〜第1話〜 テンプレなる盗賊ども
これからは大体このぐらいの長さでやっていきます。
ガラガラ...
馬車が走る音が聞こえる。
僕と姉ミーシェと妹サージュの3人で仲良く馬車の中で川の字型に寝ている。
「「「暑いぃ〜!!」」」
今は元の世界で言うところの夏、だが、真夏でもないし天気も曇っている。
「ここらは火山の熱で暖められた熱い空気がものすごい勢いで吹き出してくる言わば"旅人殺しの平原"、"スチームフラット"、なんて言う名前がつくほどの場所だからのぉ」
一様氷属性の魔法が付与された魔道具を使っているんだけどねと行者のおじさんは言う。
「うわぁー!!暑いよぉ〜!!」
そう叫びながらサージュは次々と服を脱ぎ始める。
「さ、サージュ!?」
僕がそう叫び、止めるもやはり脱ぐ。
そしてついには上下下着姿になってしまった。
ちなみにサージュの下着は上下黄色だ。
「あー私もそうしようかな?」
姉がふざけたことを言い始めるので、キッ、と睨んだら、本気だよーと、言って姉まで脱ぎ出してしまった。
すこしこの状況を心配し始め、オールドンファー様に声をかけると...
「うっ...」
手で顔を押さえるところを見つけた。
「だ、大丈夫ですか!?」
そう問いかけてオールドンファー様の顔をよく見てみると鼻血が出ているのに気づく。
そしてこの瞬間、僕は暑さによる意識の朦朧により壁に頭をぶつけたのだと錯覚した。
「は、早く横になって下さい...!そ、そうだ!」
そう言えばスキルを選んだ中に回復魔法があったはず!!もしあれが夢じゃなければきっと回復魔法が使えるはず!!
そう思いながら、オールドンファー様の顔に手を当てて心の中でこう叫んだ。
【回復せよ!!!】
回復しなかった。
「あれ?」
あっ、もしかして魔法まで言わないといけないのかな?
今度はそう考え、締まらない思いで回復魔法を唱えた。
すると、今まで溢れ出していた鼻血がピタッと止まったのだ。
おぉー!魔法って便利!!
そう思い、内心喜んでいるといきなりオールドンファー様の顔が真剣なものになる。
「いま...回復魔法を使ったのか?使ったな?」
そう言うと胡座をかいて考え込んでしまった。
「何かダメだったのかな?」
そう考えていると体が熱くなり、私も姉と妹と同じく服を脱いで下着姿になった。
その夜、結局今日中に着くはずが暑さで予定が狂い道中で夜になってしまったため野宿の準備をする。
ここで初めてオールドンファー様からお仕事を頂く。
「ミーシェとサージュは火起こしをしてくれそれとアーフェは...」
姉と妹とオールドンファー様がこちらを向く。
うーん...あっ、
「料理ならできます...が」
そう自信なさげに言うと、オールドンファー様と行者さんがピクリと反応する。
「分かりました、腕を振るいましょう!」
そう自信満々に答えると行者さんが物凄い笑顔になり、オールドンファー様は目を瞑りほんのりと笑う。
するといきなり隣からミーシェの叫び声が聞こえる。
慌てて外を見ると、ミーシェがものすごい量の魔力を練って超高密度に圧縮された炎で焚き火に火をつけようとしていた。
「お姉ちゃん!!!それを放ったらここら一体が吹き飛んじゃう!!」
「マジで!?」
そうびっくりした様子でその超高密度に圧縮された炎を真上に投げると、そのまま浮上した後大爆発を起こした。
「あっ.....流石に火をつけると同時にどこまでできるか試したかったんだが...【極小太陽】はダメだったか...」
「ダメだよ!当たり前じゃん!そんな名前からしてやばそうな奴!!」
そう言って隣を見ると腰を抜かしたオールドンファー様がいた。
「ふご、フゴフゴ...」
行者さんはもっと酷く、バク転をして馬車の床に頭から突っ込んでいる。
そんな大人2人を横目に馬車の食料庫に行って食材を取り出す。
そして焚き火の所に着くと同時に、なにやらガラガラという音が聞こえた気がした。
その音は時間が経つにつれて大きくなる。
「オールドンファー様、お気を確かに...」
そう声をかけて正気に戻ったところでその音のことを伝えると、
「まさか...盗賊かもしれん」
そう言う言葉を聞くと、姉と妹はいきなり"テンプレだ!!"と叫んだ、
はぁ、一体どこからその情報は仕入れてくるのやら
そんな愚痴をこぼしているとガラガラとなっていた音が止む。
「来るぞ!」
オールドンファー様が叫ぶ、
20秒ほどの静寂が流れる。
そしてその静寂を破ったのは1人の男の声だった。
「金目のものをよこしてもらおうか?」
その盗賊の声と同時に
「【イグニッション】!!」
我が姉の炎魔法が炸裂する。
その魔法を唱えた瞬間にいきなり現れた盗賊の体から火が吹き出し、丸焦げになって倒れる。
すると後ろから、
「魔法使いがいるぞ!"空を飛んで戦え!"」
そんな言葉が聞こえる。
その言葉の一部に聞き慣れない言葉が入っていたので気になったが、オールドンファー様が口を開いたので質問はしない。
「まさか...風操作式飛行システムを装備しているのか...!」
どうやら説明してくれたようだ...しかし、
「風操作式飛行システムってことは風を操って空を飛んでるってことだよな?」
そう呟きながら上を見ると10人程の人が空を飛んでいた。
それを見た後に姉を見るもまだ地上で敵を探しているらしい。
「お姉ちゃん!上!空だ!!」
「は?」
そんな疑問を覚えながらも上を見るとびっくりしている様子から気づいたようだ。
あとはすぐに終わるだろうと姉の実力を信じ、馬車に戻る。
「【極小太陽】!!」
先ほど大爆発した超高密度に圧縮された炎を上に3つ出し、そのまま飛ばす。
「た、退避ー!!」
「死ね!!」
3つの小さな太陽がこの時同時に爆発した。
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