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桜の舞う頃に  作者: 銀命
一年 三学期
44/79

発行準備

一月中旬

僕は部室に来ていた。

というか部長さんに強制呼び出しされた。

流石に無視しようとは思わないけど、もし無視でもしようものなら何をされるか分からない。例えば校内放送を使って呼び出しとか。家に来るとか。


まぁそれは良いとしてなぜ呼び出されたか。

それはもちろん分かり切っている。

部長さんが勝手に増やした部誌の発行についてだろう。

今回は珍しく早めに書き終わっている。

自分で珍しくとか言っちゃうところが悲しいところだけど。

しかもこれでも他のメンバーよりも遅いというのも悲しいところだ。

他のメンバーが優秀すぎるのだ。僕はいたって普通のはずだ。

前にこの状況が悲しくて大原の奴を誘ってみたけどやんわり断られた。

そんなに嫌なのだろうか。


また話が逸れた。

それで、今は廊下を歩いている。

あ、ちょうど着いた。

江藤さんはもういるはず。さっきクラスをのぞいたらもういなかったし。

実際ドアを開けたらそこに江藤さんはいた。

江藤さんだけがいた。


えっと...どうしよう。

別に今更話しかけるのを躊躇するわけじゃないけど、なんか気まずい雰囲気だ。僕が何かしたわけではないが。ないはず...

大丈夫だよね?知らず知らずのうちに気に障ることをしていたりとかは無いよね。

ただ江藤さんが本を読んでいるせいで僕が入ってきたことにすら気づいていないだけだよね。

...それはそれで傷つくけど。

その時後ろから伊藤君がやってきた。

あ、しまった。せっかく江藤さんと二人きりだったのに。時間を無駄にしてしまった。

江藤さんを眺めることができたからまぁいっか。


その後も続々とやって来た。

とはいっても大して人数はいないんだけど。

というかこの部って来年はどれくらい人が来るのだろうか。

あまりにも少なくて廃部とかは残念過ぎる。

江藤さんと過ごせる時間が減るじゃないか。

最後に部長さんがやってきたところで江藤さんが本を読むのをやめた。

あれっ?もしかして僕が来たことにも気づいてた?

うわぁ、失敗した。

だったら話しかけておけばよかった。

まぁ今更どうしようもない。覆水盆に返らず、だ。いや、後悔先に立たずかな。

どっちも似たようなことか。


「さて、今日も全員揃ってるな。じゃあ今日の予定を話すぞ。今日は原稿の印刷が終わったからこれを製本するぞ。前回までは私とさゆりでやったが、今年度はこれで最後だからな。引継ぎとかの意味も込めて今回は全員でやるぞ。」

「単に二人でやると時間が掛かりすぎて面倒になっただけでしょうに。」


部長さんが顔をそらした。図星か。

というかどうせだったら製本まで業者さんに頼めばいいのに。

そういうと部長さんが怒った。


「そんな事したら私たちのやることが何も無くなっちゃうじゃないか。気分が出ないだろう。」


そんな物だろうか。

面倒だと思うくらいならば頼めばいいのに。

まぁ部長さんと副部長さんの二人で終わらないこともなかったのだ。

五人もいればすぐだろう。



「よし、じゃあやり方を言うぞ。別に分かる奴は先にやってていいぞ。とは言ってもそんなに作業があるわけじゃないがな。紙を順番に重ねて、端を千枚通しで穴をあけて最後にひもで結べば完成だ。これを三百部作ったら完成だ。五人いるから一人あたりは六十部だな。今日は終わった奴から帰っていいぞ。」


なに!それでは江藤さんとタイミングを合わせるのが大変じゃないか。

分かっててあえて言ったのか?いじめだ。パワハラだ。

まぁぐだぐだ言っても仕方あるまい。あの人のことだ。何を考えているかはよく分からない。それに江藤さんより早く進めておけばいくらでも調整はできるだろう。


三十分経った。

今のところ副部長さんが一番多く、三十部くらいできているだろう。

僕は十二部だ。あっれ~おかしいな~。江藤さんはもう二十三部出来てるのに。

なんでこんなに差ができているんだろう。

ちなみに部長さんはようやく四部目だ。この人はこの人で大丈夫なのだろうか。

このペースで行くとあと七時間はかかるぞ。

まぁ人の心配はしていられない。自分の分を急がなくては。



一時間半経った。

現在副部長さんは自分の分を終わらせて部長さんの分をやりだした。

そのおかげでもうそろそろ終わりかけている。卑怯だ。

江藤さんは五十七部目だ。まずい、もう終わってしまう。

僕は四十部目だ。あ、もうこれ無理だな。間に合わない。

人間諦めたらそこで終わりだと言うがこれはもうどうしようもないだろう。



二時間経った。

終わった...

ようやく終わったよ。

周りを見渡す。

誰もいない。

酷いよ...部長さんは副部長さんの手を借りてるし、そのくせ副部長さんは僕の分はやってくれないし。まぁ副部長さんを責めるのはお門違いだろうけど。

伊藤君はいつの間にかいなくなってた。きちんと完成した六十部を残して。一体いつの間に・・・


結局僕は一人で帰ることになった。

みんな薄情だ。どうせ僕の事なんて...

まぁ江藤さんは何か予定でもあったんだろうけど。あの心優しい江藤さんが人を見捨てるとは思えないし。

そう思って帰ることにした。

僕の記憶によれば今日は特に予定はなかったはずだけど。

ちなみに発行編はありません。

準備だけです。

だってただ配って終わるし。ひと悶着起きるぐらいだし。

流石にそれで一話使うのは...気が向いたら書こうかな。

それでは気が向かなければ次はちょっと飛んで合唱コンですね。

一気に現実時間を超えますね。

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