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第128話 TVアニメシリーズ「モノコックウェポンズ・フラウ MW:F」第5話「それは誰にもわからない」


第5話「それは誰にもわからない」


 「モノコックウェポンズ・フラウ MW:F」


 オープニングアニメーション。


 オープニングテーマ、「Klein×Klein」が流れる。


 ×  ×  ×


第5話「それは誰にもわからない」


 ×  ×  ×


 高校。校門前。


 たくさんの救急車が並んでいる。


 運び込まれる生徒達のシーン。


 翠とコビ子も担架で運ばれる。


 学校にいた人間全てが意識不明になったこの事件は、謎の事件としてニュースでも取り上げられた。

 

 学校は休校になった。


 ×  ×  ×


 数日後。


「フヒヒッ、ようこそ! 我が模型部へ!」


 壁中にプラモが飾られている部室。


 翠と、疾風、ミセリコルデを模型部へ迎え入れたコビ子。


 うっきうきのコビ子。


 動く疾風やミセリコルデを触りまくる。


『そんなに触らないで下さい。気持ち悪いです……』


『こいつ撃っていいなの?』


「フヒーッ! フヒフヒーッ! プラモが! モノコックウェポンズ・フラウが喋ってる! 動いてる! 最高の最高でござる!」


 感動のあまりぶっ倒れるコビ子。


 苦笑するしかない翠。


『……フン』


 虫かごに入れられているベイズラード。拘束されている。

 翠と疾風はベイズラードの扱いに困りとりあえず捕まえている状態。


「コビ子。今日はね……」


「フヒッ、そうでござった! 疾風殿とミセリコルデ殿の修理でござったな」


 疾風、ミセリコルデ。前回の激闘でボロボロになっている。


「ちょっと拝見」


 疾風とミセリコルデをやっぱり触りまくるコビ子。不評を買う。


「どう? 修理できそう?」


「フヒッ、ここにある材料じゃちょっと無理でござる!」


「そう……」


「だから買出しに行くでござるよ! ショッピングにGOGOでござる!」


「ええ!?」


 コビ子、疾風とミセリコルデをバッグに入れ、翠の手を引いて部室を出てゆく。


『なんで我まで連れて行くのだ!?』


 ベイズラードの虫かごも鞄に入れる。


 ×  ×  ×


 裁定者アーティファクトが本星と連絡を取っている。


 超空間通信の先に居るのは、エーテル体の女王たち。


 進行具合を報告するアーティファクト。 


『よろしい。引き続き裁定を行いなさい。また、エーテル体が原生生物と過度の接触を行う懸念に関してはこちらも対応しましょう』

 とエーテル体女王AA10。


『はい、女王AA10』


『それと、そちらの銀河系にハンターが接近したとの観測があります。注意を怠らないように』


『……ハンター』


 ×  ×  ×


 ヨロコビヤショップ。


 ヨロコビヤで買い物をするコビ子と翠。


『プラモデルがたくさんなの』


『私のボディもありますね』


『コルデも売ってるなの。複雑な気分なの』


「フヒヒッ、お二人を修理するパーツはここで買えるでござる!」


 プラモデルをドカ買いしていくコビ子。

 

「お、お金大丈夫なのコビ子?」


「フヒヒッ、バイト代を全部つぎこんでるから平気でござる」


『あれは……』


 サンプルの高機動ユニットを見て目を輝かせるベイズラード。


『(かっこいい)』

 と頬を赤らめるベイズラード。


「フヒヒッ、欲しいのでござるか?」


『いや、ほ、ほしくないぞ!』


 ×  ×  ×


 ショッピングの帰りに買い食いを楽しむ翠とコビ子。


 疾風とミセリコルデには単三電池。


『やったなの! アルカリ電池なの! ご馳走なの』


 電力を吸収する。


『……』

 羨ましそうに見ているベイズラード。


 こっそり単三電池をあげるコビ子。


『……!?』


「フヒヒッ、内緒でござるよ」


 ×  ×  ×


 模型部、部室。


 工具を取り出し、プラモデル制作を始める翠とコビ子。


 翠に指導するコビ子。


 疾風とミセリコルデも手伝う。


 数時間後。


 すっかり夜。


「できたー!」

 と、翠。


 ぴかぴかに修理される疾風とミセリコルデ。


『間接がスムーズになりました』


『ボディの破損も直ったなの!』


「フヒヒッ、それとこんなものも用意したでござる」


 疾風には巨大な日本刀とサブアームのパーツ。


 ミセリコルデにはドリルミサイルの外付けユニット。


『これは、戦力の増強を確認しました』


『パワーアップなの!』


「フヒヒッ! モノコックウェポンズ・フラウはカスタマイズしてなんぼでござるからな!」


「ありがとうコビ子」


「フヒヒッ! 拙者はここでエアスプレーのメンテをするでござる、皆は外で試運転でもどうでござるか?」


『やりたいやりたいなの!』


 外に、飛び出すミセリコルデ。


『待ちなさいミセリコルデ!』


 追いかける疾風。


「あっ、待って二人とも!」


 追いかけて出て行く翠。


 部室に残されたコビ子とベイズラード。


「フヒヒッ、さてとと……」


 コビ子、ピンセットをとりだし、虫かごのなかのベイズラードの修理を始める。


 ベイズラードを逃がさずに、ボトルシップを作るような見事な手際。


『貴様、どういうつもりだ?』


「フヒヒッ。プラモ好きとして模型部部長として、壊れたプラモをそのままにしておくのが、見ていられないだけでござる。応急処置。大きな傷のついたボディパーツだけでも交換させてくだされでござる」


『貴様。我が貴様に何をしたかわかっているのか? 我は貴様らを殺したかもしれなかったのだぞ?』


「フヒヒッ。そんな昔のことは忘れたでござる。あ、一回言ってみたかったんでござるこのセリフ」


『人間……人間がわからぬ……』


「フヒッ。拙者も拙者がわからないでござる。なんで自分がこんなことをするのか? 一緒でござるな」


 ×  ×  ×


 数十分後。


 翠、疾風、ミセリコルデが戻ってくる。


「今日はありがとうコビ子。そろそろ夜も遅いし、今日は帰りましょう」


 その時、突然地震が起きる。


 ×  ×  ×

 

 高校、校庭。


 巨大な隕石が落下している。


 落下した隕石から生えてくる触手。


 触手の宇宙生物が現れる。エーテル体を捕食するハンターだ。


 ×  ×  ×


 模型部、部室。


 窓から校庭の様子が見える。


『あれはハンター!』

 と、疾風。


「ハンター?」


『はい、我々エーテル体を捕食する生物です』


 触手生物。模型部の窓にとりつく。


「フヒヒッ、気持ち悪いでござる!」


「疾風! 戦える?」


『任せてください!』


『コルデも行くなの!』


 飛び出す疾風と、ミセリコルデ。


 部室に残された翠とコビ子、ベイズラード。


 翠、ベイズラードに近づき。


「ベイズラード。二度と人間を襲わないと私に誓って」


『!?』

 となるベイズラード。


「誓って、ベイズラード!」


『そんなもの。我に誓わせてどうなる?』


「誓って、ベイズラード!」


 真剣な顔の翠。


 それを見て、観念するベイズラード。


『……誓おう、人間よ』


「よし!」


 翠、虫かごに入れたベイズラードの拘束を解除する。


『!?』


「ベイズラード。あの生き物はエーテル体を襲うんでしょ? 傷ついたままのあなたがここにいては危険だし、コビ子も巻き込んじゃう。だから貴方は逃げて!」


『……』


 窓から逃げ出すベイズラード。


「コビ子はここで待ってて!」


「フヒヒッ、翠! 気をつけてでござる!」


「うん!」


 飛び出していく翠。


 部室に残されたコビ子。


 何故か今日買ってきたプラモの袋を開けて、組み立てを始める。


 ×  ×  ×


 触手モンスターVS疾風、ミセリコルデ。


 疾風のミセリコルデの優勢。


 触手を切ったり、してどんどん追い詰めていくが。


 ぷしゅううううううううううと、突然ガスを散布する触手モンスター。


『げほげほ……なんなのこれはなの!』


『いけません、これは、アンチエーテルウィルスです!』


 突然動きが鈍くなる疾風とミセリコルデ。


 さらに、触手につかまり大ピンチ。 

 

「疾風! ミセリコルデ!」


『逃げてください翠! このままではあなたまで!』


 そこへ、触手に向かって突然ビーム攻撃が放たれる。


 ベイズラードが戻ってきたのだ。


 そして高機動ユニットを装備しているベイズラード。


 一緒にいるのはコビ子。


「コビ子、ベイズラード! どうして戻ってきたのベイズラード?」


『さあな。我にもわからん』

 と、ベイズラード。


「フヒヒッ。もう誰にもわからないでござるな。だからその理由をみんなで考えてみてはいかがでござるか?」

 と、コビ子。


「フヒヒ、エーテル体励起! ベイズラード、高機動ユニットリンクアップでござる!」


『了解だコビ子! ベイズラード、戦闘を開始する!』


 コビ子の精神エネルギー供給を受け、戦闘力を取り戻すベイズラード。


『こ、この精神エネルギー、すさまじい濃度だ……業が深い』


「フヒヒッ、濃いっていうなでござる!」


 ベイズラード、高機動ユニットの機動性で触手モンスターを追い詰める。


 だが、ガス攻撃だけはどうにもならなかった。


『アンチエーテルウィルス! 高機動ユニットの風で飛ばしてもだめなのか』

 と、ベイズラード。


『物理的な体を持つ生命体ではない……我々と同じエネルギー生命体だったのだ』

 と、疾風。


 絶対絶命の3人。


 そこへ空から雷が落ちる。


 触手モンスターが、雷に打たれて動きを止める。


 アーティファクトが降臨する。


『アーティファクト!?』

 と、3人。


 アーティファクト、3人のもとにテレポートし、


 つぎつぎと、3人の口にキスしていく。


『え?』


『ふげっ!?』


『なっ!?』


 キスされて戸惑う3人。


「フヒー。と、尊いでござる……」


 顔を赤らめる翠とコビ子。


『エーテル体達よ。ウィルスの抗体、ワクチンを注入しました、これで元通りに戦えるはずです』


『本当だ、体が元通りに動きます』


「三人とも、今よ!」

 と、翠!


『おう』

 と、3人。


 3人の合体攻撃で、触手モンスターが大爆発する。


 その光景を見届けるアーティファクト。


 去ろうとするアーティファクト。


『待ってくれ、アーティファクト』

 と、呼び止めるベイズラード。


『アーティファクト! 我は女王への資格を放棄する! そして疾風の臣下となる!』


『……。承認しようベイズラード。だがその理由は何故か?』


『この人間達と一緒に居たくなった。それだけだ』


『……』


 無言のまま空へ消えるアーティファクト。

 

『人間よ。我は二度と人間を襲わぬと誓う。信じてくれるか?』


「信じるわ。ベイズラード」


「模型部へようこそでござるベイズラード!」


 笑いあう全員。


 ×  ×  ×


 アーティファクト、超空間通信で本星と連絡をとる。


『アーティファクトよ。一体のエーテル体を新たに地球に送った。そのエーテル体と協力し、人間に接触し変質したエーテル体を排除せよ』

 と、女王。


『了解しました』

 と、アーティファクト。


 ×  ×  ×


 第5話「それは誰にもわからない」


 エンディング&エンドロール。


□□□□■□□□□◆□□□□■□□□□◆


 ぱちぱちぱちぱち。


 食堂に拍手が流れる。


「これが第5話だ」

 と、俺。


「うーん」

 と、ガーネット。


「なんだ? トイレか?」


「違うわよ! ……ベイズラードって前回あんなにひどいことをしたのに、あっさり味方に受け入れちゃっていいの?」


「それなぁ。なんか脚本のご都合主義を感じるよな」


「戦争で殺しあっていた敵兵を捕虜にして懲罰部隊に組み込み、戦果を上げればそれに恩赦を与え、褒章として市民権を与える。そんなことは過去にあったと歴史の授業で習いました」

 と、ルナリア。


「ですよね? メイド長先生?」


 メイド長はルナリアの家庭教師をしていたな。


「あれ? メイド長先生?」


「そんな……ミセリコルデの唇が……、ミセリコルデの唇が……あんな女に奪われるなんて……」

 と、白目を剥いているメイド長。


 ああ、そっち系だったのかこの人。


「さて、まぁこの5話でこの上映会はお開きにだな……」


「待ってくださいカラスマ様。女王が送った新しいエーテル体が気になります!」


「わからん(気になる)」


「わかったよ……第6話を見るか」

 と、俺。


「待って、カラスマ」

 と、ガーネット。


「あの……お花を詰みにいっていいかしら」


「よし、トイレ休憩を入れて、そのあと第6話だな」


 そういうことになった。


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