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第64話 どうして?

 なんでここにおっぱいが?


 事態を飲み込めない。


 俺が呆然としているうちに、試合が始まっていた。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 試合開始の銅鑼が鳴り響く。


 ガーネット・ベルンはレイピアを構えた。


 対するズーランは、銅鑼の音の残滓が消えさって尚、その場で指ひとつ動かそうとはしなかった。


 その表情。……そこにあるのは落胆。そして、イラつきと怒りだ。


「どういうことズラ?」


「……」


 ガーネットは答えない。


「どういうことズラ、スカーレット?」


「……」


「どうしてゴウレムを出さねぇズラ? オレを舐めてんのか?」

 

 ガーネットは答えずに、ただレイピアを構えるだけだ。


「答えろスカーレットッ!!」



「鋭エエエエエエエエーッ」

 その問いにガーネットは渾身の突きで答えた。



 瞬撃。体6つ分の間合いを一度の踏み込みで詰めたガーネットの突きが、ズーランの喉笛を正確に狙う。


 だが、その切っ先が喉笛を捉える瞬間、切っ先に巻きついた物があった。


 鞭だ。


 ズーランの鞭が、ガーネットのレイピアを巻きとり、鞭と剣とがつばぜり合いの火花を散らす。


 二つの顔と顔が剣身と鞭を挟んでにらみ合う。


 怒号のような観客の歓声が2人を包んだ。


「いいぞスカーレット!!」


「やれッ、そこだッズーラン!!」


 瞬間。赤い閃きがズーランの頬に迫った。


 ガーネットが繰り出した小刀だ。


 それをズーランは鞭の柄を突き出して打ち落とす。


 だが、勢いを落としきれずに受け止める形になって、小刀と柄が力比べを始めた。


「それ、ルビーアイか?」


 ズーランの問い。


「ええ、そうよ」

   

 何度もこのリングで立ち合った好敵手。最高の好敵手。


 その愛馬たるゴウレム、ルビーアイ。


 小刀の透き通った刀身を見て、それがかつてのゴウレムの破片を加工したものであることを、ズーランは瞬時に理解した。


「ズーラン。ルビーアイはもう無い……」


「……」


「ただそれを理由に。そんなことを理由にこの勝負から、貴女との勝負から降りたくなかった。絶対に。だから私はここに立っている」


 しゃりり……。


 またも一瞬だった。ズーランの隙をつき、巻きついた鞭を滑らせてガーネットが剣身を引き抜く。


 同時に赤い小刀と、鞭の柄の均衡が崩れ、離れる。



「鋭エエエエエエエエーッ」

 レイピアと小刀の二刀が幾度も閃き、放たれた何条もの刃の軌跡がズーランを襲う。


「ッしゃああああああッ!!」

 ズーランの鞭が唸りを上げ、その全てを受け流す。


 呼吸すら忘れるほどの打ち合いの後、2人の体がぶつかり合って離れた。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 すごい。


 思わず見てて、息が止まった。


 なんだあれ。


 日本で一番人気のある宇宙人の戦闘民族が気功とかで戦う格闘漫画……。


 あのアニメのワンシーンを見ているようだった。


 あるいは1フレーム、1/60秒を賭けて戦う格闘ゲームの凄まじいコンボの打ち合い。あのゲームのキャラの動きを生身の人間がありえない速度で再現している。


 重ねて思う。生身の人間のやることかよ……。


 手が汗で濡れていた。


 そして冷や汗で背中が冷たくなった。  


 ……俺あんなやつのおっぱい揉んでよく生かして貰えていたよな……。 


「ズガーレッド様が、ズガーレッド様ががっごいいいいいい!!!」

 横のマズルも感激したのか顔の穴という穴からだらだらと液を漏らしている。


 女の子がしていい顔じゃないぞマズル。


「紙あるから使えマズル」


 俺はティッシュをマズルに渡す。


「ワオッ! それ異界のやつじゃないか。超高級品だぞ。早速買ったのかブラザー?」


 驚いてくれるのはいいが、これはポケットティッシュって言うんだ。

 ……駅前で配ってるやつをたまたま持ってただけだよ。


 拙作はいかがだったでしょうか?

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