表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな足跡の記録  作者: こう
再出発

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/134

ロタウィルス感染 〜白い便〜  

1月18日。

この日は侑也の調子が悪かった。


以前のように噴水のように吐くわけではない。

でも、少量を繰り返し吐く。

退院後は落ち着きを取り戻しつつあったのに、何かおかしい。


動きもいつもより少ない。——絶対変だ。


そう感じた妻は、昼間のうちに受診しに病院へと向かった。

「もしかしたら腸が何らかの原因で腫れて、胃を持ち上げているのかもしれませんね。

 浣腸してしっかり出してあげて、様子を見てください」


そう先生に言われて帰ってきたらしい。


僕は仕事から帰って、その報告を聞いた。

すぐに侑也のところへ様子を見に行くと、おとなしく寝ていた。


寝ているなら大丈夫だろう——そう思っていた。


だが、19日の未明。


まだ日も昇っていない時間に物音がして、妻が目を覚まし様子を見に行った。


そこには侑也が暴れ、管が完全に抜けた姿があった。


すぐに妻が僕を起こしに来た。

気が動転していたようで、漏れた栄養剤で濡れた布団や枕を気にしている。


「それどころじゃないだろう」


僕の言葉に、妻はハッとして我に返った。

すぐに病院へ連絡し、管が抜けたことを伝えて連れて行くことにする。


行きしなの車の中で、妻から昼間の通院後の話を聞いた。

浣腸したとき、見たこともない白い便が出たという。


「消化不良でも起こしたのか?」と思ったが、

出たことで安心していたらしい。

そのときは僕もそれに同意した。


——知らなかったのだ。


病院に着くと、まずは体温を測った。

おかしい。高熱だ。

家を出る前に抱っこしたときには気づかなかった。


すぐに処置と検査が始まった。

僕たちはただ管が抜けただけだと思っていたのに、

急に不穏な気配が漂い始めた。


待合で処置が終わるのを待っていると、先生が来て言った。


「説明があります。中へどうぞ。」


「ロタウィルス感染ですね。腸がパンパンに腫れています。再挿入を試みましたが、このままではできないかもしれません。

 外科の先生を呼んでいます。侑也君の挿入をいつも行っている先生です。彼だったらもしかしたら…」


——ロタウィルス。


後で分かったことだが、このウィルスは特徴的な白い便が出るという。

それを知っていれば、侑也が苦しむ前にもう一度病院へ連れて来られたかもしれない。


自分たちの無知のせいで、また侑也を苦しめてしまった。

そう反省しながら、僕たちは再び入院生活へと戻ることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ