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第147話 決闘のはじまり

第147話 決闘のはじまり


 メイド長の靴型ゴウレム、『羽根うさぎの夫婦』は残像で体が3つに分身するくらいのスピードで反復横とびができる。


 それの全力移動は、ほんの数十秒で、俺とハウの体を観客席へと移動させてくれた。


 うん、今、ものすごい乗り物酔いしたみたいになってるんですけど、助けてください……。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 観戦席についた。


 バトルアリーナの特別コロシアムを囲うスタジアムみたいな観客席。


 そのスタジアムみたいな観客席は大入りの満員だった。


 今日はバトルアリーナは休業。すべての試合はキャンセルされているはずだが、アリーナの門は開放し、出入りは自由にするように王からお達しがあったそうだ。


 誰もが決闘の噂を聞きつけてここに詰め掛けてきたのだろう。


 見世物じゃないんだけどな……。


 それが、相手の。デン侯爵の狙いなんだろうか。


 大勢の観客の前で、ガーネットとルナリアをいたぶるつもりなのかもしれない。


 ……そうはならないと思うけどね。


 満員の観客達が一斉に歓声を上げていた。声が大きすぎて地鳴りのようになっている。満員のサッカー場を思い出すね。


 ガーネットと、ルナリアが、今まさに入場門を出て、闘技場へ続く道を歩いているのが見えた……、どんだけ速かったんだメイド長。


「おう、カラスマ! 起きたズラか!」


 ズーランだ。アルタに、フィッシャー、パニッシュメント、キャンプマスター、ロコリコ、エイジ、チャペル、そしてムトーさん。みんなが居た。ラヴァーズさんは居ないか……。


 リングが見える最前列に観戦席をとっておいてくれたんだな。


 ここからなら闘技場の上のガーネットとルナリアに、声を飛ばせるかも知れない。


 ありがとう。


 メイド長と、ハウ、俺が並んで席に座る。俺の隣はムトーさんか。


「あ、それ……」


 ムトーさんが長剣の鞘を腰に下げていた。聖剣デュランダルブレード? かな。


「ああ。この後ちょっと、怪物退治を頼まれててね。僕がゴーレムマスターであることをクライアントに知られてしまったもんだから、参っちゃうよ」


「大いなる力には大いなる責任が……ってやつですね」


「そうそう。大いなる力には大いなる責任が伴う。そうなんだ」


 ムトーさんはそのセリフが出てくるアメコミヒーローのフィギュアも作ったんだったな。


 観客席を見渡す。


 本当に満員だ。


 観客席の一番上の段に天幕が張られているのが見えた。


 あそこに立会人の王様がいるのかな?


 3WAYバッグの中に居た疾風をひっぱりだして、疾風の目で天幕を見る。


 ジャッジが天幕の横に控えているのが見えた。貴族の服みたいなのを着てる。似合わない。あれがこの世界の正装なのかな?


 ジャッジの隣には、すごい豪華な貴族の服を着たおじいさんと、なんかローブにくるまれた人が居た。


 誰だろう?


 そんなのはどうでもいいや。


 俺は目の前の闘技場。そこへ続く道を歩いてくるガーネットとルナリアに目線を移す。


 二人が俺たちに気がついたみたいだ。


 二人揃って『ニッ』と笑うのが見えた。


 二人のゴウレムも相変わらず金色に光っている。


 ああなっている理由を知っているのは、二人と、この観客席にいる俺と、ハウと、メイド長だけ。


 屋敷の家族だけの秘密だ。


 二人が闘技場の真ん中に着いた。


 がんばれ、ガーネット、ルナリア。


 二人が闘技場に着いたことで、観客席の歓声が一度収まる。


 だが、すぐに歓声がもう一度大きくなった。


 二人が入場したのと反対側の入場門。


 そこから、敵が姿を現したからだ。


 二人に決闘を申し込んだデン侯爵と、その後継者……。


 ……違う。


 あれはデン侯爵じゃない……。


 あれは……。


 あれは!!!


 なんでだ?


 なんであの二人が、あそこに、あの入場口から歩いて来るんだ?


 敵はデン侯爵じゃ? あの体に刺青や石を埋め込んだおっさんのエルフのはずだ。


 なんでだ?


 なんであの二人なんだ!!??


 俺がしばらく思考停止している間に、見覚えのある二人は、闘技場へと歩みを進めていた。

 

 先に待っていたガーネットとルナリアと、相対して立つ二人。


 なんでだ?


 なんでだ?


 なんでだ?


 シズル! マズル!


 どうしてお前達がそこに居るんだ!!!!


 観客席の声が静まりかえった。


 これから始まる決闘者たちのやりとりを聞き逃すまいとしているのだろう……。


「デン侯爵家当主、シズル・デン」


 姉であるシズル、銀色の毛並みの狼の獣人が口を開いた。


「同じく、筆頭継承権保持者、マズル・デン」


 妹であるマズル、黒い毛並みの狼の獣人が続く。二人は男装に近い、三銃士が着ているような、燕尾服を着ている。マンガに出てくる貴族みたいじゃないか。


「「ガーネット・ベルン、ルナリア・ベルン殿。我らが決闘の場によくぞ参られた!」」


「ベルン男爵家当主、ガーネット・ベルン」


 ガーネットの服も三銃士みたいな服だ。長い金髪をポニーテールにまとめている。だが、服の端々にはベルトが伸びている。ちぃネットがひっぱって空を飛べるように工夫している。


「ベルン男爵家、第一継承権保持者、ルナリア・ベルンです」


 凛とした表情のルナリア。ルナリアの服も俺が着ているバトルスーツを銃士服にアレンジしたものだ。


「この度の決闘、謹んでお受けする!」


 ガーネットが高らかに宣言する。


 まるでお芝居を見ているようだと思った。


 だがこんなのは俺にとって悪夢でしかない……。悪夢だ。


 どうして、あの4人が、戦わなくちゃいけないんだ!?


『決闘者達よ。当闘技場を預かる、ジャッジ・ザ・オーナーだ』


 ジャッジの声がアナウンスされる。


『我らがヘリック王より、お言葉を賜っている。それをこれから読み上げる!』


 会場がさらに静まり返った。


『『デン侯爵家とベルン男爵家の決闘は、このヘリックが見届けるものである』、両家は互いの誇りを賭して存分に戦うべし……。この決闘の結果をもって、勝者は全ての遺恨を晴らし、敗者は全ての遺恨に今後口をつぐむものとせよ! へリックは決闘の結果を持ち、両家の諍いにおいて、勝者の一門が犯したすべての罪を不問とすること保証し、これを宣言しよう!』


「「ガーネット殿、ルナリア殿! 我らが父の仇! 今こそとらせてもらう!」」


 シズルが腰にさしたレイピアを引き抜き、ガーネットに向けた。


「来るが良い、シズル殿、マズル殿! 我らのこの首! そう簡単にとれるものではないぞ!」


 ガーネットが腰にさしたレイピアを引き抜き、シズルが向けたレイピアに剣先を重ねる。


「「いざ勝負! 互いの命、尽きるまで!」」


 レイピアの切っ先が離れ、決闘、戦いの火蓋は切って落とされた!

 拙作はいかがだったでしょうか?

 続きは頑張って書きたいのですが、書く力を得続けるには、ポイントの力が必要です!!!


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