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桜の舞う頃に  作者: 銀命
一年 一学期
25/79

遊園地3

私は林道さゆり。文芸部で副部長をしている。というか私以外に人がいなかったから仕様がなくと言った感じなのだけど。

今日はセンディーランドというそれなりに大規模な遊園地にきているの。大規模と言っても国内第四位と少し微妙なところなのだけど。

まぁ遊園地なんて来るのは五年ぶりだから結構楽しみではあったわね。


それで最初に部長である麗先輩がジェットコースターに乗りたいというから乗ることになったの。どうでもいいけど私としてはあの人は手の掛かるお姉さんのような感じなのよね。だから時々お姉さんと呼びそうになっていてひやひやしている。流石に呼ぶのは、ねぇ。まぁあの人なら喜びそうだけど。だから基本的に心の中ではあの人と呼ぶことにしてるの。ほかに良い呼び方が思いつかないし。


それは良いとして一日の一番最初にジェットコースターというのはどうかとも思ったのだけど口にしてもあの人が止まるとは思えないからスルーしてたら案の定カズ君が気分悪くなっちゃったのよね。

流石のあの人も責任感を感じたのかバツの悪そうな顔をしていたのだけど、私はこればかりはどうしようも無かったと思うのよ。どうせ最初に乗らなくてもいつか乗っていただろうし。そしたら結果は変わらなかったでしょうね。それでも責任を感じちゃうのだからあの人は結構いい人なのでしょう。知っていたけれど。

あの人は看病しようとしていたのだけれど、悪いと思ったのかカズ君が「迷惑だからどこかで遊んでいてください。回復したら連絡しますから。」とか言うのよ。わざと冷たく言ったのだろうけれど、あの人のことを思って言っていることが丸わかりなのよね。ほとんど棒読みだったし、分からない方がおかしいとも思うけど。ほんといい人ばかりなのだから。唯一どうやって連絡を取るのか謎だったのだけれど、どうやらいつの間にか琴音ちゃんと連絡先を交換先を交換していたらしいのよ。ちなみにカズ君の琴音ちゃんに対する片想いは公然の秘密状態ね。気づいていないのは本人だけじゃないかしら。

そんなカズ君の意図に気づいたのかどうかは知らないけれどあの人もふっきりが付いたらしく、ようやくカズ君から離れたの。あの人は頭は良いのだけれどもどこか抜けているから気づいていなくてもおかしくは無いわね。

というかあの人は医療関係の知識も持っているはずだからあの人が看病していたらすぐに治りそうなものだけれど。そんなことカズ君は知らないか。


それで仕方なくカズ君のもとから離れたは良いけど最初の元気はどこへ行ったのか、ものすごく落ち込んでいたの。他のメンバーもメンバーでもとより大人しいから何も言わないし。

そんな私たちが次に乗ったのはある意味遊園地の定番のコーヒーカップだった。

提案したのは私。とりあえず何か乗らせたかったし、ちょうど目の前にあって並んでいる人が少なかったからという単純な理由だけどそれなりに効果はあったらしく、あの人に少し笑顔が戻ってほっとした。

なんだかんだ言ってあの人が笑顔じゃないともともと消極的なこのメンバーが余計暗くなるものね。


乗り終わったころにはそろそろカズ君も回復していそうなものだけれどもまだ連絡が無いことを不審に思ったあの人がいったん様子を見に行こうと言うから戻ってみたの。私も不安だったし。

そしたら案の定カズ君がいなくなっていたの。

それからというもの不安がったあの人がまるで誘拐でもされたかのように騒ぎ出してもう大変だったわ。

あなたじゃないのだからそうそう誘拐なんてされないというのに。

なんとか宥めてとりあえず迷子センターに相談に行こうってことでようやく落ち着いて来てみたらそこにカズ君がいたからびっくりよね。

死にそうな様子で歩いている様子はそれはもう目立っていたわ。

それを見たあの人がようやくご主人様を見つけた飼い犬のような元気を取り戻したの。

とりあえず何があったのか気になった私たちはカズ君が何をしていたのか訊くことにした。

さゆりさん視点でした。

カズは迷子です。

次回はカズの視点でこの間についてです。

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