fragrant
fragrantの外装は、
元は赤色だったであろうが古ぼけてくすんだ茶色になってしまったレンガを使っている。
店名がかっこよく筆記体で書かれた看板には埃が被っている上に蜘蛛の巣まで出来ている。
ライトの1つ電気がついてない。
よく言えば趣があってシックな店である。
こんな見た目だから
今まで前を通り過ぎるだけで店内へ入ったことなどもちろん無い。
入ろうと思ったことも無い。
扉は常に開いているし窓が大きいため店内の様子は大体は知っていた。
しかし実際入ってみると想像していたものと大きく違った。
外の様子とは全く違ってぼろくないし古くない。
かっこいい。お洒落。
語彙の少ない私はそんな言葉しか思いつかないけれど
本当にかっこよくてお洒落なのだ。
4つの大きな鏡の前に黒くて座り心地のよさそうな椅子が置かれている。
派手な装飾や無駄なライトアップは無く、ほの暗い雰囲気。
よくある女性向け雑誌は置いてなく、
週刊文春や週刊新潮、囲碁の雑誌などまさにおじさんが読みそうな本が置いてある。
ところで、
猫の5歩くらい後ろを歩いて店内へ私は入ったのだが、
猫の姿が見当たらない。どこにいったんだろう?
お店の様子に気を取られて見失ってしまったようだ。