みなもの想いⅡ 彩果の両親への憧れ
まさか彩果が私の不倫を疑うだなんて……そんなに大星と仲良くしてるように見えたのか?
私は、何故か彩果の実家で環瑠さんの作るカレーを食べる事になった。仲直りしたら食べに来いと、約束していたらしい。別に喧嘩なんてしてないんだけどな。彩果が勝手に勘違いしただけなんだけどな。
「みなもちゃん、良かったわね、彩果ちゃんと仲直りできて!」
「えぇ……まぁ、心配かけたみたいすね」
「えへへ、みなもが不倫する訳ないのにね」
お前が勘違いしたんだろうが、何を他人事みたいに言ってるんだ……だけど彩果の顔を見ると怒る気にもならない。私の可愛い嫁の顔には、いつも癒されている。
「環瑠さんのカレーを食べるのは、久しぶりですね。できれば毎日食べたいくらいですよ」
「食べにきてもいいのよ? 振る舞ってあげる!」
「……できればカレー以外も食べたいっすね、環瑠さんの料理は、どれも美味しくて、勉強になりますから」
「みなもはねーママの料理を勉強して、自分でも作ろうとしてるんだよ」
「あらら、そうなの? じゃあ特別にレッスンしちゃおうかな……」
「それは是非ご教授して頂きたいですね! 環瑠さんの料理スキルを、自分のものにしたいんで」
「分かったわ、今度、特別講習をしてあげるわ」
「ありがとうございます」
「みなも、そんなに料理の腕を上げたいんだね」
「当たり前だろ、お前の為でもあるんだからな」
「あれ? そうなの?」
そうだ、私は料理の腕を上げて、彩果を幸せにしたいんだ。私の可愛い嫁を満足させたいんだ。
妻の胃袋を掴むのは、当然の事だろ。
「お待たせ! カレーライスよ」
「相変わらず環瑠さんのカレーは美味そうすね、いや美味いんすけど、なんつーか……見た目から違うって言うか」
「見た目も良くて味も良い、みなもの作るカレーとは大違いだね」
「どういう意味だよ、私のカレーだって美味いだろ」
「美味しいけど、野菜をぶつ切りするから、ゴロゴロしててバランスが悪いって言うかさ、見た目で損してるよ」
「美味いんだから良いだろ。それで不味かったら、目も当てられねぇよ」
「ママのカレーは、野菜も綺麗にカットされてて、食べ易いもんね、甘くて食べ易いし」
「確かに……私は辛いのしか作らないからな……彩果は甘口が好きなのに……」
「それも私が教えてあげるわ、今は食べましょう」
「いただきます!」
「うーん、美味しい!」
「流石環瑠さんのカレーだな、私が作るカレーとは大違いだ」
「沢山作ったからね、おかわり自由よ」
「ありがとうママ」
朝はパエリア、夜はカレー凄い食生活だ。しかし大星の奴。本当に私の高校時代の事を話すつもりなのか、口封じする訳にもいかないし……どうしたものか。まぁ彩果になら知られてもいいかな、私の黒歴史を。私の駄目な所も好きでいてくれる彼女には。
「美味しー!」
彩果が食べる顔は可愛い……ずっと見てられる。この笑顔を守りたい。そしてもっとこの笑顔をして欲しい。だから私は、もっと料理の腕を上げたいんだ。
環瑠さんの料理で笑顔になる彩果。私の料理でも、同じ様に笑顔になって欲しいから。
もちろん私の普段の料理でも笑顔になってくれる。だけどまだまだ実力不足だ。もっと笑顔にできる。私はその笑顔が見たいから、料理のスキルを磨きたいんだ。彩果の笑顔を引き出したいんだ。独り占めしたいんだ。現状、環瑠さんにしか引き出せてないからな。
姑に嫉妬してしまっている自分がいる。
「みなもちゃん、焦らなくて良いのよ、自分のペースで良い。彩果ちゃんは、逃げたりしないもの」
「え? あっ……はい」
思考を読まれた……流石環瑠さんだ、私の考えてる事なんて全てお見通しという訳か。でもこの人は味方だ。遠慮なく甘える事にしよう。環瑠さんと花織さんは、私にとっての憧れの夫婦なんだから、彩果と私も、二人の様に円満でありたいからな。
「えへへーみなもー」
彩果の笑顔は、私にとって何よりも癒しだ。彩果の為に、私はもっと自分を磨かないと……愛する妻の為にもな……




