39話 高校2年!
4月に入り、1週間が過ぎた。
今日は始業式。僕は、高校2年生になった。
「おはよう、連宮君」
「おはよ、三上さん!」
駅の前で三上さんに会って、一緒に学校に行くことに。
ああ、なんて楽しい。
「連宮君、ご機嫌だね」
「か、顔に出てた?」
「うん、すっごく出てた。何かあったの?」
うーん……そう聞かれると、なんとも答えにくい。
色々あったから、こんなに晴れやかな気持ちでいられるのだ。
「去年初めて何人も友達ができて、部活にも楽しく参加できて……去年の入学式の気持ちが嘘ってくらい、楽しいから!」
「なるほどね。よし、今年も部活、頑張ろうね!」
「うん!」
学校に近づくと、ちらほらと生徒が見えてくる。
よし、今年度も全力で楽しもう!
◆
生徒用玄関を入ってすぐ目に入ってきた、4つのホワイトボード。
──もしかして!
靴を脱いで上履きを履き、三上さんとホワイトボードに駆け寄る。
「やっぱり! クラス分けの紙だ!」
「おお、ホントだ。こっちの2つが2年のだね、どれどれ……」
1組から順に見ていく。
1組にはない。2組にもない。3組には──
「お、あった!」
「あった! ……え、三上さんも!?」
「連宮君も3組だね。また1年間よろしくね!」
「うん! ……あ、根原君!」
生徒用玄関から入ってきた根原君を見つけ、声をかける。
上履きを履いて、ホワイトボードの前に来てくれた。
「おはよう、連宮君、三上さん。さっきの会話、少し聞こえたんだけど……もしかして知らなかったかな」
「え、なにが?」
「クラス分けのこと。2年に上がる時は文系と理系で分かれるからクラス分けがあるけど、3年に上がる時はないんだよ」
「え、そうなの!?」
まったく知らなかった。どこからそんな情報を──って思ったけど、よく思い返してみたら、シラバスか何かで見た覚えが。厚いからほとんど読んでないし、憶えてなくても仕方ないと思う。
「じゃあ改めて。──2年間よろしくね、連宮君」
「うん、よろしく! あ、でも……根原君は理系だから、別のクラスかぁ」
「そうだね。お、あったあった。2年9組だ、高波さんの名前もあるね」
仲の良い人の名前を見つけたからか、根原君、少し嬉しそう。
よし、それじゃあ……
「早速教室に──……あ」
ホワイトボードから離れて教室へ行こうとしたところで、視界の隅に月夜野君を発見。
──見覚えのある女の子と歩いている。確かお正月に、月夜野君と一緒に歩いてた人。
「連宮君、どうかした?」
「あ、う、ううん。なんでもないよ。よし、教室に行こっか」
なんでこんなにガッカリしてるんだろ、僕。
◆◆◆
「担任の水面です、よろしくお願いしますね」
担任の先生、優しそうな女性。厳しそうじゃなくて、割とホッとしている自分がいる。
先生に怒られた経験なんてないけど、少しは不安になるのだ、俺だって。
「1つ席が空いているので分かると思いますが、このクラスに転入生が入ることになりました。どうぞ、入ってきてくださーい」
先生の言葉で、教室右前方のドアが開き、生徒が入ってくる。
少しスカートが長め(校則通り)でショートカットの、女子生徒。
俺の4つ前の席で、高波さんが『ほぉ~』とため息を漏らしていた。
──確かに、可愛い。
俺がそう思うくらいだから、かなり可愛いのだろう。
化粧はしていないっぽいけど、目はパッチリとしていて、後ろの席から分かるくらいにまつげが長い。
校則通りの長めのスカートが、清楚な雰囲気を引き立てている。
「では、自己紹介お願いしますね」
「……はい!」
よく通る声で、はっきりと返事をする転入生。
そこで俺は一つ、気付いてしまった。
「月夜野美月です、よろしくお願いします!」
この女子生徒が、『嘘を吐いている』ということに。




