸ばす。
もしかしたら僕のスキルのどれかがサブネーム付きになってたりして?
いや、でもあの選択画面でルビが振ってあるスキルを選んだ記憶はないし...
そんな事を思いながら石板に触れる。
すると今度は石板一杯に青白い光が溢れ始め、徐々に文字が浮き上がってくる。
《家事》
《料理》
《水魔法》
《毒操作術》
《回復魔法》
《短剣術》
《軽業》
《弓術》
《魔力操作術》
「強そうなものは...無いかのぉ?しかし、魔力操作術は強いパッシブスキルじゃのぉ...」
そう、言いづらそうにスキルの内容を褒める。が、正直サブネーム付きのスキルを取っておくべきだと思ってしまった。
ヒィィィン...
「「「「っ!?」」」」
視界の変化に多分この家にいる者全てが驚いただろう。
いきなり、お屋敷の窓の外から物凄い光が射し込んで来たのだ。
姉と妹は戦闘態勢?を取り、目の前のオールドンファー様も腰につけていた短剣を引き抜く。
だが、その光もほんの一瞬で消え、周りの人も戦闘態勢を一瞬だけ緩めたその瞬間___
ヒュ〜...
ドォォォォーーーーン!!!
最初に感じたのは鼓膜が破れそうな爆音とまるで炉の中に入ったかのような熱さだった。
その後直ぐにして粉塵が舞い上がり、それと同時に周りの悲鳴が聞こえ始める。
「な、何が...」
そう私が呟くとオールドンファー様が焦った顔をし、僕達三人を抱え始める。
僕達三人を抱え終わると立ち上がり爆発が起きた方向と真逆の方向に進み始める。
「わ、私!私の魔法なら!!」
そうミーシェが叫びながら暴れ抵抗しているが抗えずに連れて行かれる。
ダッダッダッ、ガリッ!!
「ぐっ!」
僕達を抱えていたオールドンファー様が躓く。
「「「うわぁ!?」」」
その拍子に僕やミーシェ、サージュは前に投げ出される。
ミーシェはそのまま転がって近くのドアの開いていた倉庫部屋に滑り込むように入る。
サージュは転ぶも直ぐに立ち上がり、辺りをチラリと確認した時にミーシェが軽く合図を出しその後直ぐにミーシェと同じ部屋に入る。
しかし、僕は一番外側に持たれていたため結構な速さで廊下の壁に叩きつけられてしまった。
「うがぁッ!!」
壁に叩きつけられた後そのまま地面に突っ伏す感じに倒れてしまった。
___うぅ、視界が歪む...
歪む世界の中、何か肌色のぼやけた何かが上下に振れているのがわかった。
「アーフェ!!こっち!掴まって!!」
黄色のぼやけた何かから出た肌色の何かがこちらに伸びてくる。
僕は徐ろにその肌色の何かを掴むと、身体が思いっきり引き寄せられた。
「うぅ...気持ち悪い」
視界の歪みは治ったものの吐き気が残りサージュに背中を摩られている。
「大丈夫?アーフェお姉ちゃん?」
「うん、大丈夫...」
だんだん心が落ち着いて来て、後もう少しで平常心に戻るというところで...
バンッ!!
今、自分達が入っている部屋のドアに何かが凄い勢いでぶつかるような音が響く。
「「「っ!?」」」
僕達三人は物凄いびっくりし飛び上がって倉庫にあった荷物の陰に隠れた。
__誰か来たのかな?
__し、知らない...
そんな事をヒソヒソ話で話しながらそーっと扉の方を見ると、木製の扉はこちら側に出っ張っておりドアの下の隙間からは血が流れて来ている。
「あっ...」
僕はその瞬間ドアの外の様子を察し吐いた。
戦闘シーンを入れないとまともにお話を書けない病気を患っていた事を忘れてました。