日常を取り戻して
退院したその日から、侑也はいつも以上に元気いっぱいだった。
栄養剤の注入を始めたはいいが、転がりすぎて体中にチューブが巻き付き、身動きが取れなくなる。
「助けて〜」
と言いたげに声をあげて僕たちを呼ぶ。
リビングに連れてきて遊ばせようとすると、衣類ネットや僕の上着を引っ張って遊びはじめる。
侑也にとっては、見るもの全部が興味の対象であり、おもちゃになるらしい。我が家へ帰ってきたことを、侑也自身も全身で感じているようだった。
訪問看護師さんも再び来てくれるようになり、「シンク風呂」にもご機嫌で入れた。
日常が戻ってきたことが、こんなにも幸せなものだったのか──家族みんなでしみじみ感じていた。
今回、ロタウィルスの兆候だった「白い便」。
普段と違うことがあった時に、もし訪問看護師さんへすぐ相談していれば、もっと早く気づけていたかもしれない。
そう妻と話し合い、これからは侑也の体調管理と情報共有のためにも、
「気になることは必ず連絡する」
と決めた。
電話して何でもなければ安心できるし、僕たちだけで悩んでいるうちに事態が悪化してしまうのが一番よくない。
頼れるものは積極的に頼っていこう──
何より大切なのは、侑也が安心して暮らせることなのだから。




