序章
俺は思った。
神様、仏様、誰でも何でもいいから二人を助けてくれ!
俺の為に俺なんかの為に、二人が死ぬなんて可笑しい!
そう思った次には、横からの衝撃を受けて俺の意識は消えていった。
私は思った。
良かった。ユウ君だけでも助かって。私の大切な、大好きな人。
この命が、ユウ君の為に使えるのならそれでいい。
何にも出来ない私が最後にユウ君を助けられて嬉しい。
笑顔が浮かんでしまう。
でもそれは、ほんの一瞬で絶望に変わった。
ユウ君の横からトラックが来ている。
ダメ!!お願い、ユウ君を、ユウ君を誰か助けて!!
そう思った時、上からの衝撃で、私の意識は消えた。
絶望と供に。
僕は思った。
ユウトは助かる。僕の大切な友人で思い人。
男なのに、男を好きなんて・・・他のやつはそう思わない。ユウトだけだ。
普通に女の子だって好きだ。性欲だって感じる。
でも、ユウトをみると他はどうでもよくなる。
こんなことは打ち明けられない。ユウトに嫌われてしまう。
あいつに嫌われてしまったらどうにかなってしまうと思う。
そう思った時、見えてしまった。ユウトの横にトラックだ。
何でだよ!!助かったじゃないのか!!
ユウトにトラックが触れるか、触れないか、その時に僕の意識は消えた。