第114話 チート能力もブームにゃ勝てない
第114話 チート能力もブームにゃ勝てない
「はいよー、アジシンシ!」
ムトーさんにもらった6本足の馬型ゴウレム、名づけて、アジシンシ。
この世界の名馬アジシンシから名前を貰った。
でもゴウレムだから馬なのか? 名うまアジシンシ、じゃなくて、名ゴウレムアジシンシ?
どうでもいいか。
俺は御者台に乗って、アジシンシで馬車を引いている。
馬車の中にはガーネット、ルナリア、メイド長、ハウが乗っている。
馬車で移動とか貴族っぽいでしょ?
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丘を下ってデニアの街へ。
シズルとマズルに教えてもらった裏道を通ってアリーナへ向かう。
ちょっと治安が悪いけど、疾風に、ガーネット(本物&小さいほう)、メイド長、ハウが居るから平気かな。
バトルアリーナが見えてきた。
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バトルアリーナ露店街。
ついた。どうどう、アジシンシ。
「御前様、つきましたぜ!」
と、御者っぽく馬車のドアを開けてやる俺。
降りてくる御前様、ことガーネット。
バトルアリーナの様子を見るなり……、
「な、なななな……」
言葉を失った。
「なによこれはあああああああああああ!!!」
驚くのも無理は無い。俺も最初は驚いた。
でかいズーランの看板が、前後左右、東西南北、360度にひしめいてる。
ほかにもズーランの等身大フィギュア。
ズーランの1/1ポップ。
ズーランのゆるキャラのきぐるみ。
どこをみてもズーラン、かしこをみてもズーラン。
「なんなのよこれ!!」
と、ガーネット。
「ズーラン様がいっぱいです!」
と、ルナリア。
「バトルアリーナじゃ今ズーランブームが来てるんだよ」
露店はウチの店以外みんなズーラングッズを売っていた。
「どうっスかズラ? こちらズーラン商会のタピオカミルクティーッスズラ!」
と、釣り師フィッシャー。
「ズーラン焼きですよー…ズラ。餡子がたっぷり入っています…ズラ」
と、奏刃のアルタ。
ズーラン焼きはくまさんの顔の鯛焼きみたいなもんだ。
「おや、カラスマ? ズーラン焼きを買いにきたんですか? じゃなかった、ズラ」
「アルタにフィッシャー。お前らが真面目なのは好きだけど、律儀にその口調にしなくてもいいんじゃないの?」
「そういうわけにはいきません…ズラ。商会長様のお達しですので…ズラ」
「まぁいいや、5つ頂戴。中身はカスタードクリームで。あとタピオカミルクティーも5つね」
「3000エンになりますッスズラ。ありあとやんすッスズラー」
ズーラン焼きとミルクティーを皆に配る俺。
「これ……美味しいじゃない」
と、ガーネット。
「くまさん、あまくてふかふかしてます」
と、ルナリア。
「はぁ、とにかくズーランの大ブームが来てるのはわかったわ」
「こんな状況じゃ、スカーレットグッズは売れないだろ?」
「そ、そうねぇ……」
と、若干機嫌を取り戻す御前様。
「でも一体どうしてこんなことに……?」
「それはだなぁ……」
(次回に続く)
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