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第154話 太陽を狩る人馬

第154話 太陽を狩る人馬


 凄まじい光。


 地上に生まれたもう1つの太陽!


 そのまばゆさ、眩しさに、息を呑まれ、会場が、コロシアムが、静まり返る!


「ヘルブレイズ・コロナバースト!」 


 巨大な熱球が上空に向けて撃ち出される。


「「これで終わりだーッ!」」


 マズルの体を抱えるシズルと、砲台になったマズルが、反動で後ろに倒れこむ。



□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


「嘘でしょ……あんなのどうするんですか……ッ」

 観客席のアルタが騒ぐ。


「どうするって、どうするッスか!?」

 フィッシャー。


「どうにもならんズラ! 逃げろガーネット! 妹!」

 叫ぶズーラン。


「いいえまだ! まだ御前様とお嬢様には手はあります!」

 叫ぶ、メイド長。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 空に撃ち出された光球は、その身を膨れ上がらせながら、ガーネットとルナリアに迫っていた!


「ルナリア!」


「姉さま!」


 姉妹は互いに頷きあう。


 ちぃネットが支えていたガーネットの体重を、ルナリアが預かる。


 羽うさぎの靴によって空中に浮くルナリアが、ガーネットの背中に回り、わきの下に両手を回した。


「ラムペガス!」


 すね当てに姿を変えていたラムペガスが、有角の天馬に姿を変える。


 だが、その姿は無残なものだった。全身にヒビが走り、手足の先や羽根の一部が欠損している。シズルとの激突の際に失われたものだ。


 羽根を羽ばたかせて、ガーネットの前に浮くルビーアイ・ラムペガス。


「ちぃネット!」


 ラムペガスの背に降り立つちぃネット!


「アーマー・パージ!」


 四式戦装甲を脱ぎ捨てるちぃネット。 


「ラムペガス……オーバーアーマー! キャストオフ!」


 ガーネットの命令によって、ラムペガスの体が弾けた。


 否。


 ラムペガスの傷ついた体が崩壊し、その中から新たなゴウレムが姿を現す。


 それは!


「1/12ルビーアイ・ラムペガス!」


 疾風やちぃネットと同じスケールの有角天馬だった。


 飛び散ったオーバーアーマーの破片たち。地上に落下するはずのその1つを、無事な左手で掴むガーネット。


「ありがとう…ルビーアイ」


 いとおしそうにその破片を胸に抱く。


「そして頼むわよ、ルビーアイ! 我が愛馬! いいルナリア?」


「いつでも! 姉さま!」


「サジタリアモード!」 

 叫ぶガーネット!


「発動!」

 叫ぶルナリア!


 1/12ルビーアイ・ラムペガス。ちぃネットをその背に乗せた体が変化する。


 ルビーアイの頭部が変形し、ちぃネットの上半身を覆う鎧となった。


 そしてルビーアイの羽はちぃネットの背中にスライドし、ちぃネットの両足はルビーアイの内部に取り込まれる。


 ちぃネットは馬の下半身を持つケンタウロスとなっていた。右手にはルビーアイの頭部から生まれた槍を構えている。


「「ちぃネット! ルビーアイ・ラムペガス、リンクアップ! ちぃネットサジタリア!」」


 いまここに、1つの新たなゴウレムが誕生した。


 大気を焼きながら火球が迫る!


「行きなさい! ちぃネットサジタリア!」

 叫ぶルナリア!


 有翼の人馬と化したちぃネットが、空中を駆ける!


 槍を構えたその先にあるのは上ってくるもう1つの太陽だ。


「爆炎よ、我が槍に宿れ!」


 ちぃネットの構えた槍が炎に包まれる!


 槍の穂先が真っ赤に焼け焦げ、その温度を増して白熱化する! 


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


「あれは……ラヴァーズの!? どういうことだあのジジイ!」

 驚くハングドマン。


「彼奴は武人。一方にのみ塩を送るのをよしとしなかった。そういうことじゃろう……」

 エンプレス。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


「太陽には太陽をぶつけるまでです!」


 さらにその熱が限界を超えた! ラムペガスの槍は今青白い輝きを放っている!


「ユグドラシルを照らす曙光よ! 我が身に宿らん!」


 ちぃネットの体が光を放つ! その輝きがレンズのようにちぃネットの体を包み、槍の青炎と合体して、ちぃネットの体は1つの青い球となった!


「うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 青い恒星となったちぃネットが、上ってくるシズルとマズルの太陽に向かって突っ込む!


 2つの星が激突し! そして……!


 ちぃネットが、上りくる熱球を押し返し始めた!


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 地上。


 反転をはじめた太陽が、地上、シズルとマズルに向かって落下してくる。


「あんな小さなゴウレムで、あたしの太陽を落とす気?」


「生意気!」


「もう一度撃つよシズル! 私に魔力を!」


「あいよマズル!」


 双子は抱き合い互いの魔石を共鳴させる!


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 それまで熱狂に包まれていたスタジアムの観客席は一転して恐慌に支配された。


 2つの太陽が、リング目掛けて落ちてくるのだ。


 観客達が出口に向かって一斉に殺到する。


「ハーミット、魔力を回してくれ! 魔力障壁を倍化する!」

 と、ジャッジ。


「わかりましたオーナー」

 とハーミット。


「あうーあうあーあうあー!」

 デン侯爵が叫び声を上げる!


「王よ!」

 老公爵だ。


 狼狽した公爵は、王の居る天幕に向かって叫ぶ!


「我が王よ! どうかお逃げください! 万一のことがあっては……」


「……」


 だが、天幕の中の人物はなにも応えない。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 落下する二つの恒星!


「「ヘルブレイズ・コロナバースト!」」


 それに向かってもう一撃! シズルとマズルが、全身の魔力と魔石に込められた魔力、全ての力を振り絞って太陽を生み出して発射する!


 スタジアムは命を燃やした光量に真っ白くぬりつぶされる!


「「くたばりやがれええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」」


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 上空。


「くううう!」


 ちぃネットに魔力を送るルナリアが苦悶の声を上げる。


 全身の力を吸い取られ、気を抜けば今にも昏倒しそうだ。


「ルナリア……」


「はい!?」


 ガーネットが、ルナリアの手に手を重ねた。


 ガーネットは今、浮遊能力を持つルナリアの背におぶさっている。


「落ち着いて、ちぃネットを信じてあげて……あれはあいつの作ったゴウレム。私達の作ったゴウレムよ。そしてちぃネットにはルビーアイがついている……、あいつがつくった傑作よ! あのゴウレムが打ち負けると思う?」


「いいえ! 負けません! だってちぃネットは、ルビーアイは」


「「カラスマの作ったゴウレムだから!」」


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 落下する2つの恒星。そしてそれを撃墜すべく撃ちこまれた新たな太陽!


 3つの星が激突し、周囲は光にかき消された!

 拙作はいかがだったでしょうか?

 続きは頑張って書きたいのですが、書く力を得続けるには、ポイントの力が必要です!!!


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