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桜の舞う頃に  作者: 銀命
二年 一学期
60/79

避難訓練

六月


授業中も江藤さんを観察し()ていたからだろうか。この前の中間試験では結構酷い結果だった。

いや、別に江藤さんが悪いとは言わないよ?言えないよ?

ただ一年の頃も江藤さんに思いを馳せたり江藤さんノートを作ってたりしていたから、どちらにせよあまり話は聞いていなかったんだけどなぁ。

むしろ今では江藤さんが同じクラスにいるから授業中は江藤さんノートが作り辛い分話を聞いていると思うんだけどな。

そんな事を思う今日この頃。


それはどうでもいいんだけど。いや、どうでもは良くない。

とにかく閑話休題。

来週から一年生達が移動教室へ行く時期だ。もうあれから一年が経ったのか。光陰矢のごとしとはよく言ったものだ。本当そう思う。

そんな時期に避難訓練がある。詳細は知らないけど。

一年の時からあったけど、今年の避難訓練は格別だ。

江藤さんが同じクラスだからな。普段とは違う一面が見れる・・・気がする。

一年の時はクラスの位置関係的に見れなかったんだよな。大原の情報もあるけど、百聞は一見にしかず。要は江藤さんを少しでも眺めたいだけだけど。


二校時目。

それは始まった。

きっかけは一つの放送からだった。


「避難訓練。避難訓練。地震が発生しました。安全が確認できるまで生徒は机の下へ隠れてください。」


ただの避難訓練だね。すっかり忘れてたけど。

とりあえず放送通り机の下に入る。

さて、江藤さんは...机の下にいた。本を持って。

流石に実際の際にはやらないよね?

いくらなんでもあれは危険じゃ...何かあったら僕が犠牲になるけどさ。いや、江藤さんなら大丈夫な気もするんだよなぁ。

というか周りも気付いていながら何も言っていない。やはり江藤さんだからか。

しばらくして校庭へ行くように言われた。

江藤さんはそのまま本を持っていこうとしていた。

やはりか。

そう思われたその時、一人の男子が江藤さんに囁いた。

なっ、あいつ...ずるい。そして誰だっけ?

たしか二年最初の日に入り口で話しかけてきた奴だ。学級委員もしていたはず。名前は・・・まぁいっか。

む。距離と回りの雑音のせいで何を言っているのか聞こえない。

それを聞いた江藤さんは、少しの間考える素振りをみせると本を置いて行った。

江藤さんが、だ。あいつ、本当に何を言ったんだ?

それにしても江藤さんの考える素振りも綺麗だった。なかなか見れないレアな光景だった。

これだけでも今日学校に来た意味がある。


その後、僕達は校庭へ移動した。

先生の話を聞くために。違うか。より安全な場所へと避難するために。

でも実際毎回おんなじだからマンネリ化しつつある気がするんだよなぁ。

まぁそうそう緊張感のある訓練にも出来ないってのが実状なんだろうな。

そんな事を考えていると先生が話始めた。

今回は珍しく江藤さんが話を聞いている。

いや、いつも聞いてはいるか。いつも後で聞くとちゃんと一言一句違わずに覚えているし。むしろ僕なんかよりよっぽどちゃんと聞いている。というか記憶力が凄い。

それが今日は本が無いだけだ。

いや、だいぶ大きいか。

今まで僕が江藤さんん視界に入れた時に本がいなかった試しがない。

まさかこんな日が来るとは。




放課後

いつものように江藤さんに纏わり付き、避難訓練の一件について聞いてみた。

どうやら彼はこう言ったらしい。


「今日はブックカバー付けていないし、風強いから本が汚れるよ。」


と。

こいつ...敵か?

ちなみに次の日から江藤さんの常に持ち歩く品にブックカバーが加わったのは当然か。

避難訓練は大切です。決して本を読みながら行ってはいけません。

・・・私はしてましたけど。

そんな訳で避難訓練をいれてみました。

あの男の子...名前は出てくるのでしょうか?

ちなみにまだ決めてません。

名前を考えるのは苦手です。

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