親バカの自覚
2月21日
今日は退院後初めての定期通院。
診察とリハビリを受ける、大事なチェックの日だ。
まずは身長体重の測定。
身長65.9センチ、体重6130g。
「いつの間に6000g超えたんだ?」
「入院中の絶食もあったのにね。栄養剤って本当にすごいね」
妻とそんな話をしながら待っていると、診察室へ呼ばれた。
侑也は先生を見るなり、ご機嫌に手をバタバタ。
「帰ってきたよ〜!久しぶり〜!」
とでも言っていそうだ。
診察自体は問題なく終わり、僕はずっと悩んでいたことを思い切って聞いた。
「先生、離乳食…まだ早いですかね?」
先生は事情を知っているからか、少し渋い顔をしたあと、
「少量ずつやってみますか。無理はせず、慎重に。味を知る程度からで」
と、一応のOKを出してくれた。
侑也にとって“食事”は
起きたらお腹が満たされているもの──それだけだ。
食べる楽しさ、味わう幸せを知ってほしい。
そういう思いがあった。
でも、無理は絶対にいけない。
慎重に。それだけは忘れないようにしよう。
リハビリ室ではいつも通り、先生と遊びながらの訓練。
お座りの練習の時間を増やすこと。
足裏を刺激しながら立つ姿勢に慣れさせること。
今日も新しい課題が出された。
帰りの車の中で妻と話す。
「侑也、お座りは好きなんだよな〜。
俺の膝の上だと結構安定してるし。反り返るけど」
そんな話をしているうちに、ふと思いついた。
──ただ座らせるだけじゃなく、絵本を読んでやればいいじゃないか。
後日、僕は仕事帰りに絵本とおもちゃを買って帰った。
絵本は絵が中心でほとんど字がないもの。
おもちゃは、触ると動き回るライオンのかわいいやつだ。
「また何か買ってきたの?
もう…侑也のことになると、思い立ったらすぐ買っちゃうんだから」
妻が笑いながら言う。
確かに部屋を見回すと、侑也のおもちゃでいっぱいだ。
「あれ……俺、思ってた以上に親バカか?」
自覚して苦笑いすると、侑也を見つめていた僕の横で、妻が小さく笑った。
「ほら。またデレデレしてる」
うん……たぶん、否定はできない。




