友の腕のぬくもり
退院して数日、僕の友人たちが順番に侑也の顔を見に来てくれた。
侑也の病気のことも、経管栄養のことも全部知っている。それなのに、誰一人として「大変だな」とか「頑張ってるな」なんて言わない。特別視しないで、ただいつも通りに接してくれる。
そんな優しい友人たちだ。
それぞれに抱っこしてもらう時も、僕から手渡すと侑也はニコニコとご挨拶。しばらく腕の中で揺られていると──
「あ、この人、抱っこ慣れてないな」
と気づいたのか、急に泣き出してしまう。
慌てて僕の腕の中に戻すと、途端に「これこれ」と言いたげに笑顔に戻る。
現金なやつである。
友人たちには、最近始めたお座りの練習や四つん這いの姿勢も見てもらった。
お座りはまだ反り返ってすぐ崩れてしまうけれど、四つん這いは少し長めにキープできた。
みんなが褒めてくれるので、僕はつい侑也と同じようにドヤ顔になっていた。
「何でお前までドヤ顔なんだよ」
「いや、侑也すごい頑張ってたじゃん」
「うん、侑也君は頑張ってた。ほんとすごいぞ〜。で、お前は?」
……当たり前のことを、当たり前のように突っ込まれてしまった。
でも、こういう距離感が僕にはいちばん居心地がいい。
侑也にも、いつかこんな友達ができるといいな──
友人たちの背中を見ながら、そう強く思った。




