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桜の舞う頃に  作者: 銀命
二年 一学期
55/79

大原視点 俺の友人/クラスメイト視点 可愛い彼

中学生になってから俺の友人がおかしくなった。

もともとどこかおかしな所があったのだが、中学に上がってからよりおかしくなったように思う。

中学に上がってからというよりも江藤琴音と出会ってから、の方が正しいのだろう。


入学式の日。

俺が学校へ行くと、そこにあいつがいた。

声を掛けようと思ったが、よく見るとぼーっと何かを見つめていた。気になって何があるのかとあいつの視線を追ってみたらそこには一人の女子がいた。

いや、まぁ途中にもほかに人はいたのだが、あいつが見ていたのは明らかに彼女だった。

というかあそこまで思いっきり見惚れるとはなかなかにすごいと思う。

しかもその子は見られていることに気が付いていなかったのだからこれまたすごいとしか言い様がない。

少なくとも俺が来てから三分ほどが経ったころ、ようやくあいつが動いた。

正確には彼女が動いてそれによってあいつも動き出したといった様子だったが。

ここまで見れば何が起きたのかは一目瞭然だろう。

一目惚れだ。

あいつはもっと冷めたキャラだと思っていたから少し意外ではあったが。


彼女は俺と同じクラスだった。

江藤琴音というらしい。

朝からあんなところで長時間見惚れていたからだろう、あいつのことがだいぶ噂になっていた。

ついでだから彼女についても少し情報を集めてみた。

しかしどうやら彼女は今年からこの町に来た子らしく、ほとんど情報は無かった。

だがまぁ彼女は俺の目から見ても結構可愛い方だと思うぐらいだが、彼女が壁を作っていて周囲の奴は彼女に声をかけるのを躊躇っているようだ。


帰り道にあいつに声をかけてみた。

予想通りあいつは一目惚れで間違いなかった。

軽く鎌を掛けただけであっさり引っかかった。単純すぎだろう。そこが良いところでもあるのだが。

だが過去に一度引きこもったからだろうか、すぐに引きこもろうとするのが厄介だな。一体お前を引きずり出すのがどれだけ大変だと思ってる、まったく。

仕方がないから情報収集で引き留めといた。

というかあいつの目がなんかストーカーのような目になってた。

彼女、大丈夫だろうか。


それからしばらくして俺にも彼女ができた。

もともとあいつのための情報収集のために近寄ったのだが、話しているうちに気が合って、と言うやつだ。

もちろん自分自身でも情報を集めてはいるのだが、やはり女子のことは女子の方がいろいろ詳しかったりする。今でもきちんと情報は貰っている。

それにしても彼女は可愛いな。うん。

何となくあいつの気持ちが分かったかも知れない。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



私のクラスにいるカズ君はとても可愛いのです。

顔はもちろん、表情豊かなところでしたり、ちょっとした仕種がとても可愛らしいのです。

でも少し残念なのは彼は隣のクラスの江藤さんが好きだという事ですね...

別に私が彼とお付き合いしたいというわけではないのです。そんなことはとても恥ずかしくて出来ません。

けれども彼の思いがほんの少しでも私に向くことはないと分かってしまうとどこか残念で仕方がないのです。一途なところは可愛らしいのですが。


この間あった体育祭を覚えていますでしょうか。

カズ君は運動神経があまり良い方では無いようで、それでも必死に走っている様子は今思い出しても悶えてしまうほど可愛らしかったのです。

それでも勝てなかったときのカズ君のがっかりした様子も可愛らしいのですから女子の私としては羨ましいです。

カズ君が負けてくれたお陰と言っては不謹慎でしょうが、この時初めてカズ君とお話しでき、とても胸が高鳴りました。

あの時のカズ君の言ったは今でも覚えております。

「心配してくれてありがとう。僕は大丈夫だよ。それよりも勝てなくてごめんね。」と文字にするとたったの三十三文字でしたが私を心配させまいとの心遣いが見えるとてもやさしい言葉です。

とても心の温まる言葉ですね。

さすがカズ君です。


先日の移動教室の時カズ君に関するある噂が流れました。

カズ君が告白した子をこっ酷く振ったとのことです。

もちろん振ったという部分は疑いようがないでしょう。なにしろ彼は江藤さん一筋ですから。

けれどもこっ酷くという部分がとても気になりました。

彼はとても優しいのです。そんなことをするわけがありません。

気になった私はその様子を見ていた子に話を聞きました。

けれどもカズ君に非は無いように思えます。むしろ告白したというその子の態度の方がひどいように思いました。

その上彼女はカズ君になにやら仕返しを企んでいるらしいのです。

これは、何がなんでも防がねばなりません。カズ君の身に何かあってからでは遅いのです。

そうと決まれば善は急げですね。



「あなた...カズ君に振られた腹いせに仕返しをしようとされているようで。」

「そうよ。私をあそこまで傷つけた彼を放っておく訳にはいかないもの。」

「そうですか...そう言えばあなた、以前苛めを行われていた事もおありではなかったかしら。その様な事がお父様に知られれば、お父様はどう思われることかしら。」


彼女はあまり知られていませんがかなりのお父様っ子だったはずです。ですのでこの様に言えば効果は大きいでしょう。

予想通り彼女は顔色を変えられました。

後はこのまま畳み掛ければ大丈夫でしょう。

今日もまた、カズ君が心安らかに過ごせるでしょう。

カズ君の幸せが私の幸せなのです。

いろんな人から見たカズについてです。

時期としては一年の夏休みあたりとなります。

本人の知らないところでカズは今日も守られている的な話のはずだったのですが、気がついたらこうなっていました。

それではまだ次回で。

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