第53話 カラスマ、快進撃!
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剥がれて100以下に戻ってしまうかもしれませんが、これからも頑張ります!
第53話 カラスマ、快進撃!
「行けッ! リヴァイアサン!」
宙を泳ぐリュウグウノツカイのようなゴウレムがとぐろを巻いて襲ってくる。
なので、俺はその操作者の腹めがけて疾風を飛ばす。
両足をそろえて一撃!
ドロップキックがみぞおちに沈み込む。
「うごば……ッス」
ゴウレム・リヴァイアサンの操作者=ゴーレムマスターの釣り人風の格好をしたエルフは苦しそうに悶絶すると、
腹を押さえてうつ伏せに倒れた。
俺は現在本日6人目の対戦相手、『釣り師フィッシャー』との対戦中だ。
どうでもいいがリングネームが適当過ぎないか……。
「だから守りに徹しろと言ったのですフィッシャー! 得意の空中戦はどうしたのです!」
リングサイドに立ったいけすかないエルフが、悔しそうにリングの床を叩いた。
あごに痛々しく包帯を巻いている。疾風の一撃でついた怪我だ。
あいつ最初に戦ったんだけど、名前なんつったっけ……。
「黙れッス、アルタ……あんな速いゴウレム……見切れるわけがないだろッス」
「立ち上がるのですフィッシャー! あなたならやれる、さぁ! もう一度力を振り絞って!」
「お前、リングサイドからうるさいぞ、俺の敵を応援すんな!」
「黙りたまえカラスマ! 君のように躊躇無くゴーレムマスターを直接攻撃するほうがどうかしているッ!!
ゴウレムのバトルなんだぞ! 正々堂々戦おうという騎士道精神はないのか? 戦ってギャラリーを沸かそうとかそういう気概は無いのかね!」
「知るか勝てばいいんだよ勝てば!
で、どうすんだ対戦相手? やめるのか、それともこのまま続けるのか? 次の一撃は股間を容赦なく……」
「ギ、ギブアップッス審判!」
「しょっ、勝者……カラスマッ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーッ!!』
鉄格子のリングを何重にも覆ったギャラリーが、歓声を上げた!!
何百人が一斉に上げる声量にびりびりと空気が震える。
うるさい……。耳がキーンとする。
「つええ、卑怯だけど、つええ……」
「すげえぞ、あのおっさん、怒涛の6連勝だ!!」
「あいつに有り金全部賭けろ。あんな鉄板見たこと無いぞ」
「すごいよカラスマ、800万エンよーッ!」
シズルさんよ、そんなに稼いだのか……。
俺は試合終了とともにようやく開いた檻から外にでた。
満面の笑みのシズルとマズルがやってくる。
「なぁ、シズル、マズル今日はそろそろやめとかないか? もう疲れてきたんだが」
「何いってんのよ! まだまだ足りないわ」
「アリーナの有り金全部巻き上げるまで戦い続けなさい!」
シズルとマズルの瞳に札束や金貨の山が映っているような気がするんだが気のせいか……。
「「ねぇお願いもっと頑張ってぇ!」」
両腕に容赦なく押し付けられる二組のおっぱい。
もうその手には乗らんぞ!
「「お・ね・が・い」」
両足に太ももがまとわり付いてきた。
やめろ、女の子が股を擦り付けてくるんじゃない。すごく、すごく気持ちいいです。
「……も、もうちょっとだけ頑張っちゃおうかな」
「「素敵ッ、カラスマー!!」」
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カラスマが去ったリングサイドには、審判団に詰め寄るカラスマの被害者、もとい対戦相手達が居た。
「あのまま奴を勝たせたきりじゃ、我らリングマスター、ひいてはバトルアリーナ全体の沽券に関わります。何とかして倒さねば……」
「『迅雷』のヤツはどうした? スピードにはスピードをぶつけるしかないだろ」
「肋間神経痛の治療で湯治に行ってます」
「あの役立たずめッス!」
「それ、負けた君が言うの……」
「とにかく、次のバトルではルールでゴーレムマスターへの直接攻撃を禁止させましょう!」
「いや、一応セオリーとして、基本戦術ではあるし……」
「だから制限マッチです。ゴーレムマスターはリング外からの操作に徹させるのです、これならヤツも正面きって戦うしかないでしょう」
「でもあの調子ッスよ、ゴウレム同士をぶつけてもアイツめちゃくちゃ強いんじゃないッスか? 正面きってガチって負けちゃったら……」
「あんな小さなゴウレムにそんな力があるとは思えん」
「それ、フラグってやつじゃ……」
「……お話は聞かせていただきました」
「あ、あんたは……!?」
銀髪に透き通るような白い肌、青い目のエルフの男が立っていた。
「「「「チャペルさん?!」」」」
チャペルと呼ばれたエルフが、胸の前で神に祈るように掌を組んだ。
「失礼ですが、相手はまともに戦う気が無いようです。ゴーレムマスターを直接攻撃される以上、操作型ゴーレムマスターが対処するのは、限界があるのではないですか?」
「あ、あんたは黙ってて欲しいッス。ぼくらには、ぼくらの、操作型ゴウレム使いの意地があるッスよ」
「そうです! あの生意気な挑戦者が操作型ゴウレムで調子に乗るならば、それを倒すのは同じ操作型ゴウレムのリングマスターでなければなりません! とにかく次に挑戦をうけたリングマスターに的確なアドバイスを与えれば!」
「観客にはリングマスターの雄姿を見て、明日を生きる力に変える子供たちが居ます」
「……孤児院の子供たちですか」
「彼らの憧れの存在として、我々リングマスターは常に真摯に戦い、正々堂々と勝たなければならない。
子供たちにあの挑戦者のような勝ち方を見せ続けて、『卑怯な手段こそ勝つための近道』。そう誤解させたまま今日を終わらせてはなりません。
ああいった教育上極めて良くない輩には、神の鉄槌、神罰が落ちてしかるべき。そうは思いませんか?」
「……あ、あんたほどの実力者がそういうならッス」
「彼をリングマスターとして、リングに立たせましょう。そして私が挑戦します。神の御旨に従い。次の試合、私と『侵されざる白銀の盾』が必ずや勝利してご覧にいれます」
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