遊園地4
部長さんたちと別れて十五分くらい経っただろうか。
大分気分も落ち着いてきた。
もうそろそろ大丈夫だろう。
そう思い江藤さんに連絡を取ろうとスマホをだした。
・・・あれ?
電源がつかない。
というか電源を落とした記憶が無いんだけど。
もしかして...あーうん。
万が一江藤さんからメールでも来たらすぐに返事ができるよう常に見てたんだっけ。
それで充電してなかったから...
絶対これだ。
むしろよく今まで持っていた方だと思う。
連絡を待っていて取るべき時に取れないとは。
なんという不覚。
なんて余計なこと考えてる場合じゃなかった。
これからどうするよ。
連絡は取れないからまず合流は無理だろう。人も多いし。
とはいえ合流しなければどうしようもない。
電話は・・・だめだ。番号を覚えていない。もともと記憶力は無いし。
かといって迷子センターだけは絶対嫌だ。
流石に中学生は、ねぇ。
せめて小4ぐらいまでだ。僕としては。
となればこちらから探しに行くしかないだろう。
幸い手元にパンフレットがある。
地図ならそこにのっているからとりあえず部長さんの行きそうなところから順に探そう。
とはいえあの人が行きそうなところってどこだろう。
一番最初にジェットコースターを選んだところから絶叫系だろうか。
あとお化け屋敷とかも行ってそう。
しかしまだそこまで時間が経ったわけじゃないからそんなにうろうろはしていないだろう。
多くて三つだ。
となると効率を考えてこのあたりだろうか。
取りあえず行ってみよう。
ということでまず初めに一番近くにあったお化け屋敷に来てみた。
見たところ並んでいる人たちの中には部長さんたちはいなかったが、一応中にいる可能性もあるので外で十分ほど待ってみた。
けれども結局出てこなかった。
暇だからパンフレットの説明を読んでたらこのお化け屋敷は出てくるまでに二、三十分はかかるらしい。
それじゃあ意味ないじゃん。
まぁベンチにいた時間も含めたらちょうど三十分にはなるけど向こうも並んでた時間があるからな...
とりあえず次のフリーフォールに向かおう。
これなら乗ってれば見て分かるしね。
そんなわけで来たのは良いんだけどやっぱりいないわけで。
ホントあの人たちどこ行ったんだよ。
でもわざわざ来たのに何もせずに別の場所に行くってのはなんかやだな。
さっきは三十分と大分時間がかかりそうだったから止めたけど、これならすぐに終わるしね。
でも心配なのは僕がさっきのジェットコースターが無理だったんだよな...
まぁ単純な上下運動だろうし大丈夫かな。
僕は列に向かって足を進めた。
結果。
うん。まあさっきに比べたらマシだけど、やっぱり気持ち悪い...
多分この調子なら五分もしないで復活できると思うけど、あんまりいい気分じゃないな。
でも後二、三回も乗れば慣れてしまいそうな気もするけど。
かと言ってそれで乗るかと聞かれれば拒否するけど。
そんなわけでまたベンチに来た。
しばらくじっとしていれば治るだろうけど、次はどうしよう。
流石にもう疲れて歩きたくない。
もういっその事このままずっとここに居ようかな。
あるいは帰るとか?
あ、ダメだ。江藤さんがいる。
ふむ・・・どうしよう。
面倒くさいからもう諦めて迷子センターに行こうかな。
ちょうどそこにあるし。
これは神のお導きなのだろう。
そうと決めると僕はすぐに行動へと移した。
ゆっくりと立ち上がり、一歩、また一歩とゾンビのように進みだした。
あと数歩・・・と、その時
「あ、カズ!お前どこにいたんだ。」
部長さんの声がした。
声のした方向を見ると、そこには部長さんをはじめ部員がいた。
ふぅ。ぎりぎりセーフ。
後もう少しで完全に中学生としてのプライドを捨てるところだった。危ない危ない。
僕は胸をなでおろしながら部長さんたちに今までの話をした。
カズ視点でした。
携帯は電源がおちているという。
ちなみにそこまで時間は経っていなかったり。
次回で遊園地辺は終わります。




