未来に向けた手紙
『2024年 6月14日
この手紙、本当に届いてるかな?
えっと、こんにちは、いや、こんばんは……? ん~、そっちにはいつ届くか分からないからどういう挨拶がいいか分かんないや。
やっぱり、この挨拶が無難かな。
ハロー。未来の僕。
未来の僕なら当然知ってるだろうけど、簡単なタイムマシンが出来て今日で丁度2ヶ月経ったんだ。
タイムマシンと言っても、まだ人が乗るには危ないらしいんだ。1ヶ月ぐらい前に手紙を未来に送る実験をして、手紙が送り返されたのは大体半分ぐらいだったみたいだし。
そして今日、未来に手紙を送りたい一般人が、実際に手紙を送ることができるようになりました!
ただ、送れるのは「未来」ってだけで、「何年後の何月何日の僕」宛てに送ることはできないみたい。この手紙が明日届くか、10年後か20年後かはたまたもっと先か……。それとも未来の僕に届かないのか。
いや、こんな話をするだけ無駄かもしれないね。やっぱり未来の僕に手紙を送るんだから、どんな生活してるのか聞こうと思うんだ。
未来の僕はどう? どこに住んでいて、どんな仕事をしてて、どんな格好をしてるんだろう?
今の僕の夢は警察官だから、未来の僕には是非警察官になってて欲しいんだけど……どうだろう?
そうそう、僕の世界では大きな国同士が「核戦争だ」って言っていて、戦争が始まったら地球が滅ぶ、って言ってるんだけど、未来はどうなってるのかな?
学校で習ったような、草も木も生えない状態になってたら……僕はやっぱり悲しいよ。
実際戦争が起きてたら、タイムマシンなんて無いかもしれないね。あはは。
あ、もう書くスペースがないや。
最後に何か聞きたいこと……あ、そうだ!
学校で僕が好きな子……恥ずかしいから名前は書かないけど、あの子は、未来の僕のお嫁さんなのかな?
是非教えてね!
この手紙が、未来に届きますように……。』
『2037年 9月1日
ハロー、過去の俺。
この手紙を貰ってまず思ったのは、今の俺とすごい口調が変わってることか。「僕」から「俺」になってるしな。
13年前の俺か……小学生の頃だから、本当に夢や希望で一杯だったんだろうなぁ。手紙からも感じ取れるよ。
まぁ、長ったらしい挨拶は抜きにして、書いてくれてた質問に答えるとしましょうか!
まず、住んでるところなんだが、過去の俺が住んでたところ、そこにずっと俺は居続けてる。遠いほかの場所なんて行くこともなかったし、多分これからもないと思う。
次は仕事。過去の俺は警察官になってて欲しかったみたいだが、残念だけど警察官じゃない。今の仕事は……小学生には難しいから詳しくは書かないが、ゲームを作ってるようなもんかな。今思えば警察官も楽しそうだが、今の仕事もやりがいがあって本当に楽しいと思う。人間、自分に合った仕事はいくらでもあるもんだなぁ。
格好は、まぁ省略しよう。そんなもの自分のセンスだからな。
核戦争、か。13年前はそんなことも言ってたな、と思い出すな。
結論から言えば、核戦争なんてなかったよ。今も平和で平和で、本当いい世界だと思う。
草木が綺麗で、青空も綺麗で、海も綺麗で、空気も綺麗。大人になって人間関係って意味ではちょっと汚いな、と思うが、世界はまだこんなに綺麗だな、って本当に実感する。過去の俺もいつかそう思うことがくるさ。
タイムマシン。ちなみに、俺の世界では人間の移動も可能になってるぜ! ただ、過去に戻るのは死刑レベルの犯罪だから、そっちに行くのは無理だな。過去の俺をこの目で見てみたいとは思うんだが……仕方ないな。
おっと、一つ質問に答え損ねるところだった。一番聞きたかった、過去の俺が好きな人が俺の嫁さんかどうか……だっけ?
残念だが、これはお前には教えられないな! いや、意地悪とかじゃなく、純粋に、そんなことまで知ってしまったら面白くないだろう? ははっ、許せ、過去の俺。
さて、最後に一つ。大人が子供に教えられる教訓を書いておこう。
人間には運命なんてものはない。人の選択によって、そいつの未来はそいつが描くように変えられる。諦めるな。
つまり、自分が後悔しないような行動を取れ、ってことだ。
じゃあな。そっちの世界も平和が続けばいいな。』
二作目です。相変わらず思いついたものを書いただけなので、推敲全く無しです。
今回のお話のテーマは『神無月 湊の希望』です。
お話の中に出てきた言葉、「人間には運命なんてものはない。人の選択によって、そいつの未来はそいつが描くように変えられる。諦めるな。」
よく聞くような言葉ですが、私はこういう言葉を信じていたい、と思っています。
それこそ、私が思い描く夢を実現させたいから、という理由でです。これは誰でも夢見続けていることかもしれませんね。
今夢を持っている人、どうか諦めないでください。私も諦めないので!