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桜の舞う頃に  作者: 銀命
二年 一学期
57/79

部員が増えました

結局上条君が居なかったお陰でその日一日は心安らかに終わった。

というか話を聞いて三十分もしたら完全に記憶から消え去ってた。

いやぁ、今日もまた江藤さんを見ることができて幸せだったわー。

というわけでその日は良かったのだが、次の部活にはちゃんと来ていた。

あれ 、復活早かったな。自尊心がどうとか言ってしばらく来ないかと思ってたのに。

まあ活動中は静かになるだろうから別にいいや。



そう思っていたのに今日の上条君はいつも以上に五月蝿かった。

打ちながらブツブツ文句を言ってくるのだ。

何言っているかは聞こえないけど。

たまに遠藤とか聞こえるから多分彼についてだろう。

気が散るから静かに出来ないかなぁ。

今になってようやくこの静かさのありがたみか分かった気がする。


それが十分も続いただろうか。

流石に迷惑に思い始め、どうしようか悩んでいた。

五月蝿いのは何とかしたいけど彼とまともに話せる気がしない。

そう思っていた頃だった。

部室のドアがバンと急に開き、一人の人物が入ってきた。

ドア壊れてないかな。

そう思ったがよくよく考えると宮野先輩もよくああして入ってきてたから大丈夫かな。

いや、逆に先輩がやり過ぎていてドアが脆くなっているかも...

そんなどうでも良いことを考えているうちに入ってきたやつは上条君に掴みかかっていた。

いや、どうでもは良くないか。

入ってきた彼は大柄で、身長も高いが制服は乱れていることもなく、むしろ清潔そうな印象だ。

やっぱりだいいちたは大切だな。うん。


「お前ふざけやがって!今度は人の物取ったらしいな!お前という奴はいつもいつも...」


多分彼は話に聞く遠藤君だろう。

言動からしてそんな気がした。三上さんの証言と一致している。

というか上条君、また何かしたのか。

いい加減にすれば良いのに。何がしたいのだろう。


「喧嘩はそこまで。君は遠藤君かな?まずは何があったのか話しなさい。」


さゆり先輩が彼らの間に入って行った。

おぉ、さゆり先輩が部長らしい。

いや、まあちゃんと普段から部長としての役割はこなしているのだが、こんな先輩は初めて見た気がする。何と言うか頼れる感じ、というのだろうか。

僕の印象としては影から支えるという印象だったからな。ちょっと意外だ。

少し冷静になった遠藤くんは少しずつ話し始めた。

何だかんだで無駄も多かったので纏めると、上条君に無理矢理物を取られて泣いていた子がいたらしい。

短っ。彼が五分近く掛けて話した内容は何だったのだろう。

ちなみに取ったの自体は彼の取り巻きがやったらしいけど、命令したのは彼らしい。

どこまで小者感出したら気が済むのだろう。

というか何を取られたのだろう。地味に気になる。

話を聞いたさゆり先輩はドアの外を指しながら、


「そう。ちょっと二人とも。私とお話しないかしら。ここじゃあ皆の迷惑だから、廊下でね。」


と言った。

セリフは提案だが、無言の圧力が断るのを封じている。

彼らは大人しく付いていくだけだった。

恐っ。前も思ったけどさゆり先輩って何者何だろう。

というか何か寒いと思ったらドア開けっ放しじゃん。どおりで。


五分くらい経っただろうか。

彼らが戻ってきた。

何を言ったのだろうか。彼らがすっかり大人しくなってるし。

さゆり先輩は後ろ手にドアを閉めてから言った。


「という訳で遠藤君も文芸部員となったから。よろしく。」


え。

いやいや、何ちゃっかり勧誘してんの。

そしてよく入部したな、遠藤君も。

何だかさゆり先輩がどんどん危なくなってきました...

お話のイメージとしては某マンガの理事長先生の感じです。

というわけで遠藤君も部員になりました。

それではまた次回で。

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