百合夫婦と始めてのお酒※ノンアルコール
私は、タブレットに向かって、絵を描いていた。
今私が描いているのは、ている先生のライトノベル作品『ファンタジーレストランを経営する事になったのですが、食材を調達するハンターさんがかつて世界を救った英雄様で、しかも女の子で、更に彼女と夫婦になって、彼女が狩りをして、私が料理を担当して、二人で世界一のレストランを目指す事になりました』のイラストだ。
ている先生は異世界百合を得意とするラノベ作家だ。『ハグだけで女の子達を惚れさせて、百合ハーレム建設』や『百合夫婦異世界探訪』などが代表作だ。
彼女のラノベのイラストは毎回私が担当している。私の絵柄が作品とマッチしているらしく、編集さんも、それを理解してくれているみたいだ。
私がイラストを担当したライトノベルは必ずヒットすると言われているが、ている先生の作品はそれに漏れず、毎回大ヒットを記録している。
私は、彼女の専属絵師のような状態になっており、
ファンの間では、黄金のていぷらコンビと呼ばれていてる。
二人のペンネームが擬人化されていて、多くのファンアートが存在している。
ている先生が、ケモ耳ケモ尻尾のお姉さんで、
私がすももが大好きな、幼い女の子になっている。
この二人のおねロリ百合が去年の冬コミの目玉になっていたようだ。
悪い気はしないけど、私としては、みなものペンネーム、りぷとん先生を擬人化してもらって、私と組ませて欲しい。だけどみなもと私が一緒に仕事をした事は無いし、共通点がないから、組まれる事はないか。
「駄目だ……書けねぇ……」
タブレットに向かっていたみなもが、弱音を吐きながら、うなだれていた。
「みなも、大丈夫?」
「すまねぇな、情けない所見せちまって、今の私はスランプなんだ、新作が全く思いつかねぇ」
「焦ら無くてもいいよ、ゆっくり描いていこう」
私はみなもを励ました。だけどみなもの表情は浮かないままだった。
「本当、情けねえよな、今の私ってさ。彩果にあんな偉そうに言っといて、自分はこのざまだ」
「偉そうな事って……」
「憧れるの辞めろだよ……ほんと、何様だよ、私風情が」
いつになくみなもが弱気だ。でも驚きは無かった。元々彼女はとても繊細だ。傷つきやすい。
過去に興味本位で自分のアンチスレッドを見てしまい落ち込んだみなもは一ヶ月間、何も描けなくなってしまった。その時は私が付きっきりで慰めて、なんとか元気を取り戻した。
だから、今回も私がみなもを勇気つけないと。
「お前は凄いよな、今やトップ絵師だぜ。それに比べて私は、しがない漫画家でしかない」
自分を卑下し始めるみなも。嫌だ、こんなみなもは見たくない。
「そんな事ないよ、みなもは『月映えに芽生える』を描いて、大ヒットさせたじゃん」
「ああ、そうだったな、『つきめば』だけの一発屋だな。そのあとは鳴かず飛ばすだ」
駄目だ、みなもが自虐的になっている。
「今やぷらむと聞けば、九割の奴らが、お前を想像するだろう。 果物のプラムを思い浮かべる奴なんて一割くらいだろう」
みなもは円グラフを描いて、説明を始めた。
意外とゆとりあるのかもしれない。
「一方、りぷとんと聞いて私を想像する奴なんて一割もいない。紅茶の方を想像する」
「みなも、もう自虐は良いでしょ、そんな事してるみなもなんて、見たくないよ」
「すまねぇな、現状の私が情けなさすぎて自分を蔑まないとやってられないんだ、なんせ一発屋だからな」
嫌だ、嫌だ、こんなみなも見たくない。目を背けたい。私の憧れたみなもはもういないのかな。
ずっとみなもの背中を追ってきた。彼女に弟子入りして、絵の技術を教えて貰って、プロになって、改めてみなもの偉大を知る事になった。あの背中に少しでも追いつきたくて、やっと背中が見えてきたかもしれない所に私はいる。
なのに、今のみなもの背中が小さく見えた。
見えた背中は小さかった。
違う、あの時見たみなもの背中はこんなものじゃなかった。
私が何とかしないと……みなもを勇気付けないと。
「みなも、こっち向いて、これで元気出して」
「何だよ」
私はみなもにキスをした。ただのキスではない、
ディープキスだ。舌をみなもの口の中に入れ、みなもの舌に絡ませる。
「むぐっ……彩果……」
「みなも……」
今までした事が無かった。する勇気が無かったから。みなもには、お前のキスはおこちゃまだと言われる事があった。悔しかったので、ディープキスの練習をずっとしていた。エアディープキスを。
舌を離すと、糸を引いているのがわかる。普通のキスでは、見る事ができないものだ。
「むっぐむ……ぷはっ!
「はぁ……はぁ……えへへ、初めてのディープキス、どう?」
「うむ……下手!」
「ええー! エアーで練習してたのに」
「ディープキスはな、こうやるんだよ!」
そういうと、みなもは私の唇を舐め初めた。そして舌を優しく入れて、私の舌に絡め始めた。
「ん……みなもっ」
「ん……ふ」
私の歯に当たらないように、舌を伸ばして押し付けるのではなく、ゆっくりとした舌使いで、私の舌に重ねてくる。されていて、とても気持ちよかった。
みなものディープキスは、私なんかのより、ずっと上手だった。
「むぐっ……みなも……」
「はぁ……はぁ……ふっ、どうだこれがディープキスだよ、お前はまだまだおこちゃまなんだよ」
私は腰を抜かしてしまった。みなもの方が技術は遥かに上だったようだ。
「よし、私もまだまだ負けてないってことだな、気分がいいぜ」
良かった、なにはともあれ、みなもが元気になってくれて。
「よし! 今夜はビール解禁だ! たまには飲んで発散しないとな!」
「あっ、じゃあ私も飲む! もう二十歳だから飲めるもん」
「おっ、彩果も遂に酒デビューか、待ってたぜ」
「えへへ、約束が果たせるね」
みなもと私がかつて交わした約束、二人をお酒を飲む事。私が大人になるまで、みなもは待ち続けてくれたのだ。
「とは言っても、いきなりアルコールを飲ますのも不安なんだよな、愛する妻が、アル中になったら心配だからな」
「みなもー!」
「よしよし」
「私の事、想ってくれてるんだね」
「当然だろ、お前が一番大事なんだからな」
飲む前から惚気る私達。この時間が幸せだ。
「そこで最初の内はアルコールゼロの缶ビールでいいか? ビールテイストってやつだな」
みなもは冷蔵庫から、二本の缶ビールを取り出した。
「ありがとうみなも。えへへ、いきなり酔い潰れてたら世話無いからね」
「私も、ベロンベロンに酔いたくはないからな。体壊したくねーし、アルコールなんかなくったて、美味いものは美味いだろ」
「何を飲むかじゃなくて、誰と飲むかだよね」
「そういう事だ、じゃあ乾杯」
「乾杯!」
初めて缶ビールの栓を開ける。独特な匂いが私の鼻を突く。
「匂いだけで酔いそうだよ」
「酔う訳ないだろ、アルコール皆無なんだから」
「いただきます」
生まれて初めて飲むビールの味。舌に強い刺激が伝わる。そして苦かった。
「どうだ、初めての味は」
「うーん、苦くて……あんまり美味しくない」
「アルコールのあるビールと味は大差ないんだがな、彩果の口には合わないみたいだな」
「ごめんね、みなもが買ってきてくれたのに」
「いいさ、お前の飲んでる姿が見れたから、可愛かったぜ」
「みなもー!」
「可愛いすぎだろ! 私の嫁!」
お酒を飲むよりも、みなもとイチャイチャしてる方が楽しい。
「言い忘れてたけど、ビールは直接飲むと泡がたたないぞ、グラスに注がないとな、飲み口も違うものになる」
「それは先に言って! その見た目の方が美味しそうだもん」
「私とした事が不覚だ。ビールの泡を口に付けてる彩果が見たかった。」
「じゃ今から注ぐね、コップコップ……あれ、なんだろ……この感覚」
「どうした? 足元がおぼつかないぞ」
何だか気分が高揚してきた。顔が紅くなっているのが、鏡を見なくても分かる。体中が火照ってるから。
「彩果……お前まさか、酔ってきたのか? アルコール無しのビールで」
「えへへへへへへへ、嫌だなぁ、そんな訳ないじゃん! みなもの早とちり、ちりとり鍋」
「何だそのギャグ、普段の彩果なら言わないぞ」
「普段の私の何を知ってるの? みなものエッチスケッチワンタッチ」
「古っ、駄目だ、完全に酔ってやがる。ていうかどうやったら酔えるんだよ、逆に知りてぇよ」
「えへへ…」
駄目だ、自分でも何を言ってるか、分からなくなってる。テンションがおかしくなっている。酔うのって
こんな感覚なんだ。
「それでねー! 雪菜ったら私の事、マザコン絶壁貧乳女とか言うんだよ。酷いよねー! 私からしたら、雪菜は天然ぶった毒舌腹黒性悪貧乳女だよ」
「そうだな……」
みなもは酔っておかしなテンションになっている私に、困惑してるようだった。何ていうか、酔っ払いに絡まれたシラフの人って感じ。
「あった、これか、プラシーボ効果。アルコールを飲んでいなくても、酔ったような気分になる、空酔いって状態だな」
みなもは、スマートフォンで私の状態について、調べていたようだ。
つまり今の私は、アルコール無しで酔うという、面白い状態になっているとの事。
ビールを飲めば、酔うに決まっているという、固定観念があるから、私はアルコールの無いビールで酔ってしまったようだ。
「お前、私と一緒に酔いたかったのか?」
「そうかも、みなもと一緒にお酒飲むの、ずっと楽しみにしてたから、イメージトレーニングとかもしてたから」
いざ飲んでみると、想像してたのと、全然違った。
何より、この高揚感はシラフでは味わえない。
「彩果に本物のアルコールを飲ませたらどうなるんだ……」
多分、こんなものでは済まないくらいの状態になると思う。自分で想像しただけでも恐ろしい。
「ビールの味に慣れたら、アルコールビールを飲ませるつもりだったんだけどな……やめた方がよさそうだな」
みなもにしては英断だと思う。これ以上、私の尊厳が破壊されるのは耐えられない。
「えへへーみなもーみなもは凄いねーさすが私の奥さんだよ!」
「大丈夫か、彩果……まぁアルコールが入ってる訳じゃねえから、中毒って訳でもないし」
「みなもは、ただでさえ天才なのに、努力を惜しまないんだもん、敵わないよ」
「もしかして私を褒めてるのか?」
「そうだよー、みなもは私のヒーローだもん、もう惚れ惚れしちゃうよ」
空酔いしてるからなのか、シラフでは言わない様な言葉が、次々と、私の口から飛び出してきた。
「もう、みなも、これ以上私を惚れさせないでよ、もう惚れてる状態なのにさ」
「まだまだ惚れさせ足りないぜ、持っと私の良いところ見せて、お前をメロメロにしてやるよ」
「きゃー! かっこいいー! もうときめいちゃうよ」
みなもも私に合わせてくれているようだ。
「そうさ! 私が天才漫画家、りぷとんだ! あの『百合園』で看板漫画を連載していたんだぜ! どうだ、参ったか!」
「すごーい! 神様仏様りぷとん様!」
「更に全十一巻で、累計百五十万部を記録したんだぜ!」
「すごーい! 印税でがっぽりだね! 一生遊んで暮らせるね!」
いや、確かに凄い。凄すぎる。だけどみなもはこう言う自慢はしない人だ。とても謙虚である。
そんなみなもがこんな事を言うって事は、追い詰められて、自暴自棄になっているのか、私を楽しませてくれようとしているのか。後者かな。
「更に、あれだけ売れたのに、また新作を描こうとしてるんだぜ、どうだ? 創作欲が尽きないって凄いだろ」
「凄すぎるよ。私もう、パンツびしょ濡れだよ」
何を言ってるんだろう、私は。シラフだったらこんな下品極まりないセリフ、絶対言わないだろう。
「いやー、褒められるも気持ちいいな、もう惚れてる彩果が私の活躍を見て、更に惚れていくのは……」
「どうしたの? みなも」
「いや、何か閃きそうなんだ……この展開、相手が褒める……更に惚れさせる……」
みなもの表情がいつになく真剣だ。何か思いついたのだろうか。
「これならいける! 新作が思いついたぞ!」
「えっ本当?」
「そのタイトルは『もう惚れてるけど活躍してもっと惚れさせて彼女をオーバーキル!』」
「みなもー!」
「彩果!」
私達は抱き合った。そして唇を交わした。
「うう……良かったね、みなも」
「彩果とのやり取りで思いついたんだ、彩果のお陰だよ」
「私達の愛の結晶だね、愛情を持って育てよう」
「絶対大ヒットさせてみせるぜ」
みなもの表情が柔らかいでるように見えた。ここ最近、思い詰めた顔をしていたので、心配だった。でももうその必要なさそうだ。
「それで、作画は彩果に任せる、 やってくれるか」
「え、私が描いていいの? みなもの漫画を」
「そうだ、原作は私、作画は彩果。夫婦で描いて『こみっく百合園』に持ち込みだ!」
夢みたいだ、みなもと一緒に仕事ができる。
本当に実現しちゃった。みなもとコンビを組むって言う夢が。
「絵に関しては、彩果の方が上手いからな、お前が描いてるだけで、ファンは食いつくだろ」
「絵だけ良くても売れる訳じゃないよ、大事なのは中身だもん」
「分かってる、でもそれだけ彩果の存在は大きんだよ」
? 随分と私を過大評価してくる。私なんて絵師全体で見たとき、末席を汚さぬようにしてる存在なのに。そんなにみなもの中で私は凄いのだろうか。
「とにかく、これでスランプは脱出だ。もう悩まなくて済むぞ」
「良かったねぇ……うう……グスッ」
私の両目から大粒の涙が溢れれていた。ずっと抑えていたものが、抑えられなくなったんだろう。
「悪かったな、彩果に沢山心配を掛けて、もう大丈夫だぞ、私は元気になったからな」
「みなもー!」
「よしよし」
私は暫くみなもに抱きついていた。
そうしているうちにすっかり酔いがさめていたようた。そして、この出来事が、夢ではないことに、安堵するのだった。
「さっそく原稿を描こうと思ったんだけど、今日はいいか。疲れたし、また明日にしよう」
「それ、結局やらない人の言い訳じゃない?」
「明日から本気出すってか? そのつもりだ。今日は彩果と、イチャつきたい気分だからな」
「みなもー!」
「全く、可愛い嫁だぜ」
みなもの言葉に甘えて、今はみなもと惚気る事にしよう。何せ二人で漫画を描くのだから、夫婦の仲を更に深めなきゃね。
「ディープキス、今度は上手くやってみせるよ」
「お前のおこちゃまなキスじゃ、私を満足させられないよ」
「やってみないとわからないもん」
「ま、期待しないでいるよ」
「じゃあ、するよ」
私は、みなもに軽くキスをした。そしてみなもの唇を私の下唇と舌で挟む。
「どう? みなも、気持ちいい?」
「今のトコな」
「見直した?」
「全然」
悔しい。みなもに腰抜かせてやる。
みなもの口の中に舌を入れる。さっきはいきなり絡ませてしまったので、落ち着いて、みなもの舌に私のしたをのせる。そして、少しずつ絡めていく。
舌に力を入れすぎないように、少しずつ、みなもの舌をおしていく。
「むぐっ……」
みなもを抱きしめる力を強める。心なしか、みなもが気持ち良さそうな顔をしていた。
舌をゆっくりと絡める、先程は急ぎすぎたので、上手くいかなかったのだろう、でも今度は違う。力をいれてじっくと舌を絡めていく。
「むっ……ひゃ、ひゃいか……」
「ん……」
みなもが声を上げ始めた。でも私はやめない、キスをつづけた。まさか息苦しいとかいう理由ではあるまい。鼻で呼吸してるのが私からでも分かるから。
「ん……はぁ」
みなもの力が抜けていくのがわかった。まさかもう限界という訳でもあるまい。
「どうしたの、みなも。腰が抜けちゃった? まだまだキスしていたいのに」
「お前……短期間で上達し過ぎだろ」
「成長期だからね、みなものキスをお手本をにしたんだよ」
「何で私より上手いんだよ……」
どうやらこの対決は私の勝ちのようだ。
「描くんだろ? このディープキスを」
「うん、描いてみたい、お酒を飲む所も、みなもとの日常を書き留めたい」
「そしてそれを見せて、尊さを伝えるってことか」
「みなもを利用してる訳じゃないよ! 私達の愛を描いてるだけだもん。みなもも描いていいって言ってくれたし」
「勿論だ、お前に描いて貰えるんだから、嬉しいよ」
この何気ない日常も、見る人によっては尊く見えてるのしれない。だったら私は描くだけだ。
「私ね、みなもとの日常を描いた絵をまとめてイラスト集にしようと思ってるんだ。」
「百合夫婦ものか?」
「そう、それが私の二十冊のイラスト集になるんだ。大切な節目の作品だからね、みなもとのイチャイチャぶりを描きたいんだ」
十五歳でプロデビューして、これまで十九冊のイラスト集を出してきた。
でも百合夫婦を題材にした作品はまだ無かったから、描いてみたいと思っていたんだ。思ってみれば、みなもと私って百合夫婦にあたるよねって、最近になった気付いた。それで決めたんだ、私達を描こうって。
「だったら、お前の仕事の為に協力してやるぜ!」
「きゃー! みなもに襲われちゃう! けだもの!」
私に覆いかぶさるみなも。また芝居がかったリアクションをする私。いつもの事だ。
「まずは夫婦の営みだ」
「それはこの前に描いたでしょ。その事しか考えられないの?」
「夫婦円満の秘訣だろ、私の相手をしろ」
「仕方ないなぁ、性欲が強い妻を持つと大変だ」
私は缶ビールの残りを飲み干した。お酒の力に頼る事にしたのだ。アルコールゼロだけど、私は気分で酔える。そしてみなもの服を脱がし始めた。
「酔ったって、いつものお前と変わらないぜ、また可愛いネコちゃんぶりを見せてくれよ」
「うん……みなもがね……」
「朝チュンっていうのは、スズメの鳴き声が聞こえて無くても朝チュンっていうのかな? みなもはどう思う?」
「ありえねぇ……私が抱かれるなんて……」
私はお酒の力を借りて、気分を高揚させて事で責めにまわる事ができた。
シラフだったらできなかっただろう。
「みなもが受けになるのは始めてだね、可愛いかったよ」
「酒の力を借りるなんて、ノーカンだろ! フェアじゃねえ」
「アルコールは入ってないよ、私が空酔いしてるだけだもん」
「くっそ……夜の主導権を握られた。キスでも負けたし、駄目な女だな。私」
みなもがまた落ち込み始めた。情緒不安定すぎる。
「もう、そんな事ないよ、みなもは凄いよ! 」
また褒め倒してオーバーキルさせてやろう。創作の役に立つかもしれないから。
「いやー、照れるぜ。何たって私は天才漫画家だからな!」
「きゃー! 惚れちゃうよ、もうお股びしょ濡れだよ」
「どうやら彩果をオーバーキルしちまったようだな」
みなもと描く新作漫画が今から楽しみで仕方がない 私なのであった。




