表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな足跡の記録  作者: こう
新たな恐怖 原因不明の不安

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/134

揺らぐ希望、迫る選択

ベビーカーでの注入を始めて四日目の夜中のことだった。

それまでは吐くこともなく、以前には見られなかった咳反射も出はじめ、うまくいっているように見えていた。


しかしその夜、急に高熱が出た。

夕方までは平熱だったのに、夜中に看護師さんが検温に来た時には、すでに39℃を超えていた。


周りが一気に慌ただしくなる気配に、妻も目を覚まし状況を把握する。

侑也には鼻の酸素カニューレが取り付けられ、夜中のうちに個室へと移された。


朝になり、検査の結果は――「肺炎」。


上がってくる量は減っていても、咳反射があっても、少量が肺に入り込めば肺炎を起こす。

せっかく掴みかけた希望が、音を立てて崩れ落ちていくようだった。


熱は三日間下がらず、侑也はぐったりしたまま。

座薬も効きが弱く、時々うなされている。

先生の判断で抗生剤が切り替わり、より強いステロイド剤が投与されることになった。

薬を変えた日の夕方、ようやく熱が下がった。

しかしその後もしばらくの間、侑也は目を開けたり、少し動いたりするだけで、ほとんどを眠って過ごした。

熱が下がって二日後には表情が戻ってきたが、ずっと付き添ってくれた妻の心労は計り知れない。


酸素の機械はついたまま。

本当の “元気” には、まだほど遠かった。


肺炎から一週間後、ようやく酸素を外すことができた。

鼻の横についたチューブをしきりに気にしていた侑也は、少しスッキリした顔をしていた。

まだ全快ではないが、笑顔も戻りつつある。

けれど、何度も繰り返す「肺炎」。

――これこそが、後日、僕たちに再び “選択” を迫る出来事となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ