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あの日々は蒼き春  作者: つきもと みや
8/13

8 過ぎ去りし日の思い出③ ‐日野陽子‐

「日野もクラス会出るだろ?」


 そう言って声をかけてきたのは同じクラスの西内渉だった。彼はかけている眼鏡をグイッと押し上げて陽子を見つめる。


「うん、そのつもり」

「よっしゃ!」


 陽子の言葉を聞き、途端に彼の顔がほころぶ。


「時間と場所はわかってる?」

「さっき他の子から聞いた」

「なら良かった。んじゃ俺バイトあるから」

「うん、頑張って」


 彼はニッコリと笑って教室を後にする。その姿を目で追いながら陽子はため息をついた。

 暖かな日差しが静かな教室に注がれる。季節はもうすぐ春。あの人が卒業してからもう二週間が経っていた。しかし陽子は未だにあの人への想いを断ち切れずにいた。



 陽子が彼女のことを好きだと自覚したのは、あの日。図書室の前の廊下で彼女と話をした日のことだった。去っていく二人の背中を見つめながら、陽子は胸が締め付けられる思いだった。そしてどうしようもなく泣きたい衝動に駆られた。今まで誰を見てもこんな気持ちになることのなかった陽子は、自分が彼女に特別な想いを抱いているのだとその時初めて気がついた。

 それと同時にずっと感じていた違和感がスッと消えてなくなっていくのがわかった。ああ、自分にも恋する気持ちがあったのか。そんなことを思いホッと息をつく。陽子はこの時になってようやく自分を許せたような気がした。


 その日から彼女は陽子を見かけると必ず声をかけてくれるようになった。長い時間話をするわけではないが、それでも陽子にとってそれはかけがえのない時間となっていた。

 そうして話していくうちに、自然と陽子は彼女のことを知っていった。彼女の名前は西条陽菜ということ。今は三年生で、卒業後は美容師の専門学校に通い始めるということ。そして、塚本武という彼氏と付き合ってもうすぐ二年になるということ。

 陽子はこうしたことを一つも忘れることなく記憶に留めていった。



 陽菜は天真爛漫という言葉がよく似合う女の子だった。最初見た時は見た目から大人しい印象であったが、何度か話をしているうちに、それが間違いであるとすぐに気がついた。よく喋りよく笑う彼女は見ていて飽きなかった。コロコロと変わるその表情をいつまでも見ていたい。そんな風に思っては時間の許す限り彼女と会話を続けた。

 けれど時々、明るさの中に寂しさが入り混じったような笑顔を見せる時があった。そんな時決まって陽子の心は悲しく揺れる。この人に寂しい顔をさせているのはきっとあの人しかいない。そう思うと何かあったのかと尋ねることも憚られた。


「今日先輩元気ないですね」


 それはいつものように陽菜と話をしていた時のことだった。帰り道、学校を出た後二人は偶然出会い、そのまま駅まで一緒に帰ることになったのだが、不自然に明るく振る舞う彼女に、ついに耐えきれずそう聞いてしまった。


「そうかな。……でも、うんそうかも」


 さっきまでの無理した明るさはなく、代わりに弱弱しい声で陽菜は答える。


「何かあったんですか?」


 陽菜はスウッと息を吸い込みゆっくりと吐き出す。その様子を陽子はただ黙って見ていた。


「何ってことはないんだ。でもたまにね、波が来るんだよ」

「波?」

「そう。自分は本当に相手に必要な存在なのか……とか。そんな風に考えちゃう時があるんだ」

「その相手っていうのは、彼氏さんのことですか?」


 陽菜はこくりと頷く。それを見て陽子は武に対してどうしようもない怒りを覚えた。きっと先輩のことを大事にできていないからこんな風に先輩を悩ませるんだ。自分だったら、こんな風に辛い思いをさせないのに……。


「大事だから」


 ぽつりと陽菜は呟く。周りには何人もの学生が喋りながら歩いていたが、その小さな声はまっすぐに陽子の耳に届いた。


「だから、こんな風に思うのかも……」


 その一言は陽子に深い傷を負わせた。自分にはそんな顔でそんなこと言ってくれることはきっとこの先ない。それをはっきりと思い知らされた気がした。


「……ああ、嘘ごめん。やっぱなし。今のは忘れて? ね?」


 黙り込む陽子に陽菜は慌てて声をかけた。静かな時間が二人の間に流れる。


「……どうしてですか。その通りだなって思ったのに……」

「本当に?」

「はい」


 陽菜は少しだけ安堵の表情を見せた。そしてそのまま続ける。


「……陽子にもそんな風に思う相手がいるの?」


 聞いて欲しくない一言を聞かれてしまったと陽子は思った。


「……いますよ」

「え、本当に?」

「はい」

「付き合ってるの?」

「まさか……。そんなわけ、ないです」


 付き合えるはずがない。先輩には大好きな彼氏がいる。例え今気持ちを伝えたところで、それがいい結果につながるとはとても思えなかった。


「……でも」

「あの! ……私のことは、その……気にしないでください」


 陽菜はその言葉に対し何か言おうとしたが、結局わかったと小さな声で呟いただけだった。


 元々自分の思ってることを話すのに抵抗があった陽子にとって、陽菜に気持ちを伝えることは容易なことではなかった。ましてや同性であることがなおさら陽子をためらわせていた。陽菜に迷惑をかけたくない、ただそれだけだった。


 けれどその考えが逆に陽菜との関係に溝を作っていたことに陽子はこの時気づかなかった。

 それからも何度か陽子は陽菜と言葉を交わしたが、あれ以来、陽菜が陽子に対して不安を吐露することはなかった。しかし依然として寂しそうな顔は見せていたため、陽子は幾度となく陽菜の相談に乗ろうとしたが、大丈夫の一点張りで陽子もそれ以上何も言えなくなってしまった。


 そして二人の関係は変わらないまま、三年生は卒業の日を迎えた。卒業式の二日前、図書室に向かうと図書室の前には陽菜がベンチに座って携帯をいじっていた。


「先輩……」


 そう呼びかけると、陽菜は顔を上げニッコリと微笑んだ。


「なんとなく、今日は会うような気がしてた」


 そんな風に言われると勘違いしそうになる。陽子は思わず自分の首元を触り、軽く下を向いた。


「もしかしたらもう会えないかもしれないって思ってました」

「え、ああ。卒業式あさってだもんね。あたしがいなくなると寂しい?」

「……そうですね」

「え、本当? ……あたしもね、陽子に会えなくなると思うと寂しいな。……あ、そうだ」


 陽菜はおもむろに立ち上がり上目遣いで陽子を見て言った。


「連絡先教えてよ、最後だしさ」

「あ……はい」


 陽菜からの思いもよらない言葉に陽子は驚いた。それはずっと陽子が聞きたくて聞けなかったことだったからだ。しかしそれをいとも簡単にやってのける陽菜を見て、切なさで胸が苦しくなった。


「よし、これで寂しくないね」


 無邪気に笑う姿が陽子を苦しめる。卒業後も彼女と繋がれるという喜びよりも、どうせなら知らないままでいたかったという気持ちの方が今では大きくなっていた。あんなに聞きたくて仕方がなかったはずの連絡先もあまり嬉しくはない。


「でも良かった。てっきり断られるかなって思ってたんだ」

「え、どうしてですか?」


 一瞬どきりとする。心の中を覗かれた思いだった。


「だって陽子……自分のことは何一つ話してくれなかったから」


 陽菜が何を言っているのか陽子にはわからなかった。もしかしたら自分の気持ちがバレていたのだろうか。陽子の額に一筋の汗が流れる。


「自分のこと……話してますよ。昨日何してたかとか、好きな本とか映画とか」

「そうじゃなくて……。前に陽子、あたしの顔見て何かあったんですか? って聞いてくれたことあったでしょ? あの時凄い嬉しかったの。だって、自分から話を聞いてもらうことはあっても、様子がおかしいことに気づいてそんな風に聞いてくれた人今までいなかったから」


 それはきっと自分が先輩を純粋な気持ちで見ていなかったからだと、つい口に出して言ってしまいそうになる。


「けど、逆に陽子はあたしが聞いたりしても、気にしないでくださいなんて言うからさ……。あたしじゃ頼りなかったかなとか、あたしには言いたくなかったのかなとか思って……」


 ただ単純に、先輩のことが好きで嫌われたくなかっただけだったのに……。陽子は自分のことよりも陽菜のことを考えていたのに、結果として辛い想いをさせていたことに気付かなかった。勝手に伝えるべきでないと判断して距離を置いたことがこんなことになるとは思ってもいなかったのだ。結局陽子は陽菜のためと言いながらも、自分が拒絶されるのが怖かっただけなのだとわかり、自分が酷く恥ずかしい存在に思えた。けれど今更陽菜に悟られてから気持ちを伝えるのと、自分の意思で伝えるのでは全く意味が違ってくる。気持ちを伝えるタイミングを完全に逃してしまった陽子はもうどうすることもできなかった。


「そんなことないです。ただ……自分のこととか思ってることとか、人と違った考えなのが怖くてあんまり言えなくてそれで」

「……そっか。でもさ、誰かひとりでも自分の本当の気持ちだとかそういったこと言える相手がいるってだけで大分違うと思うよ。だから」


 陽菜は陽子の目を真っ直ぐに見つめて言った。


「そういう相手ができるといいね」


 優しく笑いかける彼女を見て、彼女自身が深く傷ついていることがわかった。わかっていて、陽子は何も言えなかった。

 そしてそれが陽菜との最後の会話になった。



「――の、日野、おい日野っ!」


 誰かの声でふっと我に返る。顔を上げると、クラスで目立っていた男子たちが肩を組み、最近流行りの曲を熱唱していた。周りの子達も一緒になって盛り上がっている。それを見て陽子はクラスの皆とカラオケに来ていたことを思い出した。


「大丈夫か? さっきから何か変だぞ?」


 陽子に声をかけていたのは渉だった。彼は陽子の隣で心配そうに見つめている。


「ああ、うん、大丈夫。ちょっとボーッとしちゃってて」

「具合悪いんじゃないか?」

「あー……そうかも」


 そう答えると渉はちょっと待っててと陽子に伝え、その場から離れた。

 陽子は自分でも気づかないうちに陽菜のことを思い出しては、あの日々を反芻していた。もうこれで一体何度目だろうか。陽子はさっき頼んだ烏龍茶を手に取り、沈んだ気持ちと一緒に勢いよく口に流し込もうとした。けれどやはり気持ちまでは変わらず、渇いた喉を潤すことしか出来なかった。


「よし、具合悪いならもう帰ろう。俺途中まで送るよ」


 渉は陽子のもとに戻ってくるやいなや自分のカバンを手に取り、陽子の腕を掴んだ。


「え、でも……」

「大丈夫だって、いま日野が具合悪そうだから先に帰るって幹事のやつに言って来たから」


 よし、行くぞ! と彼は陽子の腕をそのまま引っ張り部屋を後にした。周りの皆は二人が出て行ったことで少しざわついていたが、それを気にすることなく彼はズンズンと歩いて行った。


 店を出て少し歩いたところで渉は陽子の腕を離す。離した手をそのまま口元へと持っていき、照れた様子でごめんと謝った。


「ううん、それよりごめんね。西内くんまで巻き込んじゃったみたいで」

「いや、巻き込んだのは寧ろこっちだから……。ごめんな勝手なことして」

「そんなことないよ、正直助かった。ありがとう」


 すると渉はますます照れた様子で良かったと小さく返事をした。そんな姿を見ながら、陽子は渉のこういった優しさにいつも助けられているなと感じていた。

 放課後陽子にいつも声をかけてくれていたのは渉だった。何度か誘いを断ってしまった時にも、彼は笑ってまた誘うよと言ってくれていた。そんな風に気にかけてもらえていなかったら、クラスの皆とも今以上に距離が出来ていたかもしれない。彼のような優しい人がいてくれて良かったと陽子は心から思った。


 駅に着くとちょうど陽子の乗る電車がホームに着くところだった。目の前で電車が止まり扉が開く。陽子は電車に乗り込み、後ろを振り向いた。そして渉の顔を見つめて言う。


「今日はありがとう。それじゃあ……」

「日野!」

「何?」

「二年でも……。二年でも同じクラスだといいな」

「そうだね、そしたらまたよろしくね」

「ああ」


 ちょうどその時二人を遮るように電車の扉が閉まった。陽子は扉の向こうにいる彼に手を振りながら、先輩のいない学校生活はきっと楽しくないだろうなと考えていた。



 二年に上がり渉とはクラスが別になった。他にも去年のクラスでそれなりに仲良くしていた子達皆とクラスが離れてしまい、ほんの少しの不安を抱えながら陽子は新しいクラスで何とか毎日を過ごしていた。

 そんな中でよく話をするようになったのが真田シュウという、一見取っ付きにくそうな男の子だった。不思議と何度席替えしても彼とは席が近くになり、それもあってかシュウとの仲もドンドン深まっていった。シュウは他の人と違い話しやすく、そして陽菜といた時のように緊張もしない。そのため陽子にとってシュウの側はとても居心地の良いものであった。こうして陽子は陽菜のいなくなった学校でも自分の居場所を見つけることが出来た。


 そして毎日が楽しいと感じ始めていたある日、久しぶりに廊下で渉と会った。彼は陽子を見つけると満面の笑みで近くに駆け寄って来た。


「久しぶり!」

「うん、久しぶり。クラス違うとなかなか会えないよね」

「それもだけど、遊びに誘ってんのに日野が付き合い悪いからだろ?」

「ごめん、今度は必ず行くから」

「ったく、絶対来いよな。てか最近忙しいの?」

「んー、というよりはクラスの友達としょっちゅう遊びに行ってるだけなんだけどね」


 その時、渉の眉毛がピクリと動いた。


「……友達って、女の子?」

「ううん、男の子」


 渉は目を大きく開き、驚いた様子で陽子を見る。


「へー、そっか……。仲良いヤツ出来たんだな。良かったじゃん」

「……ありがとう」


 その言葉とは裏腹に彼の顔は引きつっていた。陽子が訝しんでいると意を決したように彼が続けて言った。


「あ、のさ。その……今日の昼休みにちょっと会えないかな。話したいことあって……」

「わかった、どこに行けばいい?」

「俺がそっちのクラスに行くから日野は待ってて」


 そう言うと渉はそのまま駆け足でその場を去っていった。彼のいつもと違った様子にまさかと思いつつも陽子は自分の教室へと戻った。けれど陽子のその予想は見事に当たってしまう。


「俺、一年の頃から日野のこと良いなって思ってて……」


 こうなるような気がしていた陽子は特別驚いた様子もなく、彼の告白を黙って聞いていた。

 彼に誘われ教室を出たあと、屋上へと繋がる階段を登りきったところで彼は歩みを止めた。人気はほとんどなく、二人だけの時間が流れる。


「気持ちは凄く嬉しいんだけど……。ごめんなさい」

「そっか……。他に好きなヤツでもいるの?」


 そう聞かれ、陽子の頭には陽菜の顔が浮かんでいた。まだ陽菜のことを忘れられずにいた陽子は小さく頷く。


「やっぱりか、そんな気がしてたよ」

「え?」

「あれだろ? 最近一緒に遊んでるっていう……」

「あ、いや、違うよ! 全然違う人……」

「違う人?」


 渉は少し考えるような顔つきになって遠くを見る。それから目線を陽子に戻して笑いかけた。


「何となく他のヤツに比べたら日野とは仲いい方だと思ってたんだけど、そうでもなかったかな」

「そんなこと……」

「日野が好きなヤツとか全然わかんないしさ。まあでも言えて良かった、ありがとな」


 そのまま渉は一人階段を下りていった。

 彼の後ろ姿を見つめながら、正直に自分が好きになった相手は女の人だと言えなかったことに後ろめたさを感じていた。



 教室に戻るとなぜだか周りからの視線を感じた。どうして見られているのかわからず不審に思いながら席に着くと、隣の席に座っているシュウもチラチラと陽子のことを見ていた。


「何? 私の顔になんか付いてる?」

「え、いや。別に……」


 何それ、ちょっと感じ悪くない? その時ガラガラッと教室のドアが開いて先生が中に入ってきた。それを見て陽子は仕方なく顔を前に向けた。

 その日の放課後、陽子はシュウに一緒に帰ろうと声をかけた。すると彼は一瞬驚いた表情を見せたが、ああと言ってカバンを持ち、椅子から立ち上がった。

 シュウもまた陽子と同様に部活には入っていなかった。そのため最近はいつも一緒に帰っていた。さっきの態度は気になるが、いつまでも引きずるのは良くない。そう思い今日も彼を誘うことにしたのだった。

 帰り道、いつもより幾分か大人しいシュウに陽子は戸惑っていた。昼休みからおかしい様子の彼に訝しんでいるとシュウの口が開いた。


「……お前今日の昼休みさ、告られてたんだって?」

「え? なんで知ってるの?」

「うわ、マジだったのかよ……」


 あの場所には他に誰もいないと思っていたけれど、ひっそりと誰かに聞かれていたのだろうか。だとして、もしあの場で本当のことを言っていたら……。そのことを考えただけで背筋がゾッとした。


「何か、クラスのヤツが男子に誘われてどっか人気の少ない方にいなくなったって言うから……」

「そんな言い方されるといかがわしいことしてるみたいだな」

「ああ、確かに。してたのか?」

「してるわけないでしょ!」

「ははっ! まあでもそれ聞いてクラスの連中は告白されてんじゃねえかって言ってたから、俺もそうかなとは思ってたんだけど。聞いてみたら見事当たりだったってわけだ」

「……」

「んで、告白の返事は?」

「告白は断ったよ。てか、一緒に帰ってる時点でなんとなくわかんないかな」

「お前の場合、付き合っても友達は大事だからとか言いそうだなと思ってさ」

「何それ。そんなことないよ、多分」

「ふーん」


 何だ、ただ教室から出ていくところを見られていただけか。陽子はそれを聞き少しホッとした。

 だけどシュウにだったら……。


「つーか、なんで断ったわけ?」

「それは……」


 ――そういう相手ができるといいね

 不意に陽菜の言葉が頭を過ぎる。もしかしてシュウなら、シュウにだったら本当のことを話せるかもしれない。自分の恋愛対象にない男の人だったら、自分のこと……。

 言うとしたらきっと今しかない。でももし拒絶されたら……?

 不安がないと言ったら嘘になる。それでも先輩に言えなかった情けない自分を思い出し、陽子はぐっと両手を握り締めシュウを見つめた。


「わ、私が……女の人が好きだから」

「え?」

「私ね、女の人が好きなの」


 シュウがこれからどんな反応を見せるのかはわからない。それでもシュウには言っておきたい。その思いから陽子はシュウにそう打ち明けた。

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